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「ワイン界のスティーブ・ジョブズ」ポール・ホブスの「ポール・ホブス・ワイナリー」

カリフォルニアのサステイナブルなワイナリー訪問その9 モダンな醸造施設とオーガニックとイノベーション

カリフォルニアに留まらず、アルゼンチンにもワイナリーをもち、チリ、ウルグアイ、ハンガリー、アルメニアなどでコンサルタント。
世界一多忙なワインメーカーの手がけるワインは、やはり一流品だった。

高価だけどリーズナブル

フォーブス誌が「ワイン界のスティーヴ・ジョブズ」と評した男。

それがポール・ホブスさん。カリフォルニアのワイン造りに数々のイノベーションをもたらした、その功績を讃えての命名である。

ロバート・モンダヴィ・ワイナリーを皮切りにワインメーカーとして活躍した彼が、自分自身のワイナリーを立ち上げたのは1991年のこと。

単一畑のブドウを用い、その土地の個性を忠実に表現したワイン造りを標榜。原則としてロシアン・リヴァー・ヴァレーやカーネロスのシャルドネとピノ・ノワール、それからナパ・ヴァレーのカベルネ・ソーヴィニヨンに特化する。

モダンな醸造施設。ポンプで圧送するとブドウが痛むため、フォークリフトやゴンドラで吊り上げ、タンクに投入する。

5人のスタッフがブドウを育てている。短梢1つあたり2つの芽を残す。

2003年に完成した最新式の醸造施設を見れば、技術に依存した醸造家のように見えるが、それは大いなる勘違いというもの。

これらの設備は伝統的なワイン造りをより正確に遂行するための補助的手段にすぎない。事実、ワインの発酵には市販の培養酵母を添加せず、自生酵母による自然発酵だし、清澄なし、無濾過で瓶詰する。

ワイナリーに隣接するキャサリン・リンゼイ・エステートをはじめ、ロシアン・リヴァー・ヴァレーに4つのブドウ畑を所有。

化学肥料は与えず、除草剤も使わない。

ウドン粉病対策にはミネラルオイルを使うのがユニークだ。オーガニックでも硫黄の散布は認められているが、硫黄は畑に集まる益虫を殺してしまうし、作業するスタッフにも有害という。

また2012年にはナパの新しいAVA(ワイン指定栽培地)クームズヴィルにブドウ畑を手にいれた。

ここは冷たい霧の影響を受ける冷涼な気候で、ブドウは時間をかけて熟す。開拓者の名に因みネイサン・クームズ・エステートと名付けられた25ヘクタールの畑から、骨格のしっかりしたカベルネ・ソーヴィニヨンが生み出される。

ポール・ホブスのワインはいずれも高価だが、その品質を鑑みればむしろリーズナブルといえよう。

アシスタントワインメーカーのジェニー・マーフィーさん。樽はフレンチオークのみ。ホブスさんはUCデイヴィス校で樽熟成を研究しただけに、樽使いは見事。品種や区画に合わせてオークを選ぶという。

 

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