いろんなものを脱ぎ捨てたら生き方が楽になり、今がとにかく楽しいと語る早見あかりさん。それまでは触れると切れる刃のようだったという。女優という職業をいまいちばん楽しんでいる彼女の心の内を聞いてみた。

スタイリスト:坂井七帆 ヘアメイク:青木理恵 
撮影協力:La Fame(ラ ファーメ) 東京都渋谷区代官山町8−15 tel.03-5459-1604

Akari Hayami
1995年3月17日、東京都生まれ。血液型A型。身長165cm。ももいろクローバー(現・ももいろクローバーZ)脱退後、女優として活躍。2021年公開の映画「シン・ウルトラマン」にも出演する。趣味は踊ること。特技はエアロビ。体がやわらかい。

お酒はお料理に合わせたい

すうっと伸びた背筋、艶やかな黒髪、媚びる素振りさえ見せない強いまなざし。その凛としたたたずまいは、彼女がクールビューティーと評される大きな理由でもある。

だけど実のところは、ざっくばらんで朗らかなキャラクターの持ち主だ。

「どうしても怖い人っぽく見られちゃうんです。“笑うんだね”みたいに驚かれることもあって。いや、そりゃあ人間だから、笑いますよね(笑)」

早見あかりさん。アイドル時代を経て、今や多彩なアプローチで様々な役をこなす人気女優だ。2018年、23歳の若さで結婚を発表し、大きな話題となったことも記憶に新しい。

「旦那さんと一緒に暮らすようになったことは、今までとの大きな違いではあるんですが、結婚したからといってそんなに変化はなかったかも。4年間お付き合いしていたので、いいところも悪いところもお互いにわかっているじゃないですか。だから今更どうこうというのはないんですよね。ただ、過度な期待をし合わないのは互いに受け入れているということだから、今の生活は心地がいいなと感じています」

実年齢よりもぐっと大人びた表情を見せるあかりさんには、ワイングラスがとてもよく似合う。でも、家で飲むのはもっぱら焼酎やウィスキーなのだという。

「スパークリングやシャンパンはいただくことがあるので、たまに家で飲みますが、基本的にワインは外で飲むことが多いですね。ただ、お酒を選ぶときはまずお料理に合わせたいんです。中華を食べに行ったら紹興酒も飲みますし、家で作ったものに合わせてその辺にあるものを飲みます。要するに、お酒は全部好き(笑)」



角が取れたね

得意料理は、いわく「簡単だから」煮物。いやいや、煮物こそ味を決めるのが難しいとされている料理の筆頭だが、調味料はほぼ目分量だという。

「大雑把なんですよね、性格が。いわゆるインスタ映えするようなお料理が作れないんです。大きなお皿の真ん中にちょこっと乗せるみたいな、素敵な盛り付けができない(笑)。だから実家ごはんみたいなものばかり作っています。基本は目分量ですが、レシピは義理の母に習ったりもしているんですよ」

会話が弾むほどに豪快さすら感じさせる彼女だが、以前は決してそうではなかったのだとか。

「A型の説明書通りの人間だったんです。リモコンの置き場所まできっちり決めていたので、前は友達に『あかりの部屋に行くとなんだか緊張する』って言われていました。でも今は『なんだか落ち着く』って言われるようになったんです。悪い変化じゃないなと自分では思っているんですけどね」

一般的に10代から20代にかけては、人生の中で女性が変わっていく最初のポイントだろうと思う。何より悩みの質が違ってくる。そこに結婚という大きなターニングポイントが加われば、自身の変化を肌で感じることも少なくないはずだ。

「確かに変わったと思います。ずっと肩肘張って生きてきたのが、力が抜けてきたというか。結婚より前、一人暮らしを始めたのがまずは大きなきっかけでしたね。自分ひとりで頑張らなきゃ!って力まなくても、周りの人がちゃんと助けてくれるということがわかって。雑にやるということではないんですけど、頑張りすぎて空回りするぐらいなら、周りの好意を受け入れる余白を持った方がいいんだろうなって。だから、10代の頃の私を知っている人に久しぶりに会うと、みんな口を揃えて“角が取れたね”って言います」



今が人生で一番楽しいかも

負けず嫌いだけど、「人と勝負するのは嫌い」と彼女は言う。つまり敵は自分自身。己に求めるものが多いと、毎日がきっとつらい。若ければ、それはなおさら。

「自分の思う満点に自分を近づけようとしていたんです。でも、そうじゃなくていいんだと思えるようになって、心が軽くなりました。もちろん理想は追求したいけど、それに縛られるのも違うなって。だから今はラクだし、人生で一番楽しいかもしれないです(笑)。仕事の面でも、この役はこうじゃなきゃいけないっていう決めつけがあったんですけど、今はある程度考えたら余白を持って現場に行くことにしています。合っていたらそれでいいし、違うならまた考えればいいんですから」

この視界が拓けるような感覚は、正直、多くの女性が三十路を過ぎてから覚えることのような気がする。そう考えると、あかりさんは若干、老成しているのかもしれない。

「それ、よくいわれます(笑)。働き始めたのが早かったからでしょうか」

肩の力を抜いて自然体で。

努力は惜しまないけれど、なるようにしかならないことも受け入れて生きる。

誰もが憧れる素敵な大人を、彼女は24歳にして早くも体現している。人生の半分を芸能活動に費やしたそのキャリアは、やはり伊達じゃないのだ。

「だから早く歳をとりたいです。早く30代になりたい。20代であることのメリットがあまり感じられないんですよね、若くみられないし。24です→意外と若いんだね→そうなんですよ、っていうやりとりがもうめんどくさくて(笑)。

それに私、自分がどういうふうに歳をとっていくのかということにとても興味があるんです。どんなふうにシワが刻まれて、そのとき自分がどんな演技をするのか、すごく楽しみだなって。何しろ役者には定年退職がありませんから」

早見あかりという存在が美しいのは、この持ち前の潔さにもきっと起因する。ひとりの女性として、女優として、力強く前を向く彼女のあゆみに、ずっと注目していきたい。

この記事を書いた人

WINEWHAT
WINEWHAT
年末はこの1年の感謝を込めてシャンパーニュを開けまして。

キリスト教とは無関係でも開けまして。

正月は新しい1年の無病息災を祈って開けまして。

あけましたらおめでとうございます〜。