2. Château Smith Haut Laffitte
シャトー・スミス・オー・ラフィット
訪ねてよし、飲んでよし、
泊まってよし、美しくなってよし
年間2万5000人のビジターを迎える、懐深いシャトー。なにしろ、ブドウのエッセンスを活かしたスキンケア化粧品「コーダリー」のスパがあり、ワインと美容に興味のある女子ウケは万全だ。
同じ敷地内に70部屋の高級ホテル、レストラン、ショップが併設され、オーナー好みである現代アートのオブジェも随所に飾られている。この1軒を訪れるだけで「ボルドーのシャトーに来た!」感はパンパンに満たせるが、すべてがテーマパーク的なノリではなく、ワイン造りはいたって真摯なのでご安心を。
畑はドローンや衛星を用いて観察し、ブドウの健全な育成を見守っている。
醸造時に発生する二酸化炭素は回収して重曹を生成し、自然環境に貢献。アッサンブラージュについては、「どの配合がいいか、事前にほぼ判断できる」と語るファビアン・テジェンさんの出番。畑の責任者から醸造部門を経由して総監督になっただけあり、発酵せずともブドウのポテンシャルをいち早く見極められるのが得意だとか。
また、ボルドーにある8000の造り手のうち、シャトー内で樽を製作しているのはわずか4軒で、そのうちのひとつがこちら。自前で樽職人を抱えることでコストを削減、その分を上質な木材の選定にまわす。そして、「このワインは畑の土壌にシレックスが入っているので、樽の要素は軽めに」などと、ワインごとに細やかな対応もできるという。
訪ねてよし、飲んでよし、泊まってよし、美しくなってよし(!?)とじつに隙のないシャトーだ。