ドイツなの? イタリアなの?

ソムリエが語る、ワインにまつわるアレコレの話 その2

初回に続き、第2回目もイタリア出張での出会いをご紹介します。
取材2日目は、張り切ってトレンティーノ=アルト・アディジェ地方の二つのワイナリーに行って参りました。トレンティーノ=アルト・アディジェとひとくちに言っても、トレンティーノ(トレント)とアルト・アディジェは全く印象が違いました。一言で言うと、トレントはイタリア、アルト・アディジェはドイツの雰囲気です。
コルタッチ_急斜面の畑

コルタッチ 急斜面の畑

眼鏡イケメンへの恋

まずひとつめはVino Hayashiで取り扱うサービス「イタリアワイン通信講座」の第一回や、定期購入コースでもお届けしているアルト・アディジェのワイナリー「KURTASCH/コルタッチ」

コルタッチは、設立の1900年から約200軒の小作農家が「協同組合」として組織し、力を合わせ戦っています。そのため、醸造や輸出などの担当者も話し合いで決まり、時期が来ると交代が行われるそうです。

コルタッチ_畑の分布地図

コルタッチ 畑の分布地図

コルタッチに「クリュ」は存在せず、長年の経験から、ブドウにとってどの土地が一番最適かを熟知し、それぞれのブドウに合わせて栽培をしています。

現在の輸出部長、眼鏡イケメンのハラルドさんは28才。伊・独・英の三ヶ国語を操るトリリンガルですが、「頭の中は完全にドイツ語」だそうです。

コルタッチ_ハラルドさん

コルタッチ ハラルドさん

不意に「協同組合ってたくさん人が関わってるから大変じゃないですか?」と聞くと、「そうなんです」と即答。とにかく話し合いが長く、あまりに議論が白熱した時には別日に会議が持ち越しになることもあるそうです。

「でも、メリットもたくさんある」とハラルドさん。「農家同士で手伝いあえるし、情報共有もできますしね。山あいの自然が厳しい場所で、その上みんな昔は貧しくて個人農家ではやっていけなかった。だから生き延びるために、私たちは集団で戦うことを選んだのです」。

コルタッチ_協同組合のみなさん

コルタッチ 協同組合のみなさん

ハラルドさんの熱い眼差しを見つめながら、ワインが進んでしまうワタクシです・・。

トレントの陽気な泡

一方、トレンティーノの「マソ・マルティス」は、イタリアらしい陽気なファミリー経営のワイナリー。

マソ・マルティス

マソ・マルティス

皆さまにお披露目するのは初ですね。到着するとちょうど収穫を終えたばかりのシャルドネが山盛り。作業を間近で見学していると、ブドウの甘い香りに誘われてミツバチが寄ってきました! 刺されないように要注意です。。

マソ・マルティス _シャルドネの収穫

マソ・マルティス シャルドネの収穫

設立は1990年。アントニオさんと妻のロベルタさん、長女のアレッサンドラさんと次女のマッダレーナさんの四人家族で醸造からマーケティングまで担当しています。

マソ・マルティス_オーナーファミリー

マソ・マルティス オーナーファミリー

マソ・マルティス_スパークリングワイン

マソ・マルティス スパークリングワイン

 

1993年にトレントDOCを取得し、今ではスパークリングワインだけでも8万本生産する規模に。標高450mの高地にあるこちらのワイナリーでは、シャンパーニュやフランチャコルタにも負けないような心地よい酸と長い余韻、そして繊細な泡立ちをもつ高品質スパークリングワインが造られています!

しかし、それにしても、みんな美男美女揃いですね! 写真が映えること映えること。私のお気に入りは、やっぱり乾杯の時のワンショット。笑顔が溢れてます。

マソ・マルティス、今後みなさまにお届けできる日が来るかもしれません!

この記事を書いた人

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カワシマハヅキ
大手ワイン輸入商社にソムリエとして7年勤務後、イタリアワイン輸入会社ヴィーノハヤシに入社。社内ではライティング・編集担当。極度の方向音痴で会社の近くでも道に迷う。

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