元・旅するシェフ 石川進之介のてんとう虫

旅と食と宴を愛するジェットセッター

旅するシェフ

著書『石川進之介の旅するシェフ』(メトロポリタンプレス)と愛用のライカQ。「ボディをライカT にして、おじいちゃんが使っていたニッコールのレンズを搭載する予定なんです。ライカを使っているのは、ファッション性もありますが、ストーリーに惹かれて。将来、石川進之介はライカ使ってたっていわせたい」とにんまり笑う。父方の故祖父がカメラ屋とレンズ業界にいたということで写真とともに育っているのは石川の強み。旅先のグルメな写真も垣間みれるInstagram は@shinnosuke02091981

屋号「フードトリップ」

「そりゃあ『なにいってんの? どうやって食ってくの?』とか言われますよね。でも、もう直感で。都市でエネルギーがぶつかってるのがもったいない。その余っているエネルギーを都市ではない場所にくっつけて、いろんな地域を元気にできないか、とおもったんです。何でもできる気がしてました。お金もないし、なんの根拠もないんですけどね」

ともかく、どこか都会ではないところではじめようと、行った先が京都の丹後だった。

「日本酒もちりめんもあって、いろいろな経営者がいる。料理をきっかけにすると仲良くなれたので、悩みはないか、話を聞いてみて。コンサルをやろうとしたんですね。それで、丹後の食材を都市にもっていくんだけれど、普通に薦めてもみんな右から左。困ったなぁとなっているときに、友達のダンサーのパーティーで知り合った人がやるパーティーの料
理を担当するようになって、そこでパスタにすると、お客さんが、この食材どこで買えますかって聞いてくれる。おっ、これ、ビジネスっぽくなってきたっていうのが、フードト
リップのスタートです。それからラジオにでたりテレビにでたりして、旅するシェフとして知られていきました」

ところが最近、石川はフードトリップという屋号も捨ててしまった。

「きっかけはこどもがうまれたこと。家でつくるものがお客様に出すものとおなじクオリティになって、オンオフがなくなっちゃった。それは刺激がないし、なにかちがうとおもって。それに料理に上も下もないはずなのに、8年もやって、なんだか、偉そうになっている自分も嫌だった。ただ、地域の活性化をやめるつもりはないですし、カメラや、
文章を書いたり、商品開発に関わったり、黒子をやるのは楽しい。表に立つんじゃなくて、仕掛けていこうとおもって、装いも変えて、てんとう虫をアイコンにしました。いまは、
北海道でワイナリーのサポートをしたり、ジン造りにかかわったり。これまで旅した経験、先輩から受けた恩を、地域に注ぎたい」

自分自身をてんとう虫に例えて、企業、地域、生産者、社会、地球にとって必要な場に飛んでいく、というのが現在の石川のスタイルだ。

石川進之介のあらたなシンボル、てんとう虫。足がキッチンツールになっている。農業では益虫。サステナビリティのシンボルでもある。太陽に向かって飛ぶ、天道をゆくことからその名がついている

かっこいい法則

「振り返ってみると、3年くらいやって、先が見えちゃうとつまらなくなって新しい冒険に出ているんです。安泰の先には下落、失望しかないとおもっているのかもしれない。僕は「宇宙の法則」って呼んでるんですけれど、冒険者にはかならずサポートがはいるんです。これは決められない約束。もちろん、冒険者は、誰かが支えてくれるなんて最初から期待しちゃいけないんですよ。でも、足りないパズルのピースには絶対に出会えるんです」

そこまでして地域活性に身を捧げる原動力が何かときけば

「自然を語れるほうが人として豊かでかっこいいじゃないですか。ブランドぶらさげているからかっこいいんじゃなくて。だからてんとう虫。ブランドもぶらさげるけれど、てんとう虫も身につける。それにこどもたちにも「てんとう虫のおじさん」で仲良くなれちゃう!」

そうニカっと笑うのだった。

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