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徹底検証 ワインと焼き鳥のマリアージュ

WINE-WHAT!?名物企画第3弾!!

検証7 軍鶏の山椒焼き

奥久慈軍鶏の太ももを、醤油、酒、みりんをブレンドしたタレに15分浸け、みりんが焦げないように遠火で焼き、山椒をふり、最後に木の芽をのせる。

山椒の辛味とワインのフレーバー

繊細さと複雑味のコントラストを楽しむ


 山椒焼きにと思って選んだカルメネール(6)、もうちょっと締まりがあるといいんだけどな~。むしろ木の芽の爽やかなハーブ香のおかげで、プラーガーのリースリング(10)との相性に引かれるものがある。

太田 これもワインを少し冷やし気味にすれば、締まってよくなると思います。山椒のピリッとした感じが、カルメネールの軽いベジーなフレーバーによく調和してますから。サンジョヴェーゼ(3)もいいですよね。柔らかな果実味とタンニンの旨味がうまくまとまって。

瀬川 皮の甘香ばしさと樽のニュアンスが同調するので、シャルドネ(4)もいけそうですが、肝心の山椒の香味と寄り添わないんですよね。この中ではジゴンダス(7)がベストですね。ワインの複雑味、緻密さ、スパイシーな香ばしさが、軍鶏の緻密な肉質、皮の香ばしい風味、山椒のスパイシーさときれいに調和してました。メンシア(8)も繊細さの中に複雑味が生まれて、そのコントラストが面白いと思います。

土田 う~ん、山椒焼きかあ。どうして今日は誰もロゼを選ばなかったの?

 汎用性の高いロゼで「逃げ」を打たないように、あえて今回は外しました。

土田 絶対、ロゼが合うと思うんだけどな。

 ハーブの香りとスパイシーなタッチをもった、しっかりめのロゼならばっちりかもね。

和田 僕はブロイヤーのリースリング(5)ですね。

 ここであえて白ですか!

和田 リースリングのきれいな酸が全体の味わいを締めてくれるし、山椒や木の芽の香りを引き立ててくれると思うんですよ。

土田 うん、これもいいと思う。あくまでワインは脇役として、その役目をしっかり果たしてるわね。

軍鶏の山椒焼き×10本採点結果の上位2本

大沢ワインズ
フライングシープ・サンジョベーゼ 2011
瀬川 ○
太田 ○

エラスリス
カルメネール・アコンカグア・アルト 2015
柳 ○
太田 ○

プラーガー
リースリング・フェーダーシュピール 2016
柳 ○
和田 ○

検証8 ネギマ

奥久慈軍鶏のふくらはぎ(下もも)を、丁寧に筋をとり、千住ねぎと交互に串にさす。アクセントにシシトウをひとつdけ挟み、タレ焼きに。タレは下総醤油と有機の三河みりんを煮詰めたもの(ツクネも同じタレ)。

ネギのフレーバーが影響大

風味と反発しないワインを

土田 ネギマはワイン泣かせよね~。ネギとシシトウに左右されるから。

太田 やっぱりピラジンですかね。カルメネール(6)がねぎの青みと調和します。この組み合わせに二重丸。とくにシシトウをひと齧りした時の美味しさと、カルメネールのピラジン系のヴェジタルなフレーバーとよく合い、味わい全体にめりはりが生まれてきます。

 タレ焼きだしね。

太田 ゲミシュターサッツ(2)も好相性です。ネギと一緒に食べて、咀嚼して広がってくる風味ととてもバランスがいい。ネギの甘みが増幅されます。それからゲミシュターサッツがもっている余韻のほろ苦さも、このペアリングではきれいに働いてくれたと思います。

瀬川 シャルドネ(4)はネギの青い香りと、ワインのバタリーなフレーバーが反発してしまい難しいですね。お肉のボリューム感とはマッチするんですけど。赤はサンジョヴェーゼ(3)もいいですが、一押しはジゴンダス(7)。ネギの香味とタレの甘香ばしい風味が、ワインのハーブっぽいフレーバーときれいに同調してます。

土田 このカルメネール(6)はずるいワインですね。鶏肉もネギもやさしく包んでくれる。

和田 テラ・モントーサ(5)が無難かな。土田さんが言ってたように、ネギに合わせるのか、肉に合わせるのか、それともタレに合わせるのかでポイントが変わってくる。

 ただ、肉にネギのフレーバーが移ってくるので、そのふたつを掛け合わせ、さらにタレの甘みも考慮したチョイスになりますね。

土田 とはいえ、やっぱりネギでしょ。ネギの影響は大きいと思う。

 なので、少しハーブっぽい、あるいはピラジンのような青いフレーバーをいくらかもつワインに合う気がするんだよね。

ネギマ×10本採点結果の上位2本(2位は同点)

ヴィーニンガー
ゲミシュターサッツ・ ニュスベルグ 2015
柳 ○
太田 ○

大沢ワインズ
フライングシープ・サンジョベーゼ 2011
瀬川 ○
太田 ○

プラーガー
リースリング・フェーダーシュピール 2016
柳 ○
和田 ○

エラスリス
カルメネール・アコンカグア・アルト 2015
柳 ◎
太田 ◎

この記事を書いた人

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忠之柳
1965年横浜生まれ。ワイン・ジャーナリスト。ワイン専門誌記者を経て、97年に独立。専門誌からライフスタイル誌まで、安いのから高いのまで、大きなワイン愛で包み込む。

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