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    ヤラ・ヴァレーは冷涼か?

オーストラリア ワインの旅 その9
ヤラ・ヴァレーは冷涼か?

変化するヤラ・ヴァレーのテロワール

眩しすぎる太陽と、眼下に広がるりんごの木

灼熱のヴァレー・フロア

メイヤーのワインの涼しげな佇まいに、やっぱりなんだかんだヤラヴァレーは冷涼なんだ、と思いかけたところで、その考えはみごとに覆された。

午後に訪れたヴァレー・フロアの暑さといったら、まさに灼熱だった。目を開けていられないほど眩しくつよい日ざしが降り注ぎ、日焼け対策をしなかったら皮膚ガンになってしまいそうなほどだ。

訪れたワイナリー、パント・ロードでは、ぶどうだけでなくリンゴの木を植えていて、アップルサイダーも造っていた(もうワインよりサイダーの方がいいかも)。セラードアには外で飲めるスペースもあり、ノースリーブの若者たちで賑わっていた。

ワイナリーでは、ヤラ・ヴァレーのカベルネ・ソーヴィニヨンとシラーズを6種類ずつテイスティングさせてもらった。その中には、マック・フォーブズの「フード・フレンドリー」とは真逆を行くような、熟した果実の、飲みごたえのあるものもあった。ハンター・ヴァレー、キャンベラ、ヤラ・ヴァレーと回ってきて、一番どっしりしたワインに出会ったのが、一番涼しいと思っていたヤラ・ヴァレーとは……。 

今後温暖化がもっと進んだら、カベルネなどの晩熟品種がアッパー・ヤラにうつるとして、今でも暑いヴァレー・フロアには何を植えるのだろう。ヤラ・ヴァレーは冷涼産地ではなくなるのか。今後のワイン地図の変化について考えさせられる産地訪問だった。

この記事を書いた人

水上彩
水上彩
シャンパンと日本ワインを愛するライター。ワイン愛が高じて通信業界からワイン業界に転身した。最近は、毎日着物生活をめざして「きものでワイン」の日々を送っている。ワインの国際資格WSETのDiploma取得に挑戦中。

ブログ:余韻手帖 |きものでワイン http://muse-bacchus.com/

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