COVER STORY : 国木田彩良

幸せの瞬間

女性として、女性に向けたメッセージを。そんな仕事がしたい

1372-1

イギリス生まれのフランス育ち。イタリア人の父と日本人の母を持つ国木田彩良さん。高校卒業後パリでファッションを学び、2014年に母の祖国日本でモデルデビューを果たす。

明治時代に小説家、ジャーナリスト、編集者として活躍した国木田独歩は彼女の高祖父にあたる。「母からそのことは聞いていましたが、大げさに言っているだけだと思っていました。でも日本に来たら皆が知っていて」

子供のころから日本とフランスを行き来していたが、自身の中で日本への思いが強くなり、拠点を日本に移す。

来日後、初めて住んだ部屋は、高祖父の墓が見える場所にあったそう。「自分で決めた部屋じゃなかったのに不思議でした。お墓参りにワインを持って行ったんです。当時はワインが高価で手に入りにくかったので、きっと喜んでくれているはず」。ワインは、頻繁には飲まないから良いものを1杯じっくり味わいたい派。「フランスでは仕事の後に上司と飲みに行ったりはあまりしない。でも 日本では職場の人とワインを飲んだりするのを知って、コミュニケーションの手段として素敵だな、と思いました」。

1372-2

国木田独歩が初代編集長を務めた雑誌にも登場するなど、現在はモデルとして活躍中だが、雑誌を作る編集の仕事にも興味があるのだという。
「今はまだアイディアが多すぎて、もっとフォーカスしないと。ファッションはもちろん、建築やアートなど、女性目線でメッセージを伝える雑誌を作りたいんです。それから、インタビューもしてみたい!」。どんな人に話を聞きたいか聞いてみると、俳優やアーティストの名前、それに〝ハ ーフ〟との答え。「〝ハーフ〟って日本でしか言わないでしょう? 私は〝ONE〟なのに。だから、同じようにハーフモデルと呼ばれて日本で仕事をしている人たちが、どんな風に感じているか聞いてみたいんです」。

自らを少し夢見がちなところがある、と分析する彼女。しかし、しっかりしたヴィジョンと意志の強さ、旺盛な好奇心が伺える言葉の一つ一つからは、すでにメッセージを発信する側である、クリエイターらしさが感じ取れる。両親の母国や育った国、複数の文化背景を持つ彩良さんの思いが形になったとき、どんな視点のカルチャー誌が誕生し、次世代の女性たちはそのメッセージから何を感じ取るのだろうか。

1372-3

この記事を書いた人

WINEWHAT
WINEWHAT
YouTubeInstagramでも、コンテンツ配信中!
フォローをお願いいたします。

Related Posts

PAGE TOP