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ボルドーの樽メーカー、ナダリエ社見学記

ワインの樽はこうして造られる

樽もワインと同じように、木材の品種、産地にこだわり、木材を寝かせる時間が必要だってご存知でしたか?
山本真紀さんがボルドーの有名な樽メーカーを訪問しました。

 

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案内人はナダリエ社輸出販売部長のディディエ・ラポルトさん。WSETのディプロマと、居合と空手の黒帯も持っている。強面だが、口調は落ち着いていて優しい親日家。

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屋外に積み上げられた樽用の木材。2〜3年経つと、雨風によって荒いタンニンやカビの菌が落ち、柔らかな芳香が引き出される。降雨がない時は人工放水でコントロール。

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外で寝かせた木材を成形して磨き、製作開始。1段で1樽分となるよう木材を組み合わせて並べる。

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成形した木材を作業用のセルクル(たが)に挿しこんでいく。

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もう一方側もセルクルに納めて閉じるよう、熱を入れて木材を柔らかくする。まだワインの味わいように樽内部を焦がす作業ではないので、あくまで足元だけの加熱。

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満遍なく叩いて馴染ませながら、密着しているか確かめる。職人たちは樽製作を学ぶ学校で2〜3年研修を受けてから就職するので、若いスタッフもすぐ戦力に。

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鏡面用の板はサイドに溝を付け、蕎麦粉を練ったものを接着剤として使用。「蕎麦だからグルテンフリーです!」とラポルトさん。

え、アピールポイントはそこ?

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はめ込んだ鏡面の縁にナンバリング。フランス国営営林署が管轄する森での伐採場所を自社で把握しているため、ナンバー情報で産地まで追うことができる。

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樽の製造は機械化が難しい。材質のクセを見抜ける職人のカンが頼り、なんて作業が多すぎるのだ。だが、圧をかける、水を詰めるなどの任務でようやく機械にお任せ。

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樽に水を詰めてみて漏れがないか密閉度をチェック後、樽の表面を磨いて仕上げに入る。これでもう2年以上屋外でさらされた木材とは思えない姿に変身。

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ロゴ・ネーム入りのオーダーが入ったら、レーザーで鏡面にデザインして完成。荷札ごとラッピングを済ませて倉庫へ。

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倉庫では宛先がベイルートと記載された樽も発見。

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工場見学を終えたら、ゲストルームにてナダリエ家が所有するシャトー・ボー・リヴァージュの試飲を。ワインに使用されている樽の焼き具合はミディアムプラスで、オークの産地はアリエ。

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樽椅子。

ワインクーラー兼植木鉢カバー。

試飲の時に使うスピトーン。

樽グッズも充実。ゲストルームには樽のイスやワインクーラーに使える植木鉢カバーが。スピトーンは別のワイナリーで発見したもの。

Tonnellerie NADALIE
99, rue Lafont Ludon-Medoc 33295
Blanquefort Cedex FRANCE
www.nadalie.fr

工場の一般見学は試飲付きで一人12ユーロ。

協力:ボルドーワイン委員会
www.bordeaux-wines.jp

フランス産はひと手間かかる

フランスのボルドーは、ワインの産地だけでなく樽製造も盛ん。その樽メーカーのひとつが1902年創業のナダリエ社だ。年間生産量は約7万樽、32カ国と取引があり、日本にも1000〜1500樽が毎年輸出されている。

樽もワインと同じように、木材の品種、産地にこだわり、木材を寝かせる時間が必要。中央部のアリエ県トロンセは樽用木材の最高級産地として知られているが、17世紀、「世界進出のための船舶建造用にまっすぐ長いマストが必要」と当時の首相コルベールの肝入りで植樹が進んだ森である。

この森は火山性の酸性土壌で、香りが優れてキメの細かい品種、セシル種が多い。

対して花崗岩質のヴォージュで育った木の香りはやや穏やか、タンニンのポテンシャルは強めとなり、リムーザンになるとさらにタンニンが強固となる。

丸太は皮をむき、芯部分をとり、そして割る。

アメリカ産の木材はチェーンソーでカットできるが、フランス産の木材は樹液の管に凝固化する力がなく、無理に切断すると有効成分が流れ出てしまう。だから割って整形するひと手間がアメリカ産よりかかるという。

ワインの味を左右する樽。ボルドーへ旅行したら、ワイナリー見学に加えて樽メーカーの見学もオススメだ。


数字で知る樽のミニうんちく

6メートル

木は地上1メートルから6メートルまで、計5メートルを使用。枝分かれすると密閉率が低い。

120年

フランスで樽用に伐採される木の平均樹齢。ナダリエ社は150年以上のものを使用。

5パーセント

世界で造られるすべてのワインのうち、樽が使われているのはわずか5パーセント。


 

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