GINZA SIXの観世能楽堂と和風本舗

ニッポンの伝統と現代のカルチャーが出会う場所

 

4月20日(木)にオープンした話題のスポット「GINZA SIX」。銀座ならではの和の設備とお店を紹介します。

 

中央通りの銀座6丁目の信号から見た図。

観世宗家150年ぶりの帰還

銀座エリア最大級の再開発プロジェクトとして、松坂屋銀座店跡地を含む、銀座6丁目10番と11番の2街区を一体的に整備して誕生したGINZA SIX。「世界の”GINZA”を次のステージへ」と至らしめむ。銀座にますます世界の人々を惹きつけ、東京・日本の磁力を高めていく。ということを自らに課している。単なる松坂屋銀座店の建て替えではないのだ。ま、百貨店ビジネスが曲がり角に来ているということももちろんあるわけですけれど。

では、「世界の”GINZA”の次のステージ」に進めるために、具体的に実現するためにどのような仕掛けが施されているのか? 

こちらは銀座5丁目の信号から見た図。

というと、外見をものすごくインターナショナルにしていることが特徴といえる。中央通りに面した低層階は、ディオール、セリーヌ、フェンディ、サンローラン、ヴァレンティノ、ヴァン クリーフ & アーペル、6つの海外高級ブランドのファサードで飾られ、こんにちのグローバル経済によって得た富を消費したいと考える人たちを誘う。

注目すべきは、内側に隠されたニッポンの伝統を伝えるニッポン発のブランドの数々である。「和魂洋才」という言葉があるけれど、GSIXには和風本舗がたくさん入っているのだ。もちろん日本、それも老舗の連なる銀座の商業施設なのだから当然という声もあるだろう。

6階にある「銀座 蔦屋書店」は「アートのある生活」を提案、「アート」と「日本文化」を主題として商品と空間を構成する。盆栽がステキだ。

でも、地下3階に「能楽堂」がある、という事実にはビックリ! ではないでしょうか。


日本の文化の発信拠点「観世能楽堂」。

「観世能楽堂」は、能楽界を代表する観世流の拠点である。客席は480席で、檜の舞台は渋谷区松濤の観世能楽堂から移築したものだ。日本の伝統芸能の発信拠点として、訪日外国人観光客向けに多言語対応システムを今後導入予定で、銀座を国際的な観光地として盛り上げていくという。

地域に開かれた多目的ホールとして利用することもできるように、「目付柱」と呼ばれる柱を取り外せるようになっている。災害発生時には帰宅困難者1000人の一時滞在スペースとして活用する。

プレスへのお披露目で舞台に立った二十六世観世宗家の観世清和は、「150年ぶりに銀座に帰って参りました、と先祖に報告しました」と述べた。観世流はかつて銀座の地に、江戸時代から明治維新に到るまで230年間活動拠点を構えていた歴史があるのだ。

宗家によるこんなパフォーマンスも披露された。

室町時代に観阿弥、世阿弥によって作られた能楽は、およそ700年の伝統を持つ。4月20日(木)の午後1時から開演される「祝賀能」初日の最初の演目は宗家自身による「翁」で、これが4日間続く。「翁」とは、「能・狂言とは異なる様式を伝え、むしろ祈祷、儀式の要素が強い。翁・千歳・三番三(叟)の諸役が天下泰平、国土安穏、五穀豊穣を祈り舞う」ものだという。お祝いの舞なのだ。

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