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寿司 とワインのマリアージュ徹底検証ー冬の陣ー(ウの巻)

続々・ニッポンのエンタメ伝統料理はキリストの血を受け入れられるか?

検証7 ぶり

ネタ解説
「本日のぶりは最高!」と握りを担当した笹本さんも太鼓判。職人目線では、包丁を入れた時にひゅーっと吸い付くような感触があるのだという。ところが、ジューシーな脂のボリュームをどんなタイプのワインで迎えるかでテイスター一同苦戦。マリアージュ理論上では、かなりの難易度の高さが発覚する。

中和orすっきり効果

どちらを狙うか議論白熱

 みなさま、喜んでください、今日のぶりは職人さんが太鼓判を押す最高の質らしいですよ! でも、意外と難易度が高かったという印象を受けました。ではワインプレゼンを始めましょう。

富田 脂のボリュームにどうアプローチをしていくかですよね。私のイチオシは「クローズ・エルミタージュ・ルージュ」です。適度な濃さとスパイシー感の絶妙なバランスはギガルならでは。ぶりのジューシーな脂をエレガントにまとめてくれます。やや重めな赤と寿司を合わせてみたいなっていう気分だったら、これは万能だと思います。さすが、太田さんセレクトですね!

【太田賢一 推薦コメント】 
炙りのフレーバーや赤身、中トロなど、脂肪分を含んだネタとのマリアージュをイメージして、バランスが良く重量感のある赤を提案してみました。このワインが持つ、黒コショウの香りと魚介を合わせたとき、どんな反応が起こるかも楽しみにしています。
検証担当:富田葉子

太田 実は、一種くらいは炙りモノが出るに違いないと予測して選んだんですがあえなく玉砕し、内心がっかりしておりました(笑)。でもここでハマって安心しました。ワインが持つ黒コショウのフレーバーが脂肪分の多いネタの風味にアクセントを加えてくれると思います。

松木 やっぱり赤ワインの方が合わせやすい気がしました。「アルタ・モーラ・エトナ・ロッソ」だと、醤油が仲介することが前提だけれど、タンニンもほどよく中和されていい感じ。

富田 しょーゆーコトね!

 すっかり富田ギャグに免疫ができました。もう一切動揺しませんよ(笑)。あとシェリーはいいんじゃない? 青魚系カテゴリーなら圧倒的に強いと思う。

富田 現地でもイワシの酢漬けなどがポピュラーな料理です。今回エントリーしていないけれど、しめ鯖とかもバッチリじゃないかな。あとは発酵系の旨み、醤油との相性が効いている。

太田 困ったときの酒精強化がマリアージュの新常識! って、流行りませんかね? 攻めだか守りだかよくわからないけど(笑)。

鈴木 しかもこのシェリー1,836円。手ごろな価格もいいですね。

 どれも美味しいんだけど、キレの良い白ワインだとスッキリ風味を切るのみ。果実味とタンニンのある赤だと中和するのみで、それ以上の感動には届かない。

太田 意外にNGなワインが少ないんですよね。それゆえに、「これだ!」っていう決定打が見つけにくい。

 けっこう意見が分かれたというか、散ってしまったようですね。合わないんじゃなくて、いろいろOKっていうタイプの難しさ。

太田 一度冷静になりましょう! 本来楽しく食事するなら、守備範囲の広いネタってありがたい存在じゃないですか。この検証の本気度がもはや一般的でない領域に突き抜けているからこそ「ぶり難しい」ってなってしまうんだと思う。

 はっ、目が覚めました(笑)。確かに、ここまで血眼で寿司×ワインに体当たりする方がレア。しかも「いかにも、期待通り」じゃない意外性を無意識に探ろうとする……。テイスター気質ってやつが話をややこしくしたようです(笑)。

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