去る6 月29 日、東京、渋谷にて事業維新-WHAT!? というイベントを開催した。これは経営コンサルタントの小林昇太郎、齋藤健太に、WINE-WHAT!? を出版するINSTYLE PUBLISHING の鈴木文彦が加わって、事業に維新を起こす体験をしてもらう、というもの。この会の中核を担う、小林昇太郎に聞いた。

撮影は、今年6 月にスタートしたメンバーシップサービスGranmove Japan のワインバーにて

お金持ち=富裕層とは考えない

鈴木 事業維新、というのは僕たちでつくった言葉、というよりもそもそも小林さんがつくって、僕たちはそこに賛同したような形です。事業維新で成すべきことをどう定義しますか?

小林 私の経営コンサルタントとしての基本はone to one。一対一の関係です。事業維新は究極のone to one がたくさん生み出される場となることを目指しています。

鈴木 one to one の発想は、小林さんがこれまで富裕層のコミュニティを研究してきた経験に基づいていますよね。富裕層を小林さんはどう定義していますか?

小林 富裕層といっても金融資産や年収といった切り口だけで私は定義しません。富裕層というのは、もちろん、金銭的に豊かな人ではありますが、永くビジネスを展開している人、数世代にわたって豊かな人・家族です。

鈴木 なるほど。ワインでいえば、家族経営を何世代も続けているワイナリーのような。なぜ、そういう人に注目したのでしょう?

小林 私の言う富裕層は、地盤となる地域で持続的にビジネスを展開しているので、独自のコミュニティをもっています。そういう人が本気で動くと、実行力もあり、社会へのインパクトも大きい。

鈴木 そういう人は保守的になりがちではないですか?

小林 自分が持っている強み、優位性に気付かず、それをしがらみ、あたりまえのこと、そしてネガティブに捉えている場合が多いですね。

鈴木 それをポジティブなものへと転換していく場合、どんな方法があるんでしょう?

小林 先程のワイナリーの話でいえば、ワイナリーが何世代も続くのは、売りたい人と買いたい人がいるからですよね。コミュニティというのは、買いたい人だけ、売りたい人だけの集団、往々にしてそういった場合が多いのですが、その何れかの集団の中だけでは成果は生まれない。

鈴木 一方、売りたい人と買いたい人が出会えば、ビジネスははじまる。

小林 私はそれぞれの集団の属性を徹底的にプロファイルしました。簡単に言えば、買いたい人なのか、売りたい人なのか、繋がりたい人なのかを見える化した。その上で、売りたい人と買いたい人の出会いの場を作る。そのきっかけさえあれば、そもそもすでに成功している方、経営者としての視点を持つ方が相手です。経営者とは自分で決めて、自分で行動し、自分で責任も取る人。すぐに物事は動き出す。

こういうときに、通り一遍のコンサルティングは実はあまり意味がない。私は、その方と一緒にいることでワクワクできる、とおもえる方のコンサルティングや顧問をお受けすることが多いのですが、やることは、その方のしたいことに本気で賛同し、背中を押し、いざ走り始めたら最後まで裏切らず、寄り添っていく。

場をつくる

鈴木 コンサルティングには、一定の方程式、フレームワークがありますよね。しかし個人的な経験で言えば、それを知っていることは大切だけれど、状況に応じて応用し、使いこなせないと意味がない。正しいことを言うだけ言って終わり、ではなく、一緒になってとりくまないと前に進めない。

小林 そうですね。しかし、経営コンサルタントとして、そこまでは、事業維新を成し得る入り口に立ったにすぎない。

鈴木 そう、自分が全身全霊をもって、サポートできる事業には限りがあります。

小林 そこで今回は、鈴木さん、齋藤健太の2人を巻き込んだ。それぞれ私にはない強みをもった2人が加わるだけでも、できることの幅は大きく広がる。私にとっては、人との信頼関係こそがもっとも大切なものです。自分に来た問い合わせ、要望をないがしろにはしたくない。だから、事業維新も闇雲に拡大はしない。大事な人たちと長く関係を維持し、自分がこの場を通して何をしようとしているか、見える化することがまず第一です。

鈴木 そこがぼくたちが集まる場をつくろうとしていることの真意ですよね。

小林 自分を見える化して、みんなも見えるような状態をつくり上げるからこそ、そこで必然的に何かがおこる。最適な人が最適なパートナーとともに最適なタイミングで最適なことをして、成果にしていく。これを東京からはじめたけれど、もっと他の地域にもつなげていきたい。

6 月29 日(土)に開催した初回では、国内外からさまざまな業種の経営者を中心におよそ80名の方に参加いただいた、事業維新。事業維新で何をしようとしているか、を説明したトークセッションのあと、集まった参加者同士によって、どんな風に、つながってゆけるか、を実際に話し合うワークショップを開催。そのあとは、懇親会で、ハラル食材やWINE-WHAT!?セレクトのワインを提供した。第2回は東京都内にて9月14 日(土)を予定している。 (写真:編集部)

地域× 地域

鈴木 地域という単語も、ここでは独特の意味をもっているとおもいます。

小林 地域というのは、中心に対して地方、という意味はもちろんありますが、それだけでもないし、サイズや場所を、必ずしも言うものでもない。私は12年間、かつてはソ連だった中央アジアの国々で、計画経済から資本主義経済に移行していく企業の経営を支援してきました。その経験から、私にはアジア、というのはひとつの地域だ、と実感できた。

鈴木 僕もフランスに留学していたとき、世界の見え方は変わった。日本の何県、というのも地域たりえるし、国や、いくつかの国、パリと東京がおなじ地域だということもできるだろうし、あるいはインターネット上のコミュニティすら、地域といえるかもしれない。

小林 そして、今度は地域と地域とがつながることで新たな価値が生み出され、そこで、新たな事業が生まれ、収益が生まれ、経済が生まれる。これまで私が経験してきたことを、今度は、事業維新へ参加する皆さんの力、つまり、他力も使って、一緒にふろしきを広げられるだけ広げたい。そうして新たに生まれたコミュニティが、自分たちのコミュニティとつながることもあるでしょう。事業維新でやりたいことは、そういうことです、

鈴木 いまは中央集権的なばかりでは立ち行かない、とおもいます。いや、ずっとそうなのかもしれない。ワインだって、時代によって、味の好みも違えば市場も違う。柔軟に自らを変化させ、あらたなフィールドに挑戦できた、改革を連続させるワイナリーだけが、伝統を紡いでゆける。

小林 自分だけが得をする、そんな目先のことではなく、より広く柔軟に、しなやかに、それが本当の強さと自由を手に入れることにつながる。そのきっかけを事業維新では提供してゆきます。

鈴木 今後も定期、不定期にて、各種イベントを企画していきましょう。多くの方に参加いただきたいです。

小林 近く、東京以外の地域、そして海外でも開催していきたいですね。

小林昇太郎(こばやし しょうたろう)
大学卒業後、大手商社に就職するも、会社が倒産。上場している大手であっても、組織は簡単に崩壊してしまう、と実感する。その経験から経営に関心をもつようになり、非鉄金属メーカーを経て、船井総合研究所に入社。経営戦略事業部にて富裕層ビジネス研究会を立ち上げる。大手自動車メーカーのビジネスカレッジ講師、韓国ソウル市諮問官、その後、株式会社LUFTホールディングス取締役 経営戦略室 室長を経て2019年2月 株式会社Bizres 代表取締役(CEO)に就任。著書に『ビリオネアビジネスの極意 』『絶対に断れない営業提案』『図解 富裕層ビジネス最前線』などがある。

この記事を書いた人

WINE-WHAT!? 編集部
WINE-WHAT!? 編集部
令和元年8月、餃子にはワインがトレンドです。

教えてくれてありがとう、ワインホワット !?

礼は、いらワイン。

なんです?

ワインは、いるワイン。