スパークリングもあった!

1本目はしゅわしゅわのスパークリングだった。ヴィーニョ・ヴェルデにスパークリングがあるとは! 泡が力強くて酸がキリッとしていて、さわやかでドライ、白状すると私は初めてヴィーニョ・ヴェルデを味わったのだけれど、WINE-WHAT!?に書いてあった通り、「それは体内に染みわたる清涼感」だった。



「スパークリング・ヴィーニョ・ヴェルデ」は1999年に規約がつくられた比較的新しいジャンルで、近年、瓶内発酵のクラシック・タイプが注目されているという。テイスティングしたのはアルヴァリーニョとトラジャドゥーラのブレンドだったけれど、主役は、9つあるサブリージョン(小地区)のひとつで、一番北にある「モンサオン&メルガッソ」で主に栽培されているアルヴァリーニョ。この品種は糖分が豊富で、ほどよい酸を特徴としており、100%アルヴァリーニョのスパークリングもつくられている。

続いては、ロウレイロ、アヴェッソ、アリントからつくられる伝統的なヴィーニョ・ヴェルデの白ワインだった。なるほど、アルコール度が低めで、ジャスミンとか白い花の香りがする。微発酵で、すっきりとした飲み口で、これまた「それは体内に染みわたる清涼感」だった。

次はロウレイロ100%の白。ロウレイロはシトラス系から柑橘系、バラ、そしてハチミツのような甘い香りに至るまで幅広い上品な香りを放つとされる。味わいはフルーティで、ほどよい酸味があり、さわやかで調和のとれた余韻の残るフルボディのワインとなる。出されたのは月桂冠の香りを特徴とするということで、なるほどグリーンぽい。

ロウレイロのあと、ロウレイロとアリントのブレンドを挟んで、アヴェッソ、アザール、トロジャドゥーロ、さらにアルバリーニョと単一品種のヴィーニョ・ヴェルデが次々に繰り出された。いずれもシトラス系で、糖度の割には酸と炭酸ガスのおかげで、甘さを感じず、さっぱりしていて飲みやすかった。

9本目にロゼが出てきた。なによりも色が透明の赤ということで明瞭に違いが見てとれた。ロゼは赤ワイン用のイシュパデイロとトウリーガ・ナシオナルという品種が使われていた。赤い果実味があり、微発泡で飲みやすかった。



10本目は赤。ヴィニャオンという品種でつくられたこれはヴィーニョ・ヴェルデの伝統的赤で、普通にスティルワインだけれど、冷やしてある。色が濃くてタンニンが強く酸っぱくて、微妙に刺激がある。もし、もうちょっと温度が高かったら、スペインのワイン、というのも大雑把ですけれど、に似ているのではないか。

でも、ヴィーニョ・ヴェルデは赤でも冷やして飲むのが伝統で、冷やしてあるからタンニンの渋さをあまり感じないと思ったけれど、生産者のHPのテイスティング・ノートには、「フルボディ、ソフト、永続的」とある。つまり冷やしてあるからではなくて、もともとソフト、なのかもしれない……。

ここで疑問が浮かんだ。冷やすのが伝統といっても、電気冷蔵庫のない時代にどうやって冷やしていたのか? 

気になって仕方がなかったので、トーマスさんに質問した。すると、答は簡単。この地方の家は分厚い石づくりで夏でも涼しく、地下にはセラーが設けてある。それゆえ夏でも冷えたワインが飲めた。そういえば、その昔、日本では夏になると井戸でスイカを冷やしていたことを思い出した。

なお、試飲したワイン10種はいずれも、今年4月に開かれたコンテストにおいて、そのカテゴリーで賞をとったものばかり。CVRVVとしても自信を持ってオススメできるヴィーニョ・ヴェルデ、ということなのだった。後ほど、CVRVV発行の冊子によると、アリントは熟したリンゴ、モモの香り、アヴェッソはオレンジやモモのフルーティなアロマ、アザールはレモンや青リンゴ、トラジャドゥーラは熟したリンゴやナシ、モモの香り、いう特徴が書かれてあった。これからヴィーニョ・ヴェルデのツアーへと旅立つ6人の日本人プレスに、トーマスさんはこのことを事前に伝えようとしたのだろう。

しかしながら、私にとってその差はまことに微妙でありまして、確実にわかったことといえばヴィーニョ・ヴェルデはどれを飲んでもさっぱりさわやかで、おいしい、ということだった。5番目のアベッソは、「レゼルヴ」よりも1ランク上の「スペリオール」でということだけれど、う〜む、その差はよくわかりませんでした。6番目のアザールはトロピカルな味わいで、シャルドネっぽくもあるような……と思ったけれど、その次にこれぞアザール、と当てられる確信もない。ちなみに、6番目のアザールと7番目に出てきたトラジャドゥーラは栽培がむずかしい品種で、この2種を単一品種でつくっているブランドは15以下しかない、とトーマスさんは言った。

ワインで悲しいのは、このような品種の違いもわからないヤツに飲む資格があるのか……と思ってしまうことだけれど、え〜い、気にしていてもしようがない。

ヴィーニョ・ヴェルデは全部おいしい。

特筆しておくべきはコスト・パフォーマンスの高さである。現地のスーパーマケットではスパークリングで10ユーロ、白で一番高いレグエイロのレゼルヴで9ユーロぐらい。世界中で人気が高まる理由がわかるというものである。

試飲した10本 左から順に。 

1
カスタス・デ・モンサオン
Castas de Monção Reserve Sparkling
Provam
アルコール度数 12.5度
シュガー:ブリュット・ナチュール
ブドウ品種:アルヴァリーニョ、トラジャデゥーラ


2
ヴィラ・ノヴァ 2017
Vila Nova 2017 
Sociedade Agricola Casa De Vila Nova LDA 
アルコール度数:11.5度 ブドウ品種:ロウレイロ、アヴェッソ、アリント 


3 
ヴェントゼラ・ロウレイロ 2015 Ventozela Loureiro 2015 
Casal de Ventozela
アルコール度数: 12度 ブドウ品種: ロウレイロ

4
ヴァレ・ド・オーメン・ブランコ
Vale do Homem  
Quintas do Homem Branco
アルコール度数:11度
  ブドウ品種:ロウレイロ、アリント

5
アヴェッソ・スペリオール
Avesso Superior
Casa de Vilacetinho
アルコール度数: 
ブドウ品種:アヴェッソ

6
キンタ・デ・リンアレス アザール 2017 
Quinta de Linhares Azal
Agri-Roncao Vinicola
アルコール度数:12.5度 
ブドウ品種:アザール

7
キンタ・ダ・リシャ トラジャドゥーラ

Quinta da Lixa – Trajadura 
Agri-Roncao
アルコール度数:11.5度
ブドウ品種:トラジャドゥーラ

8 
キンタ・ド・レグエイロ アルヴァリーニョ レゼルヴ 2017
Quinta do Regueiro Alvarinho Reserve 2017 
Quinta do Regueiro
アルコール度数:13度 
ブドウ品種: アルヴァリーニョ 

9 
アルカ・ノヴァ・ロゼ 2017
Arca Nova Rose 2017 
Quinta das Arcas
アルコール度数: 11.5度 
ブドウ品種: イシュパデイロ、トウリガ・ナシオナル
 
10
アデガ・ポンテ・デ・リマ ヴィニャオン 2016
Adega Pnte de Lima Vinhão 2016
Adega Coop, Ponte de Lima
アルコール度数:11度
ブドウ品種:ヴィニャオン

試飲を終えて中庭に出ると、ポルトの街を二分する、川なのにドウロという名前の大河が見下ろせる。ポルトってきれいな街だなー、と絶景を楽しんだ後、同じ敷地内にある試験センターをちょろっと見学した。CVRVVは「ヴィーニョ・ヴェルデ」原産地名称と「ミーニョ地方」地理的表示のための認定を行う正式機関として、申請されたワインをここで分析し、厳正な審査をしているのだった。ヴィーニョ・ヴェルデというブランドのクオリティを担保するために。

対岸に色とりどりの住宅が並んでいる。

ワインはブラインドで分析される。

手前のゴンちゃんはテイスティングしていない。奥はトーマスさん。ワインはひとを陽気にする。

ドウロ川の反対側の道路側の正面玄関に戻ると、小型バスが待っていた。ツアー・コンダクターのゴンちゃんことGonçalo Rowettさん、それにポルト在住ン十年の日本人女性で通訳のアキさんと共に、小型バスは次の目的地を目指したのだった。

つづく

この記事を書いた人

WINEWHAT
WINEWHAT
年末はこの1年の感謝を込めてシャンパーニュを開けまして。

キリスト教とは無関係でも開けまして。

正月は新しい1年の無病息災を祈って開けまして。

あけましたらおめでとうございます〜。