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ワインの故郷、ブルゴーニュ その1-2

ゴワゾ ギレム エ ジャン・ユージ(Goisot Guilhem et Jean-Huges)

サン・ブリ Saint-Bris
Goisot Guilhem et Jean-Huges

ゴワゾ ギレム エ ジャン・ユージ
http://www.goisot.fr/

ギレム・ゴワゾさん

ギレム・ゴワゾさん

サン・ブリの貴公子

通常の収穫量だった場合でも、年間1万2千本程度の生産量しかないというのに、16種類ものキュヴェを造るゴワゾ。豊富なラインナップは、土地の個性、歴史を尊重するがゆえ。サン・ブリならではのソーヴィニヨン・ブラン、ソーヴィニヨン・グリのほか、ピノ・ノワールにシャルドネ、アリゴテがあり、畑の区画(リュー・ディ)ごとに、別々に仕立てているから、種類が多くなる。

ワインの造り方はシンプル。赤であればピジャージュはしない、ルモンタージュだけ。白は弱い圧力で長時間かけてゆっくりと1回だけ搾汁。バトナージュはしない。きちんと栽培されたブドウであれば、それで完璧にブドウの良さが引き出せるという考えからだ。「余計なことはしない。ワイナリーで仕事をする、というのは畑で失敗したということです」と若きギレム・ゴワゾさんは涼しげに言う。

ビオ・ディナミの認証も取っている

ビオ・ディナミの認証も取っている

多少の入れ替わりはあれども、代々受け継ぐ30ha弱の畑には、曽祖父の代に選別(マサルセレクション)した樹齢100年を超える樹から、ギレムさんが育てた若い樹までが育ち、樹齢の多様性も強み。主力となる、シャルドネとソーヴィニヨンは、暖かい土地でシャルドネを、涼しい土地でソーヴィニヨンを育てるという。

逆のイメージがあった筆者だけれど、シャブリと比べた場合、サン・ブリは暖かく、ヨンヌ川が近いことで湿度もある。ゆえに南にソーヴィニヨンを植えると、夏が暑すぎて、フェノールがうまく成長しないそうだ。

それぞれのワインには土地の個性、品種の個性が見事に反映されているのだろう、と感じる。

というのは、サン・ブリのピノ・ノワールとシャルドネは、リュー・ディごとに、明確に味が違う。ソーヴィニヨン・ブランとグリもまた然りで、モンズィというポートランディアンの畑のものは甘く可愛らしい白い花の香りが、ラ・ロンスというキンメリジャンと泥灰土のものは、ライチ、マンゴー、バラの香り、そして味にコショウのニュアンスがあるのだ。ギレムさんのスタイルなのかと問うと「このスタイルがゴワゾの伝統です」。

Kimmeridgien

これがこの地を特徴づける、牡蠣殻が見えるキンメリジャン

Portlandian

ポートランディアンは白っぽく、太古のミミズがあけた穴がある

素材の味を尊重する、という点では、現代の先進的フランス料理のようだし、クリーンで気品がある。これで現地価格は1本20ユーロを切るとは、とても信じられない。2016年は雹と霜の影響で生産量が9割減。現在は在庫が底をついている状態だそうだ。そんなことを聞くとますます欲しくなる。豊作の2018年ヴィンテージが揃うのは2020年になるだろう。

goisot wines

ワインは畑ごとに造り分けられている。これでもごく一部

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