国際ホテルジャーナリストによるワインの都ボルドー視察の旅。第7回は、シャトー・ディケム。

 

Château d’Yquem 〜Sauternes〜

創業は1593年。ソヴァージュ家とリュル・サリュース家が400年以上にわたって自然がもたらす奇跡をこの城で守ってきた。


ソーテルヌの盟主

偉大なる貴腐ワインの貴婦人


ソーテルヌの盟主、ディケムのシャトーはまるでお伽話に出て来るような城を彷彿とさせる。周囲を趣ある松の木々が取り囲み、一瞬日本の松林の風景とも重なる。

テロワールと、ブドウに付着する菌の作用。

この偶然ともいうべき融合を最大限に利用したものが、ソーテルヌ地区の貴腐ワインであり、その最高峰が「シャトー・ディケム」である。通常、果実に菌が付着ことは好ましくはないが、果皮を破らずに果肉の水分だけを排出し糖度を高める「貴腐「と呼ばれる効果を示すボトリティス・シネレア菌に限っては例外である。その甘く熟した貴腐果からは、蜜酒を凌ぐ至高のワインが誕生する。

約100ヘクタールのディケムの畑には、セミヨン種が約75%、ソーヴィニョン・ブラン種が約25%植えられ、約9万5千本のワインが造られる。これは1本の樹からグラス1杯程度の量という希少価値だ。

ディケムの創業は1593年。ソヴァージュ家とリュル・サリュース家が400年以上にわたってこの宝を保護し続けて来た。

1997年、シャトーは巨大なコングロマリットであるLVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトンに売却された。LVMHグループはラグジュアリーブランドの集合体で、ワイン&スピリッツ部門ではクリュッグやモエ・エ・シャンドンなどのシャンパーニュ、ワイン部門ではディケムやシュヴァル・ブランなどを傘下に収めている。

現在のシャトー代表は、シャトー・ディケム社長兼CEOのピエール・リュリュトン氏が務めている。



シャトー・ディケム、麗しの正面エントランス。

2013 Château d‘Yquem と2015 Y イグレックのテイスティング。

幾何学模様でエスプリの効いたテクニカル・ヤードに下りる螺旋階段。

シンプル&モダンなシャトー・ディケムの応接室。

周囲を趣ある松の木々が取り囲み、一瞬日本の松林の風景とも重なる。

小高い丘にあるシャトーからバルザック方面を望む。

この記事を書いた人

小原康裕
小原康裕
国際ホテルジャーナリスト

慶応義塾大学法学部法律学科卒。1974 年Munich Re 入社。

2001 年投資顧問会社原健設立、代表取締役CEO。

JHRCA、日本ホテルレストランコンサルタント協会理事。

www.jhrca.com/worldhotel

https://www.facebook.com/yasuhiro.obara.16

現在、筆者のホームページで「世界のリーディングホテル」を連載中。多くの美しい写真と興味深いコメントで、世界中のホテルとそれら関連都市を紹介。