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ひとに勧めるならこのオレンジワイン! 若手ソムリエ座談会

ただ、ただ、楽しんで味わってほしい

じわじわと流行の兆しがみえるオレンジワイン。今回は若手ソムリエ4名にその魅力を語っていただき、「人に勧めるならこのオレンジワイン!」を持ち寄ってもらった。さぁ、どんな魅力的に話がきけるやら。初心者必読のオレンジワイン話のはじまり、はじまり。

構成・文:岩瀬大二 写真:山下亮一
撮影協力:ティエリー・マルクス
東京都中央区銀座5丁目8-1 GINZA PLACE
tel.03-6264-5045
www.thierymarx.jp

右から、谷川雄作さん(ティエリー・マルクス・ジャパン シェフソムリエ)、 佐々木健太さん(L’ASソムリエ・アカデミー・デュ・ヴァン講師)、高山南美さん(ビストロシンバ ソムリエ)、梁世柱さん(La Mer Inc. 代表)

オレンジワインとは?

オレンジワインは、お詳しくない人には「オレンジからできたワイン」だと思われていたり、逆に少しかじったりするととても難しいワインという印象です。まずはどのようにおススメをしているのかを教えてください。

佐々木健太(以下、佐々木) ロゼワインとどこが違うんだという質問もおおいですね。ユニークな白ワインですよ、という説明をさせていただいています。渋みがあったり、独特のフレーバーですが一度ハマると抜け出せないと言う感じで。私のレストランはフードとのペアリングを重視していますが、オレンジワインが入ると一気にそのバリエーションと可能性を広げることができます。特にワインが持つフレーバーの多様性を感じて驚いていただける。

高山南美(以下、高山) うちのビストロでは、お二人で来られて、いろいろな料理を1本のボトルでゆっくり楽しまれる方が多いんです。オレンジは料理をコースで頼まれた場合、最初から最後まで1本で通すことができます。魚介料理から肉料理にかけて続く際に、無理のないワインです。料理全部に合いましたと言ってくださることもあります。難しいワインというイメージを持たれている方は確かに多くて、ペアリングも難しいんじゃないか、って思われているんですけど、そうではない。

梁世柱(以下、) 僕の場合は、そもそも大前提として自分が心から美味しいと思っている。だから伝えたいう気持ちがあります。オレンジワインに対して個人的に感じているのは、あやふやで、あいまいな存在感。白ワインも赤ワインもロゼワインも一応法律的な定義づけはありますけれど、その間にあやふやなワインたちというのはいっぱいいて、それを改めて気づかせてくれる。自分自身を固定概念から外すという意味ではとても重要な存在です。

定義ができない。だからこそ楽しめる。それは面白い。

谷川雄作(以下、谷川) ワインの知識が深まっているからからこそ、赤ワイン、白ワイン、ロゼワイン、スパークリングワイン、さまざまなものがある中で、第5、第6という選択肢にも興味をもっていただいている。90年代、一度、イタリア発のオレンジワインが世界を席巻しました。その事実はソムリエにおいては常識的なことですが、日本ではよく知られていませんでした。イタリアワインにとてもお詳しい方でようやく「ラディコン」や「グラヴネル」といったその中心的な存在の名前が出てくる。まだまだ広まっていく可能性があります。

そもそも規定がわかりづらい。

谷川 白ワインからの派生なんですが、赤ワインの考えから造られているものもあり、何に該当するのか見極めないと。

高山 色を見極めるのももちろんなんですが、ジョージアのナチュラルなオレンジワインは別として、北イタリア・フリウリで生まれたスタイルは天然酵母を生かして造られた白ワイン。

谷川 果皮を残さないと、天然酵母の量が足りない。そこで果皮ごと漬けこむ。

 もともとお酢と発酵文化が根付いている日本ではあうはずなんです。

谷川 固定概念が一番、敵ですね、オレンジワインに関しては。

 生産者も、オレンジワインって呼んでいる人は少ないんです。

高山 白ワインを造っているつもりだったり。

 そう、ラベル上、白ワインって書いてあるものが圧倒的に多い。私が今日持ってきたものもビアンコ(白)って書いてある。

谷川 繰り返しですけど、定義付けないですから。

 世界的には共通の認識はあるんですけど、ただ、定義があってもあやふや。でも、定義ってどれだけ重要なことなのかな。あんまりそういうところに頭がとらわれると面白くないじゃないですか。

谷川 そこですよね。楽しみたいという気持ちが重要だなって思います。

では、みなさんに持ってきていただいたおススメの1本を開けていきましょう。まずは谷川さんのジョージアから。

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