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ペサック・レオニャンのベスト11シャトー巡り(前編)

通好みのボルドー内の人気産地に行ってみませんか

1. Château Haut-Brion

シャトー・オー・ブリオン

月~木 9:00-16:00(受付終了)、金は午前中のみ。訪問希望者は要事前予約。
135, av. Jean Jaurès 33600 Pessac
www.haut-brion.com(日本語版あり)

格式の高い5大シャトーのひとつで
タイムスリップ気分に浸ろう!

1549年に建立されたシャトーの一部が、北東部分に残る。17世紀より改築、改修を重ね、2011年にはオフィス棟が竣工。しかし、すべてがまるで同一時期に建てられたかのよう。新築する際も同質の石を選りすぐって使うのは、景観保持だけでなく歴史的建造物へのオマージュでもあるのだ。

古色蒼然とした石造りのシャトー内部に歩を進めると、2層式タンクの構造が一目で分かるミニチュアや、所有地全体の模型がお目見え。そして奥の部屋には、モダンの極みであるステンレスタンク群。1961年、著名な造り手のなかでいち早くステンレスタンクを導入し、近代化を推し進めただけのことはある。

熟成庫では、液漏れの汚れ防止として新樽にワインを塗っておく作業に遭遇。季節ごとに異なる栽培や醸造の作業をチェックできるのが、シャトー見学の醍醐味だ。

1983年には、隣のラ・ミッション・オーブリオンも傘下に。同じ醸造チームが同じ哲学でワインを造るので、オー・ブリオンと並べて比較試飲をし、テロワールの違いを存分に体感してみたい。

17世紀には、補酒やオリ引きのテクニックを導入して健全に熟成するワインを完成させ、イギリスで「ニュー・フレンチ・クラレット」と人気を博したオー・ブリオン。ロンドンの直営レストランでハウスワインとして提供し、ほかのワインの3倍の値付けで勢いよく売れたとか。醸造面での改革はお手の物、なのだ。

現在、オー・ブリオンのトップにおわすのはルクセンブルグ大公国のロベール殿下である。

1935年にシャトーを入手したアメリカの銀行家クラレンス・ディロンの孫娘がルクセンブルク大公国シャルル殿下と結婚。孫娘の息子であるロベール殿下は、2008年からオー・ブリオンを所有するドメーヌ・クラレンス・ディロン社の社長に就任している。

今の時代に王族が活躍し、古めかしいシャトー内では最新鋭のマシンが稼働。時間軸を悠々と超えていく様が凄みを持つ、必見の1軒である。

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