新型ベントレー・ミュルザンヌ国際試乗会の旅

高級車と贅沢のなんたるかについて

こんなに美味しいマカロン、初めて!

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ベントレーを象徴するBマーク入りのプレートの上に並べられたマカロン。

それは3色のマカロンでした。3個もあるから、1個だけ食べようと思いました。口の中にパクッと入れると、しっとりとしていながらサクッとしていてクリーム多めだけど甘さ控えめ。こんなに美味しいマカロン、初めて食べました。もう1個食べようと思いました。晩飯までまだ時間があります。

口の中にパクッと入れると、しっとりとしていながらサクッとしていてクリーム多めだけど甘さ控えめ。こんなに美味しいマカロン、初めて、じゃないよ、2個めですから。あと1個残っています。口の中にパクッと入れると、しっとりとしていながらサクッとしていてクリーム多めだけど甘さ控えめ。こんなに美味しいマカロン、3個食べちゃいました。もっと食べたいと思いましたが、ないマカロンは食べられないのでした。

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アジアのリゾートのような内装です。窓の向こうにテラスがあって、岩山が眼前に見えます。

部屋はひとりでいるには広すぎます。わが国の要人も泊まったでしょうか?

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浴槽の栓の使い方がいまいちわからず、お湯をはるのは諦めました。

水回りはモダンに改築されています。お風呂とは別に設けてあるトイレにはなんとウォシュレットがついていました。

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イギリス人、あるいはイギリス趣味のお金持ちの団体様御一行、という感じでしょうか。

翌朝9時、試乗に出発です。日本、韓国、台湾、オーストラリア、シンガポールなど、20人の記者のために10台の新型ミュルザンヌが用意されていました。これから400kmほどのテスト・ドライブです。ただし、EWBは運転の対象にはなっていませんでした。

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La Villaという名の湖畔の宿。結婚式も開かれるようです。

ミュルザンヌのスタンダード・モデルのステアリングを握ってシュロス・エルマウを出るとアルプス街道を北に向かいました。カー・ナビに従って運転していると、たちまちシュタルンベルク湖(ドイツ語だとStarnberger See)のほとりにあるラ・ヴィラに到着しました。あいにくの曇り空でしたが、湖を見ながらSENCHAをいただき、ホッと一休み。

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新型は人馬一体感が高まりました。ジムで鍛えたのと同種のフィーリングです。スポーティです。

排気量6.75ℓV8OHVツインターボを搭載するミュルザンヌは、最高出力512ps、最大トルク1020Nmという途方もないパワー&トルクによって車重2.6トン以上もある重量ボディをスポーティかつエレガントに走らせます。6.75ℓという大排気量にターボをくっつけているところがミソで、100km/h巡航は8速ATのトップでたったの1400rpm。これほど遅いピストン・スピードでこれほど速く走らせるエンジンはディーゼルにだってありません。ミュルザンヌの走りっぷりたるや、まさに風林火山の「疾(はや)きこと風の如く、徐(しず)かなること林の如く」を思わせます。

公称最高速度は296km/h。アウトバーンの速度無制限区間で220数km/hを出すのが精一杯だったのはひとえに筆者の根性がないせいです。擬古典調のデザインをまとっていますが、高速性能は最新のドイツ車にヒケを取りません。

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ロープウェイの麓の駅前です。

お茶のあと、再出発。ここからアウトバーン8号を経由してオーストリア側に入り、スキーのメッカであるキッツビュールに行きました。アルペン・スキーのワールド・カップで注目度の高いハーネンカム大会が開かれている、ということはまったく知らない私でした。麓の町からさらに1645メートル登ったハーネンカム・ロッジで昼食をとる趣向になっていました。

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ベントレーの試乗会は高いところがお好き。

筆者は高所恐怖症の気があるのでロープウェイはご辞退申し上げたかったのですが、昼飯のためにはそうも言っておられません。臆するこころを抑え、空中散歩を楽しむことにしました。素晴らしい眺めでした。でも、心底楽しいとは思えませんでした。満腹後、復路で一瞬ゴンドラが止まったときには、いやぁなこころ持ちがしました。15時を知らせる教会の鐘が鳴り止むと、再び動き始めてホッとしました。双発ターボ・プロップといい、ベントレーは高いところに連れて行くのが好きなのでした。

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これぞインターナショナル!

頂上の駅に到着すると、コーラの自動販売機がありました。日本はいま「インバウンド」が話題ですが、2020年東京オリンピックの頃にはこんなのが町角に出現したりするのでしょうか。

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新型ミュルザンヌ・スピード。写真では色が出ていませんが、ホントは伝統的なブリティッシュ・グリーンです。

キッツビューエルからミュルザンヌの高性能版であるスピードに乗りました。こちらは最高出力が537ps、最大トルクが1100Nmにまで高められていて、最高速度は305km/hに達します。スタンダードの車両価格が3500万円なのに対して、スピードは3835万円で、10パーセントほど高いです。その分、速い。速いということは、自動車にとって最も贅沢なことなのです。

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WINE-WHAT!?の読者ならご存知ですか、このシャンパーニュ。

最後の晩餐はエルマウ内のレストランで開かれました。乾杯は、ルイナールのロゼです。世界最古のシャンパーニュ・メゾンで、設立は1729年に遡ります。シャルドネ種の洗練にこだわる「シャンパーニュの宝石」とすら言われているそうです。さすがベントレーの晩餐会です。

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日本人シェフがいるのかもしれません。

まずはツナのたたきです。アスパラガスとレモンクリームを添えたポーチド・エッグもついていて、玉子の黄身とからめつついただきました。どこか和風な感じです。あるいは無国籍料理。ともかくインターナショナルです。さすがベントレーです。

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マス系とおぼしき魚を焼いた料理。

つぎにトマトの冷製スープが出てまいりました。気がついたらたいらげておりました。なので、ここは飛ばしまして、スープのあと、焼き魚が出てきました。この魚がなにか不明ながら、たいへんおいしゅうございました。下にリゾットが敷いてあって、このリゾットもうまかったです。カレー粉とミント・ヨーグルトも入っていたみたいです。

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サシはどこにも入っていないけれど・・・。

メインは鹿肉のロースト。セロリ、アンズタケ、アプリコット添え。鹿肉がとても柔らかくてクセがなくて、たいへんおいしゅうございました。

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やっぱり別腹です。

デザートはラズベリーのソルベです。このあとコーヒーが出てきましてディナー終了です。ワインでだいぶ酔いも回ってきたせいもあったのでしょう、台湾のひとが日本の雑誌「ブルータス」「レオン」、それから「暮らしの手帖」の前編集長の松浦弥太郎は「神さまだ」と日本語で言ってました。ありがたいなぁと思いました。

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安倍ちゃんも去年眺めたでしょうか、この月を。

エルマウの夜は更けていきます。

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日本でネット検索すると1万800円(税込)です。

レストランからバーに場所を移して、スコッチを楽しむ会がベントレー広報のひと主催で開かれました。「このなかで最もベントレー的なのはどれ?」と質問して教えてもらったのがこちら、オーバン・シグネチャー(と聞こえた)です。ソルティで刺激的な味わいですが、口中にすっきりとした余韻が残ります。帰り、フランクフルト空港の免税店で探しましたが、普通のオーバンはあるのにオーバン・シグネチャーはありません。お店のひとに聞いたら、彼はこう言いました。「シグネチャー? 問題ないよ。俺がサインしてやる」。近日中に日本で手に入れ、ひとりベントレー・ミュルザンヌの旅を思い出しながら傾けたいと思っております。

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普通のミュルザンヌで3500万円、こちらのミュルザンヌ・スピードは3835万円。

この記事を書いた人

今尾直樹
ワインが初めてうまいと思ったのは、1990年代の初め、某フランスの自動車メーカーの国際試乗会でした。パリからTGVに乗ってディジョンまで。駅からドライブ開始で、途中、休憩ポイントに醸造所が設定してあって、そこに寄るたびに試飲するのです。ブルゴーニュ、ピノ・ノワールという単語を知りました。最高にハッピーな試乗会でした。昔はヨカッタ。

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