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「世界遺産と華麗なる名車たち」の仕掛け人、木村英智さん

アートアクアリウムアーティストはカーエンスージアストだった!

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木村氏と木村氏の愛車、1949年のアバルト・ギア・ジョイエッロ1100E。コンコルソ・デレガンツァ京都に出品する当日に取材した。

コンコルソ・デレガンツァ京都2016

10月28日から、世界遺産の「元離宮二条城(京都市)」で開催されている「ARTISTIC CARS AT THE WORLD HERITAGE ~競演 世界遺産と華麗なる名車たち」が話題だ。通常は非公開エリアの二の丸御殿中庭、台所前庭、台所に、1970年代から2000年代までの人気の名車が、二輪も含めて30台ほど展示されている。普段は見ることのできない場所でのイベントとあって、クルマファン以外の人も多く訪れているという。

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さらに、12月3~6日には、メインイベントである世界的クラシックカーのコンクール「コンコルソ・デレガンツァ京都2016」が開催される。この4日間のみ、世界中からエントリーされた1924年のベントレーから72年のアルピーヌまで、23台が美を競う。日本の世界遺産で、ヴィンテージカーのコンクールが行われるのは初めての試みで、イタリアのヴィラ・デステやアメリカのペブルビーチなど、2大コンクールで覇者となったクルマも参加するという。

かくもスケールの大きなイベントを企画・プロデュースしたのが、アートアクアリウムアーティストで、京都国際観光大使でもある木村英智氏だ。木村氏が創作した、熱帯魚や金魚が泳ぐ水槽(アクアリウム)を水と光でエンタテインメントにまで昇華させたアートアクアリウムをご存知の方も多いのではないだろうか。なにしろデビュー作が、2007年、六本木ヒルズで大好評を博した「スカイアクアリウム」。2011年まで開催され、アートアクアリウムの礎を築いたといえるイベントだ。そして、金魚に特化して江戸の美を打ち出した「アートアクアリウム展 金魚シリーズ」は、2016年9月末時点で、700万人以上の有料入場者を集めているのだ。

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クルマとワインとアート

その木村氏が、なぜ古いクルマのコンクールを手がけるのか?

答はごく簡単。氏は趣味を超えて自動車文化のために活動するカーエンスージアスト(自動車の熱狂者)、平たくいえばクルマ好きだからなのだった。2009年の東京コンクールデレガンスを皮切りに、2010年から日本橋で開かれている『ジャパン・クラシック・オートモービル』などの総合プロデューサーを歴任する。

世界を舞台に活躍している木村氏、ワインに関してはどうなのだろう?

「ワインは大好きです。クルマ文化の本場とも言える欧米は、ワインの本場でもありますからね。これまでに本当にたくさんのワインを飲んできました」と木村氏は語る。

「『ミッレ・ミリア(毎年5月にイタリアで開催されるクラシックカーイベント)』に参加すると、トスカーナやピエモンテなどのワインの産地の景色の美しさに驚かされます。ああ、このクルマは、この景色の中を走るためにデザインされているんだなと思ったり。クルマ文化とワイン文化の近さというか、同じライフスタイルの中にあるんだなということを、ヨーロッパに行くとよく感じます。生産者がワインを配っていたり、お気に入りのワインを大量に買い込んで帰る参加者がいたり、クルマの祭典なのかワインの祭典なのかわからなくなったりすることもあります(笑)」

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なぜ京都でクラシックカーのイベントを?

「そもそも、僕はクルマを見せたいわけじゃない。クルマとともにある総合的なライフスタイルを知ってほしいのです。ヴィンテージカーの歴史は、クラフツマンシップの歴史でもあります。一つのアートであり、文化遺産なのです。だから欧米で行われるヴィンテージカーコンクールは、歴史ある文化遺産の建物で行われることが多い。そんな奥深いクルマ文化を日本の人にも知っていただきたいと思い、それには京都が最もふさわしいと考えたのです」

今回のイベントが、クルマ愛好家の世界を超えて話題になっているのは、そんな文化としてのヴィンテージカーの世界が発信されているからだろう。木村氏の凄さは、趣味を趣味で終わらせず、その世界を新しい価値観とともに人々に見せていく力にあると思う。そもそも世界を席巻しているアートアクアリウムもまた、観賞魚という木村氏の「趣味」から始まっている。

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もともとは生き物全般に興味があったという木村氏は、学生時代から観賞魚に魅せられ、アルバイトで始めた観賞魚ビジネスを本業にするようになる。それが、後のアートアクアリウムにつながるのである。アートアクアリウムを通して、私たちは、熱帯魚の、あるいは金魚の美しさを改めて発見するわけで、これこそが木村氏の真髄なのだろうと思う。

「言ってみれば、ワインもクルマも、そしてアートも、それだけで面白いわけではなく、それらが暮らしの中に寄り添ってくれることで、私たちの人生が豊かになることに意味がある。そうしたライフスタイルにこそ価値があるのだと思います。なくてもいいけど、あると人生は楽しくなる。それが大切。少なくとも僕の人生には絶対に欠かせない」

そう笑顔で語る木村氏に心から共感する。クルマとアートアクアリムに乾杯。もちろんワインで。

木村英智|KIMURA Hidetomo

木村英智|KIMURA Hidetomo
1972年東京生まれ。アートとアクアリウムテクノロジーを融合させる「アートアクアリウム」という独自の芸術エンタテインメントを確立。イタリア・ヴェネツィアの世界最高峰のガラスアートブランドの「VENINI」のデザイナーに異例の若さで抜擢される。

ARTISTIC CARS AT THE WORLD HERITAGE ~競演 世界遺産と華麗なる名車たち
開催日時 10月28日(金)- 12月11日(日)9時-17時 最終入場は16時30分(10月28日のみ正午から)
会場 二の丸御殿中庭・台所前
入場料 一般600円 中高生350円 小学生200円 小学生未満無料(別途入城料要)
イベント公式ページ http://www.artistic-cars.com/

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