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スコッチウイスキー『グレン グラント 18年』の真価

「グレン グラント」の原点を味わう。

スペイサイドスコッチの名門「グレン グラント」の18年が発売された。軽やかできめ細やかな風味が評判のシングルモルトを試飲した。
グレングラントのラインアップ 

18年で、この軽やかさは驚きだ

なんて、澄んだウイスキーなのだろう。18年物なのに、まだ若いとさえ感じられる軽やかさだ。

ウイスキーの試飲で、これほど驚いたことはない。12年よりも18年の方がライトだなんて。

この日、テーブルの上には「グレン グラント」4種が用意されていた。ノンヴィンテージの「ザ メジャー リザーブ」、「10年」、「12年」、そして今年発売されたばかりの「18年」。「ザ メジャー リザーブ」から、若い順に試飲した。当然、ヴィンテージを重ねるほどに、色もコクも濃くなる。風味は豊かになり、フルーティさも増していく。

グレングラント試飲キット

テーブルに用意されたグレン グラント4種。左から「ザ メジャー リザーブ」「10年」「12年」「18年」

ところが、18年でそれが逆行する。12年よりもすっきりと飲みやすく、軽やかな味わい。色も薄い。12年の味わいが、とりわけフルーティでリッチな印象だったので、その違いが際立った。

その後、マスターディスティラーのデニス・マルコム氏によってその謎が解き明かされる。

実は、12年と18年では、熟成に使用している樽が違うという。10年や12年には、シェリー樽を混ぜているのだが、18年アメリカンオーク(バーボン樽)だけを使用したという。12年は、特にシェリー樽の比率を上げているそうで、フルーティな風味を強く感じたのはそのせいだったのだろう。

原点に回帰する味わい

デニス・マルコム氏によると、それは「原点に帰った味わい」なのだという。「グレン グラント」の創業は1840年。170年以上の歴史を持つ名門だ。当時、造られていたウイスキーにはシェリー樽は使われていなかった。つまりは、もともとの「グレン グラント」の味に最も近いのが、この18年ということになる。

ウイスキー評論家の土屋守氏も「18年熟成と思えないほどにフレッシュ」と論評していた。ウイスキー独特のスモーキーさが苦手という人でも、おそらくこれなら飲めるのではないだろうか。この飲みやすさは、食事と合わせることもできそうだと思う。

しかも「グレン グラント 18年」はフレッシュなだけではない。アロマは、淡い色から想像できないほど濃厚だ。蜂蜜、バニラ、アーモンドを思わせるリッチな甘味もある。それでいながら、飲み口は極めてスムース。この繊細できめ細やかな味わいは、ぜひとも和食と合わせてみたい。

土屋守氏とデニス・マルコム氏

ウイスキー評論家の土屋守氏(左)とグレングラント社マスター・ディスティラーのデニス・マルコム氏(右)

歴史ある名門スコッチ

 「グレン グラント」は、スコッチウイスキー史上初めて発売されたシングルモルトであり、初めてスコットランド以外で発売されたスコッチウイスキーでもある。

実は、シングルモルトとしては世界で8番目に売れているメジャーウイスキーだ。特にイタリアでの人気が高く、イタリアだけで50万箱を売り上げる。最近は、日本での人気も高くなり、2016年の販売数量は前年比153%と好調だ。

2016年10月に発行された“世界のウイスキー愛好家のバイブル”と言われる、ジム・マーレー著「ウイスキーバイブル2017」で、スコッチウイスキー部門No.1の「スコッチ・オブ・ザ・イヤー」を受賞した。今まさに注目すべきスコッチウイスキー、それが「グレン グラントなのだ。


グレングラント18年

 

グレン グラント 18年
容量:700ml
アルコール度数:43%
価格:オープン価格/参考価格15,000円(消費税別)

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