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トーキョーのジビエ料理ならこのシェフのお店

個性的だからこそ無難ではないワインを合わせて


曽村譲司 at A ta gueule(アタゴール)

オリエント急行の世界観をジビエに込める

敷地内に、日本版オリエントエクスプレスと呼ばれた寝台客車「夢空間」の車両を備えるレストラン「アタゴール」。「ホテルオークラ」や「在ベルギー日本大使館」公邸料理人を経て、「オリエントエクスプレス」で腕を振るった唯一の日本人シェフ、曽村譲司さんの店だ。

この日の料理は、ジビエの中でも香りが強いライチョウ。ローストし、シングルモルト、ザ・マッカランを加えたサルミソースを使用する。

仕上げはお客のテーブルでコニャックを垂らしてフランベし、切り分けて供する。部位ごとの風味の違いが感じられるだけでなく、野生ならではの引き締まった肉質が印象的だ。

鳥類ながらしっかり主張のある香りに山椒やグリーンペッパーの抜け感が効いている。シェフがオリエントエクスプレスで経験した「フランス料理をベースに、地方の郷土素材を用いて流れる車窓の風景に合う独創的な料理」とジビエへの探求心が融合した一皿なのである。

もちろん、ジビエの種類や個体の熟成具合などに合わせ、フレキシブルに調理法を変える。

実はこの日、控え目な人柄ゆえか、曽村さんが自身について語ることはなかった。ただ、その立ち居振る舞いや目配りを間近に見ると、彼が一人ひとりのお客に対し、もっとも美味な瞬間の一期一会を提供することにのみ集中していることがよくわかる。

豊富な海外経験や経歴に加え、いや、海外に飛び出したことそれ自体も、オリエントエクスプレスの世界観を表現するため、個人でJR東日本に交渉して寝台車両を手に入れたという逸話も、曽村シェフの類まれなチャレンジ精神によるものだろう。そんな彼だからこそ、無難とはいえないジビエに魅入られるのだろう。

ジビエは好き嫌いがあって当然。そのジビエを使って、どんな料理が生まれるのか。体感したければ、野趣と滋味に溢れた素材と料理人の熱が対峙するこの店を訪れるのが、間違いのない選択だ。

スコットランド産雷鳥のロティ 5,000円
× ドメーヌ・レ・グーベル ジゴンダス・キュヴェ・フローランス2012 11,000円

ジビエの中でも香りが強いことで知られるライチョウをローストし、シングルモルトを加えたサルミソースで仕上げる。添えられたむかごやゆり根で力強い土の香りをプラス。さらに山椒やグリーンペッパーがアクセントに。熟成感のあるジゴンダスのきめ細かいタンニンと果実味がライチョウの香りや引き締まった肉質、香り高いソースをふくよかに包む。

アタゴールーオリエントエクスプレスー
東京都江東区木場3-19-8
tel.03-5809-9799
営業時間
ランチ 11:30~13:30(L.O.)
ディナー 17:30 ~ 21:30(L.O.)
休日 火曜
※価格はサービス料別

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