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ドミニク・ブシェ トーキョー料理長 厚東 創(こうとう・はじめ)、はじめて岩手に行く(前編)

新しい食材との出合いを求めて

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エリート牧場にて

「牛には旬があるんですよ」。

風は強いが、真っ青な空と緑豊かで広大な放牧地に気分はハイキング。久慈市短角牛基幹牧場、通称「エリート牧場」に移動して、久慈営農経済センターの泉山裕介さんにお話をうかがう。

自然交配で生産されるいわて短角和牛は、3月頃に生まれ、最低24カ月齢を経て出荷される。一番おいしいのが8~10月頃だという。

「ビックリしたのは牛たちが自由に暮らしていること。柵もない。逃げちゃうんじゃないかと思うぐらい。ストレスがない。ストレスがあると、肉がおいしくなくなる。人間もストレスがあると肩こりとかして体が硬くなるじゃないですか」。

と牧場を見学した厚東シェフ。フランスにはそもそも柔らかい肉はない。育て方がもっと産業的だからだ。日本人は牛の育て方も丁寧でやさしい。そこに違いが生まれる。サシの入った和牛をフランス料理に使うわけにはいかない。ワサビで食べないからだ。

その点、赤身が多くて脂が少ないのに柔らかいいわて短角和牛は、フレンチとも相性がいい。

「次は旬を意識して使ってみたい。(ドミニク・)ブシェ・シェフが好むテールやフィレが入手しやすいと、もっといいんですが」。

日本短角牛種生産量日本一の岩手だが、肥育頭数は1300頭たらず。生産者が少なすぎるからモノもおのずと高くなる。仕入れルートも課題のひとつだ。

牛と戯れた後は二戸市内へ。難しい雑穀の有機栽培を実現し、安心とおいしさを両立させている高村英世さんに会うためだ。

「私のやってきたことは、お渡しする資料にみな書いてあります、どうぞ!」と茶目っ気たっぷりにおっしゃる高村さん。語りだしたら止まらない。

最近、アラン・デュカスが肉類を使わない、日本の精進料理をヒントにした健康的なフレンチを提案して話題になっている。デュカスのようなスター・シェフの動きは今後の料理界の流れを変える。そう考えると、有機栽培の雑穀はおもしろい素材になる。厚東シェフは頭の中で逡巡するのだった。

Day One PM いわて短角牛と対面する

PM02:30 久慈市短角牛基幹牧場

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沿岸部から内陸へ。こちらは1984年に整備された山形町荷軽部にある公共牧場で、「エリート牧場」とも呼ばれる。「特別な牛」が120haに240頭放牧されている。

PM04:30 高村農産

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二戸市内にある約2haの畑で、代表の高村英世さんがヒエやアワ、アマランサスなどの雑穀を有機栽培している。厚東シェフ、このとき雑穀を使った料理を考案中!

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高村英世さんがつくる有機もちきびと有機うるちあわ(下)。1995年から有機栽培の雑穀生産を続ける。これでアトピーが好転した子もいるという。

PM05:20 久慈ファーム

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高村さんの畑の近くにある三元豚の生産者。植物性炭化物を飼料に加えることで肉の臭みとアクを抜いた「佐助豚」を出荷する。よんどころない事情で訪問できず(涙)。

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