年末年始のパーティシーズンが終わっても、バレンタイン、ホワイトデー、お花見と、春はまだまだ楽しみなイベントが続きます。春は、どんなワインチョイスで、どう集いの場を盛り上げましょうか?

バレンタインとホワイトデー、甘いものに甘いワインを

近年、ますます盛り上がりを見せるショコラブーム。今年は、誰かからもらえるのかぁ・・・などと不安と期待とあきらめの気分を行ったり来たりしている男性陣をよそに、元気な女性陣のおいしいショコラ探索欲はますますヒートアップ。あの伝説のイベントもついに国際フォーラムに進出、その後は全国を巡回とのこと。昨年、このコラムではバレンタインには、ロマンチックなイメージでワインをチョイスしてみよう的なことを書きましたが、バレンタインはすでに、素晴らしいショコラの祭典と進化した様相。ならば、我々ワインラバーも、バレンタインのロマンチックな空気を追いかけるのではなく、ショコラを前提としたワインチョイスを考えてみようではありませんか。

いわゆる鉄板の組合せは、ソーテルヌやポートワインに代表される甘口のワイン。これは甘いもの苦手、という人以外は誰が考えても美味しそうな組合せに感じるでしょう。甘口ワインといえばソーテルヌに代表される貴腐ワインの他にもさまざまなものがあります。氷結ぶどうを使ってぶどうの糖度を高めて作るドイツのアイスヴァインやカナダのアイスワイン。ぶどうを陰干しすることで水分を蒸発させて、糖分の凝縮度を高めて作るフランス・ジュラ地方のヴァン・ド・パイユやイタリア・ヴェネト州のレチョート。

最近はいろいろなエリアで作られているレイトハーベスト(遅摘み)のもの。スペインのシェリーや、ポルトガルのポートワイン、マデイラなどのフォーティファイド・ワイン(酒精強化ワイン)なども、多くのお店で手に入れることができます。

では、この中でなにが一番合うのだろう・・・と考えてみると結局は個人の好みになってしまうのですが、それでも相性を考える上ではいくつかのポイントがあるように思います。今までもいろいろな方々がショコラとワインの相性については研究しています。ポリフェノールや甘味、酸味に代表されるワインとショコラに共通する要素をどうバランスさせるかとか、ショコラに入っているフルーツやナッツなどを手掛かりに相性を研究したりしています。それぞれがきっと重要なファクターなのだろうと思います。

最近、僕が、強く意識し始めたのが、食べるものとワインの質量のバランスです。質量というのはなにも難しい科学的なことではなく、食感の重みとか味の濃さとか・・そういったものです。ショコラでも比較的カラッと感じるものとまったり感じるものがあります。同じことがワインにも言えます。濃厚なショコラに甘口とはいえ、軽やかなワインを合わせるとやはり上滑りするような感じがします。高級なソーテルヌでもヴィンテージの若いものだと酸味が強く、濃厚なショコラと併せると酸ばかりが目立ってしまったりもします。トロッとした食感のショコラにはトロッとした感触のデザートワインが合うのでしょうし、苦みの強いショコラには、味のインパクトの強い、レチョートやAMAROなどのワインが素晴らしいハーモニーを作ってくれるでしょう。

ちょっとひねったチョイスとしては、南アフリカの「ヴァン・ド・コンスタンス」がお勧めです。18世紀に南アフリカで作られ、かのナポレオンも愛飲した言われるヴァン・ド・コンスタンス」。甘すぎず、香ばしく、ちょっと技のある大人のデザートワインとして楽しんでみてください。今年のバレンタインシーンはいつもと違ったスイートなワインにチャレンジしてみてはいかがでしょうか? ワインのあるシーンの幅もきっと広がります。

シャトー・スデュイローソーテルヌ

シャトー・スデュイロー ソーテルヌ 1989
フィラディス

ソーテルヌ地区の中でも、高い評価を受けているシャトー。厳しい収穫制限と選果、妥協を許さないブレンドから作られるワインは、まさに世界最高峰の貴腐ワインの一つ。


マージュラム アマーロ
ミレジム

サンタ・バーバラで最も有名なレストラン&ワインショップ「ワイン・カスク」のオーナー、ダグ・マージュラムが自ら興したワイナリー。この地域の最高級の畑の葡萄を使い、独自の秘伝レシピをもとに造られた酒精強化赤ワイン。甘味果実酒又はフォーティファイド・ワインとも呼ばれる。

マージュラム アマーロ
レイトハーベスト ゲベルツトラミネール 2011

レイトハーベスト ゲベルツトラミネール 2011
大沢ワイン

ニュージーランドの糖度の高い葡萄を完熟させて、豊かな甘みを醸し出す甘口白ワイン。日本人オーナーが葡萄作りからこだわって造っているフルボディタイプの遅積みワインです。


クレイン・コンスタンシア ヴァン・ド・コンスタンス
ベリーブラザーズ&ラッド

南アフリカ・フォールス湾を見下ろすコンスタンチアバーグの丘の上にあり、世界で最も美しいワイナリーの一つとして知られている。18世紀のヨーロッパにおいて、高い賞賛を得た甘口ワイン「ヴァン・ド・コンスタンス」が有名。

クレイン・コンスタンシア ヴァン・ド・コンスタンス

この時期に万能なロゼシャンパーニュという選択。

近年、ヨーロッパをはじめ世界的に消費量が拡大しているロゼ。その中でも、この季節に万能で誰もが喜ぶ切り札チョイスが、ロゼシャンパーニュ。ショコラやスイーツとの相性も良く、バレンタインデー、ホワイトデーのちょっと特別な気分にもピッタリ。そして、お花見。このコーナーの得意技のひとつである色合わせ的にもピッタリで、気分が上がること間違いなし。

桜を愛でるイベントでワインの軸として、ロゼシャンパーニュを選択することで、かなりの演出効果が見込めます。お花見のネタとしてご紹介しましたが、桃の節句、雛祭りにも活用できそうなチョイスです。お嬢さんの生まれ年のヴィンテージのロゼで雛祭りをお祝いする、そんなお祝いをされたら、とても素敵な女性に育ちそうですね。後々、親の趣味の押し付けと言われそうですが(笑)

ここ最近注目を集めたロゼシャンパーニュといえば、2003年ヴィンテージがファーストリリースのBruno Paillard N.P.U Rose。とてもとてもきれいで、やさしく、でも、奥にしっかりとした味わいのあるとても素敵なロゼシャンパーニュです。生産本数が826本という希少性もあり、なかなかお目にかかれることは少ないですが、一度は体験していただきたいロゼです。

まだ寒い、心のあったまるワインは!?

この冬は札幌で50年ぶりの積雪が記録されたり、年末年始までは暖かった東京にも寒波がきて急に気温が下がったりと、体には少々ハードな気候になっています。こうなると、そんな体と心を優しく包んでくれるようなまろやかに熟成したボルドーワインを求めてしまいます。お料理の相性の幅も広いボルドーワイン。なめらかで、やわらかな深みのあるボルドーが寒さで縮こまった体を優しくほぐしてくれそうな気がします。ブルゴーニュの凛とした感じ、ローヌの妖気とは違った、こころをほぐしてくれるボルドーの良さがこの時期身に沁みます。ゆっくりとゆっくりと開かせながら一本のボルドーをゆっくり飲む。そんな飲み方が似合う季節がもう少し続きそうです。

ブルーノパイヤール・N.P.U ロゼ

ブルーノパイヤール・N.P.U ロゼ
ミレジム

N.P.U(ネック・プリュ・ウルトラ)は、「これ以上のものはない」という意味を持つ。ジョエル・ロブションが惚れ込んだと言われるロゼ・シャンパーニュの最高峰のひとつ。

NaoKING
当人曰く「ワインは2本同じものはない。だからこそ、抜栓したならば、可能な限り、おいしい場所を探して飲みたいと思っている。ワインは、テーブルに話題を運ぶ。だからこそ、考えて自分で選ぶことを30年以上楽しませてもらっている」。
編集部曰く「東京をはじめ、日本のワイン&グルメなシーンに常に華やかな美女に囲まれて登場するワインラバー。ホームグランドは西麻布界隈。ワイン関係の仕事ではないにもかかわらず、年間1,000本を超えるワインに触れているらしい。広告関係の企画マンという巷の噂も。

この記事を書いた人

WINE-WHAT!? 編集部
WINE-WHAT!? 編集部
2017年11月号(通巻19号)ただいま発売中!
巻頭特集は、お好み焼に合うワインを徹底研究。4人の料理人による創作お好み焼にタベアルキストのマッキー牧元さんも唸りっぱなし。
柳 忠之さんの「新オーストラリアワイン紀行」、11月16日解禁「ボジョレー・ヌーヴォー」にも注目!
表紙の美女は女優・飛鳥凛さんです。もうお腹いっぱいだけど、おかわりしちゃおうかな〜。すいません、もう1冊ください!