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ジャクソン・ファミリー・ワインズ

巨大なワイン企業にして家族経営のワイナリー

ジャクソン家のワイン造りは、1982年、ジェス・ジャクソンがカリフォルニアで創設したワイナリー「ケンダル・ジャクソン」から始まった。現在、「ジャクソン・ファミリー・ワインズ」といえば、カリフォルニアのみならず、オレゴン、さらには、イタリア、フランス、チリ、オーストラリア、南アフリカと、世界に40以上のワイナリーをもつ巨大なワイン企業。

先だって、このジャクソン・ファミリーから、ジェス・ジャクソンの息子、クリストファー・ジャクソンが来日した。WINE-WHAT!?編集部は、そのときに開催された2つのイベントで、クリストファー氏の話を聞き、彼らのファミリーのワインの一部を体験させてもらったのだった。

クリストファー・ジャクソン

クリストファー・ジャクソン
ジェス・ジャクソンの息子にして末っ子。ワインとともに育ち、現在は、ファミリーのビジネスの様々な側面にかかわっている。また、法務博士の資格を取ろうとしている。もうすぐ3人目の子供が生まれるのでソワソワしている

ケンダル・ジャクソン ヴィントナーズ・リザーヴ・シャルドネ

まずはこのワインの話からしたい。「ケンダル・ジャクソン ヴィントナーズ・リザーヴ・シャルドネ」。日本でも3,000円前後で手に入るワインだけれど、ジャクソン・ファミリーの原点で、また、カリフォルニアのシャルドネを知るにあたっても、おすすめしたいワインだ。

これを生み出したのはジェス・ジャクソンという人物。サンフランシスコのベイエリアに住む弁護士で、同時に、農業を愛する人物だった。農業によって、創造的な仕事、勤勉、土への敬意、食がどう生み出されているのか、そしてアメリカの重要な産業としての農業について、子どもたちに教えようと考えていた。

1982年、ジェス・ジャクソンはカリフォルニア州、レーク・カウンティに醸造所を造り、自分の畑のブドウを自分でワインにすることを決意する。そして、この醸造所で、「ケンダル・ジャクソン ヴィントナーズ・リザーヴ・シャルドネ」が生まれた。リリースは1983年のこと。

「カリフォルニアのワインは当時、安くてそれなりのテーブルワインが主流でした。シャルドネという品種も、カリフォルニアでそこまで評価されている品種ではなかったとおもいます。カリフォルニアのシャルドネを、マロラクティック発酵や樽熟成をして、ちゃんと価値あるワインにするという考え方は、一般的ではなかったのです」

とは、その、今は亡き、ジェス・ジャクソン氏のワイン造りを継いだ、息子のクリストファー・ジャクソン氏。

1976年、かのパリテイスティングにて白ワインで最高の評価を得たのは、カリフォルニアはシャトー・モンテレーナのシャルドネだったわけだけれど、それでもまだ、きちんとしたワイン、特に、ケンダル・ジャクソンがそうであるように、ワインの知識を問わず誰もが安心して楽しめて、決して手が出ないほど高価なわけではないワインというのは、多くはなかった、ということなのだろう。

現在も、カリフォルニアの冷涼な海沿いの畑のシャルドネをアッサンブラージュして造られるヴィントナーズ・リザーヴ・シャルドネ。定番中の定番であり、アメリカで最も売れているワインのひとつでもある。

「このワインがカリフォルニアのワインを変えた。ケンダル・ジャクソンのヴィジョンが、いまやカリフォルニアのワイン造りおいて、当たり前になった。そういう自負が私達にはあります。そして責任感も。このワインは、ジャクソン・ファミリーのワインの入り口でありつづける、とても重要なワインなのです」

筆者、個人的に、これを買っておけば安心、と全幅の信頼を寄せているワインのひとつです。

「私も好きなワインです。というよりも私にとっては、母乳みたいなもの。パンみたいなものです」

クリストファー氏のたくましい体はヴィントナーズ・リザーヴ・シャルドネで出来ているのか。そのクリストファー氏に、いつからワインに関わっているのかと問えば

「生まれたときからずっと、ですよ。ブドウの樹を畑に初めて植えたのは4歳のとき。ブドウ畑で働き始めたのは12歳から。朝4時半に起きて、自転車に乗って、5マイルはなれたストーンストリートにシャルドネを見に行っていました」

ストーンストリートというのは、ジャクソン・ファミリー・ワインズが世界中にもつ畑のうちのひとつで、ソノマにある。この畑は、ジェス・ジャクソン氏が息子のクリストファーのために買い与えた畑、といってもいいのかもしれない。公式には1995年にジャクソン・ファミリーが手に入れたものだが

「ストーンストリートが私の原点です。私が父にワインのことを習った場所であり、私の子供のミドルネームにも、ストーンストリートといれているんです」

という、場所だからだ。

こちらは、ランチとともにテイスティングできたワイン。一番右がヴィントナーズ・リザーヴ・シャルドネ。

ところで、ヴィントナーズ・リザーヴもシャルドネから、ストーンストリートでクリストファー氏が最初にかかわったのも、シャルドネ。なんで、シャルドネだったのでしょう?

「父のジェスはブルゴーニュが好きだった、というのも理由のひとつかもしれません」

そして話はストーンストリートへ

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