飲む前に読む。シャンパーニュの最低限の基礎知識。これを知ると知らないとでは、大違い。これを知っていると格上感ありですよ。

アッサンブラージュ

ブレンド作業を意味するフランス語が、アッサンブラージュ。実は、メゾンの実力を示すためにシャンパーニュではもっとも大切な工程である。

アッサンブラージュ

©JHON HODDER_COLLECTION CIVC

 

過去にストックしていたリザーブワインや異なるクリュのワインをブレンドすることで、シェフ・ド・カーヴ(醸造責任者)の指揮のもとに、ブランドのスタイルを体現する味わいを構築する作業。100種類以上のリザーブワインを使用することもあり、その潤沢なストックもメゾンが誇りとするところ。

リザーブワイン

ブドウ果実の成熟度、酸度、糖度は作柄により毎年異なる。そこで、シャンパーニュ業界では、各生産者に優れた品質のブドウが収穫された年のストック、リザーブワインの保存を義務付けている。不作の年にもクオリティを維持できるよう補填に使用される。複雑なアッサンブラージュの行程を経るだけに、どれだけストックを持っているかは、メゾンの力の証明。古いものなら僅かに加えるだけで味わいの複雑味が一挙に増すという。

ティラージュ

瓶詰めを意味する用語、ティラージュ。ただし、シャンパーニュにおいては通常のワインの瓶詰めとは意味合いが異なる。ボトル内で再度アルコール発酵をさせるために、リキュール・ド・ティラージュ(ワインに砂糖大根もしくはサトウキビから精製された糖と酵母をとかした液体)を加え、打栓を行う。これらを瓶に詰めた後、王冠もしくはコルクで栓をする。10年以上の長期熟成には、コルクがより良いと一般的には考えられている。

瓶内熟成

ティラージュから出荷まで、最低15か月の熟成が必要とされ、うち12か月の澱とともに瓶熟成が義務付けられている。澱とは、糖分を分解し終えた酵母が沈殿したものを指す。この澱が自己分解してアミノ酸を生み出すとともに、トーストのような香ばしい香りをワインもたらす。澱とともに熟成した期間が長いほど、シャンパーニュには複雑な香りが生まれるため、大手メゾンの多くは規定より長い期間を設けている。

ドサージュ

ドサージュは、リキュールを添加することで糖分量を調整し、意図する味わいに仕上げる工程。ここで用いられるのは「門出のリキュール」と呼ばれ、ワインに蔗糖などを加えたものである。使用量ドゥーからエクストラ・ブリュットなど、仕上げのスタイルによって異なる。1リットルあたり糖分3グラム以下もしくはまったく加糖をしていないワインには「ブリュット・ナチュール」や「ドサージュ・ゼロ」などの表示をすることができる。

 
ドサージュ

※3g/L以下、または全く糖分むを加えていないシャンパーニュにはBrut Nature(ブリュット・ナチュール)、Pas Dode(パ・ドゼ)、Dosage Zero(ドサージュ・ゼロ)などの表示が認められている。

瓶内二次発酵

瓶内二次発酵

©TOR EIGELAND_Collection CIVC

 

ティラージュ後のボトルは、カーヴに静置される。加えられた酵母が糖を分解し、新たにアルコールと炭酸ガスを生み出す。この炭酸ガスが、王冠やコルクで密閉されたボトル内で液体に溶け込んでいくのだ。1リットルあたり、24グラムの糖から生じる炭酸ガスの圧力は、摂氏10度で約6気圧。アルコール度数は1~1.5 度ほど上昇する。

この瓶内二次発酵を経ることで泡が誕生し、スティルワインが発泡性のワインに変化するのだ。

ルミアージュ

瓶内熟成後、ボトルに沈殿した澱は取り除かなければならない。

カーヴ内に横向きで寝かせたボトルの側面にたまった澱を瓶口に集める作業がルミアージュである。昔は、ピュピトールと呼ばれる穴の開いた木の板にボトルを差し込み、職人が少しずつ回しながら徐々に倒立させていたが、現在生産量の多いメゾンを中心に、一挙にこの作業を行うことができる、「ジャイロパレット」と呼ばれる機械を使用するのが一般的となっている。

 
ルミアージュ

©Michel GUILLARD_Collection CIVC

デゴルジュマン

デゴルジュマン

©FREDERIC HADENGUE_Collection CIVC

 

ルミアージュを経て、瓶口に集まった澱を取り除く作業をデゴルジュマンと言う。

倒立した状態のボトルの瓶口部分のみをマイナス27度の冷却液に漬け、澱の部分を瞬時に凍らせる。続いて栓をした王冠を抜けば、瓶内のガス圧の影響によって凍った澱の塊部分が飛び出すという仕組みだ。

この作業も現在は自動化が進んではいるが、特別なキュヴェやサイズの大きなボトルの場合、「ア・ラ・ヴォレ」といって手作業で行われることがある。

NM CM MA

それぞれ、生産者の業態を示す略称で、詳細は以下。
・NM( ネゴシアン・マニピュラン)= 所有するブドウ畑(もし所有者である場合)のほかに、ブドウや果汁、または原酒を購入し、自身の工場での醸造に使用している個人または法人。
・RC(レコルタン・コーペラトゥール)=自身の収穫したブドウを協同組合に納入し、協同組合から果汁や、醸造中の原酒を仕入れて醸造したり、完成したワインを仕入れて販売する。
・CM(コーペラティヴ・ド・マニピュラシオン)=協同組合員から仕入れたブドウを使い、自ら所有する醸造所で生産を行う。
・SR(ソシエテ・ド・レコルタン)=同族の栽培者が収穫したブドウを使ってワインの醸造・販売を行う。
・ND(ネゴシアン・ディストリビュトゥール)= 完成したボトル入りのワインを購入し、自身でラベルを貼る。
・MA( マルク・ダシュトゥール)=ネゴシアン、レコルタン、またはコーペラティヴ(協同組合会員)で、顧客のプライベートブランドのワインを販売する業者。

RM

RMとはレコルタン・マニピュランの略。レコルタンはブドウを収穫する人、マニピュランはシャンパーニュを醸造する人なので、自社畑で収穫されたブドウのみ用いてシャンパーニュを醸造する農家を指す。一方、大手メゾンはNM=ネゴシアン・マニピュラン。ネゴシアンとはブドウを取り引きする人なので、こちらは買いブドウだ(もちろんメゾンも自社畑をもっているが、それだけでは足りない)。大手メゾンはその年の状況に応じ、必要なブドウを選んで醸造できるため、毎年安定したシャンパーニュを供給できる。対してRMは、自社畑のブドウしか使えないため、年ごとのバラツキが大きい反面、土地の個性を反映させられ、個性的な スタイルのシャンパーニュを造ることができる。大手メゾンの安定性をとるか、RMの個性をとるか、その時の気分とTPOで選んでほしい。

ブラン・ド・ブラン&ブラン・ド・ノワール

ブラン・ド・ブランは「白の白」を意味するフランス語。シャンパーニュの用語では、白ブドウ、シャルドネのみで造られたアイテムのことを言う。いっぽう、「黒の白」を意味するブラン・ド・ノワールは、黒ブドウ品種のみ、ピノ・ノワールかムニエ、またその両方で造られるシャンパーニュ。ほのかに黒ブドウのタンニンを感じる奥行きのある味わいと骨格を持ち、幅広い料理と合わせられることで根強い人気を誇っている。

ピノ・ノワール

ピノ・ノワール(黒ブドウ)
©Alain cornu_Collection CIVC

 
シャルドネ

シャルドネ(白ブドウ)
©SERVICES TECHNIQUES C.I.V.C.(VITI) Collection CIVC

 
ムニエ

ムニエ(黒ブドウ)
©DIVERS_Collection CIVC

この記事を書いた人

WINEWHAT
WINEWHAT
年末はこの1年の感謝を込めてシャンパーニュを開けまして。

キリスト教とは無関係でも開けまして。

正月は新しい1年の無病息災を祈って開けまして。

あけましたらおめでとうございます〜。