うちにおいでよ。

ゴローザの「おもてなし」… 来てくれる方の喜ぶ顔を思い浮かべて「心」をこめます。
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カブの絵が描かれたフランスのジアンのお皿。「カブのサラダ」を盛り付けてトロンプルイユ・トリック?

“Ti ospitiamo”= ティ・オスピティアーモ 『うちにおいでよ』 という意味のイタリア語です(直訳:わたしたちはあなたを歓迎します)。

イタリアでは「親しくなると自宅に招いて手料理でもてなす」というのが一般的。これは「あなたはもう、わたしの友達よ」という基準でもあるとか… 気を使うことなくおしゃべりも楽しめるし、我が家自慢もできるから「最高のおもてなし」となるのでしょう。

ゴローザも、イタリア人の家族から歓待を受けたことが何度かあります。

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陶製の菓子器に「和」のあれこれを。「九条ネギ入り出し巻き卵」うまく焼けました。「手延素麺+ジュレ」は日本の古いガラスのコップに。

ビッグサイトの仕事で出逢ったジェノヴァの青年アンドレア。彼の通訳として一週間を過ごしました。会話の中心は生まれ故郷のワインとマンマの料理。今度イタリアに来たら“Ti ospitiamo!” アンドレア、パパ、マンマ、伯母さん、弟とその恋人がお出迎え。美人で素敵なマンマの手料理と土地のワインが次々と並びました。

カモッリの瀟洒なヴィッラに暮らす友人、画家のアレッサンドラ・プッポは、この地方ご自慢のPesto Genovese(ジェノヴァ風ペースト)のトレネッテを。Mortaio (大理石の乳鉢)で丁寧に擂られた、なめらかで薫り高いペースト。忘れられない一品(ワインは確か Vermentino)。リビングの広い窓からは青い碧いリグーリア海が見渡せます。白壁には彼女の描いたトロンプルイユ「果樹と猫のだまし絵」。これらすべてがご馳走となりました。

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ドバイで買ったクロスには、フィンランドのアラビアを。「ナスのマリネ ミント風味」は夏の定番。

またこんな歓迎もありました。モーダ・イタリアで出逢ったサルデーニャのマルコ。夏休みにパパのお仕事にくっついての来日。当時、息子と同い年の14歳。日本のアニメやゲームの話で盛り上がり、年齢差を越えて友達に。カリアリ郊外のお宅に遊びに行った時には、マルコのパパやマンマの友達、ご近所さんまでもが大集合。「あなたのエプロンよ〜!」広いキッチンで、マンマと一緒に作ったサルデーニャ料理は、なんだか特別美味しかったな…

繰り返される“Ti ospitiamo”でびっくりしたのは、どの家庭に行っても「料理上手」「もてなし上手」「おうちがきれい」。どこを見ても整頓されインテリアのセンスもいいのです。これでは自慢したくなるのも納得です。しかも、出される料理は、普段から彼らが作り食べ慣れている、気取りのない、気負いのない料理なのです。これには、おもてなしの真髄を学んだような気がしましたね。

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ヴィエトリの皿に、カルタジローネのミニ鉢を重ねて。「オリーブオイル」を入れるのにぴったり。南イタリアのうつわには楽しいものがいっぱい。

ゴローザもときどき“Ti ospitiamo”をします。おうちカフェだったり、アペリティーヴォだったり、イタリアンランチだったりいろいろですが、招く側と招かれる側が共有する「ささやかな幸せ」…そんな『うちにおいでよ』をこれからも手づくりしていきたいと思っています。

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ゴローザ通信
浜名湖畔の風光明媚な集落に生まれる。主婦、ときどきイタリア語通訳・翻訳・コーディネーター、アートユニット活動もしています。
※「ゴローザ Golosa」とは、イタリア語で「食いしん坊」のこと。「食に対して貪欲である」ということから「好奇心や探究心が旺盛な」という含みも。

落ち着くところ:水のある風景
リピートしたいところ:イタリア、南アフリカ

ゴローザが、日々の暮らしの中で見つけたこと、感じたこと、好きなことなどなど…心のおもむくままにお届けします。
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