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餃子ワインU3000円選手権〜選抜20本からベスト1を選ぶ (その2)

「WINE-WHAT!?」名物企画マリアージュ検証テイスターが再集結!!

日本人のソウルフードのひとつ、餃子と合うワインはなにか? カウントダウン餃子ワイン、アンダー3000円選抜ベスト20、11位からの発表です。

11 バルデスピノ 

イノセンテ フィノ【酒精強化】

183.4
焼92.4
水91

選者・富田の推薦コメント 
ヘレスでは数少ない樽発酵を行なっている、上品かつ旨味や複雑味たっぷり系のフィノ。産膜酵母に由来するナッツのアロマが餃子の肉汁とハーモニーとなることに期待。

●生産国/地域:スペイン/へレス
●品種:パロミノ
●希望小売価格:2,500円
●輸入元:ジャパンインポートシステム

素晴らしいバランス

富田 毎回、マリアージュ検証ではシェリーを1本提案しています。実は今回、最後まで悩んでしまいました。アモンティリャードなら絶対醤油やポン酢+焼き餃子に合うけれど、ややソフトな風味の水餃子もあることを考慮して、樽発酵のフィノを選びました。酢と醤油半々の“太田ブレンド”とか、バルサミコ酢がおすすめです。

 これは凄い! 醤油とバルサミコ酢に焼き餃子、ずっと食べ続けていたくなるような、素晴らしいバランスです。

富田 バルサミコ酢って樽を使う製法だったりするのでは? そこを考えると、「樽で長期熟成同士」のマリアージュかもしれません。このシェリーも熟成年数が10年ほどなので。

松木 このフィノは樽と熟成感が絶妙に混ざり合っていて、調味料の役割までカバーできるくらいの複雑味があるから、あえて焼き餃子のみと合わせてみたら、やっぱり美味しいです! 水餃子ならば、酸味とスパイス感がほしいので酢と黒こしょうのみがピタリと来ますね。

 これはかなり新しい感覚のマリアージュだなぁ。

太田 フィノは、温度が低い方がバランスが取れそうな気がします。

富田 現地を訪れた際、いろんなお店で提供温度を計ってみたら、2~3℃くらいが主流でした。特に餃子と合わせるときは、温と冷のコントラストがはっきりしていた方が美味しいから、しっかり冷やすといいと思います。

推奨調味料

9 E.ギガル 

タヴェル 2017【ロゼ】

184.2
焼93.6
水90.6

選者・柳の推薦コメント
フランスでは中華といえばロゼ。しかも濃いめのタヴェルが餃子向き。赤いベリーにプロヴァンスハーブのアロマ。赤と見紛う力強さとスパイシーさながら、後口はフレッシュ。

●生産国/地域:フランス/ローヌ 
●品種:グルナッシュ60%、サンソー15%、クレレット10%,、シラー 10%、その他5%
●希望小売価格:2,800円
●輸入元:ラック・コーポレーション

餃子にロゼという定説

 やっぱり中華にはロゼが合う。プロヴァンスだと肉汁の旨みに負けそうなので、力強く、スパイシーさがあるタヴェルのロゼにしました。柚子胡椒の青い唐辛子が持つピメント感に期待しています。南部ローヌっぽい熱を感じるので、焼き餃子が本命。

松木 それ、間違いないです! でも、酢醤油とラー油もいい。つまり、餃子にロゼっていう定説に偽りなしだと。ワインにしっかりコクがあるので、水餃子のときは、七味唐辛子を足すとスパイシーなロゼとのバランスが良くなる。

瀬川 おっしゃる通り。タンニンとしっかりしたアルコール感があるロゼだから、豚肉の旨みとバランスが取れた心地よいマリアージュになります。ワインにピンクペッパーみたいなスパイス感も。焼き餃子の風味とスモーキーさも合います。焼き餃子には、バルサミコ酢と醤油にラー油とか、ポン酢に豆板醤少々など、ワインのスパイシーさに合わせ、調味料で少しだけインパクトを足すといいみたいです。

太田 水餃子なら、酢醤油にラー油。焼きは、柚子胡椒の爽快な刺激を加えると、タヴェルのエレガントさが強調されます。

富田 ワイン側にボリュームがあることが大事。水餃子も焼き餃子も、バルサミコ酢のコクがよかった。そこに柚子胡椒や豆板醤が効きます。どちらも、唐辛子=ピメント感があるということが影響していると思います。

 タヴェルのロゼと餃子のパワーバランスが万全。どちらも美味しいが、やっぱり焼きのスモーキーさがあったほうが互いの風味ががアップする。

推奨調味料

9 クネ 

クネ クリアンサ 2016【赤】

184.2
焼93.8
水90.4

選者・柳の推薦コメント
直感で選んだのはリオハのクリアンサ。調和のとれた優しい果実味に、アメリカンオークの12カ月熟成に由来する、樹脂っぽくスパイシーなアフター。エレガントな飲み心地。

●生産国/地域:スペイン/リオハ・アルタ
●品種:ンプラニーリョ85%、ガルナッチャ及びマスエロ15%
●希望小売価格:1,400円
●輸入元:三国ワイン

気軽にマリアージュ

 実はこれ、家で一人飲み用として近所のスーパーで購入した経験があるワインなんです。理詰めの緻密なマリアージュでなく、気軽に楽しめることを尊重。品種がテンプラニーリョだから、甘やかなコクがあるバルサミコ酢が合うと思います。

瀬川 樽熟成から来る、甘香ばしい華やかさが焼き餃子×バルサミコ酢のまろやかさに調和します。水餃子はさっぱりしているので、味噌だれの甘味と深みを足したい。そうすれば、餃子の、ぽってりした皮の感じともぴったり。

松木 やっぱり味噌ですよ、名古屋人の心の味(笑)! このワインはタンニンがしっかりしているため、口中が乾いて水分が欲しくなる。唾液腺を刺激するような、バルサミコ酢が必須。もしくは、甜面醤などもいいかもしれません。

 またしても、松木さんの過剰な味噌愛が炸裂……(笑)。

富田 ピメント要素とはいえ、ワインに青みがないので柚子胡椒は違います。焼きはバルサミックにはバルサミコのルールもいいし、水餃子なら太田ブレントにバルサミコ酢、味噌だれを少々だと、スモーキーさが生かせます。

太田 どれだけ調味料のブレンド、複雑なんですか! もはや、たれミクソロジスト(笑)。バルサミコ酢だとワインの樽香と焼き目の香ばしさが絶妙なうえ、ジューシーさも生きる。

 本当に、バルサミックとバルサミコ酢は定説に認定したい! 古いアメリカンオーク熟成の赤ワインは、バルサミコ酢を用意したら間違いない。

推奨調味料

8 アーラー 

アーラー ソーヴィニヨン・ブラン 2018【白】

185.4
焼91.6
水93.8

選者・松木の推薦コメント 
熟したリンゴ、アプリコット、アカシアの花、フレッシュアーモンドと白こしょうの香り。品種由来の伸びやかな酸味と濡れた石のような凛としたミネラル感が奥行きを与えている。

●生産国/地域:ニュージーランド/ワイララパ
●品種:ソーヴィニヨン・ブラン100%
●希望小売価格:2,800円
●輸入元:西酒販

“味噌柑橘”がこれから来る

 品種はソーヴィニヨン・ブラン。これはニラやネギなど、ハーブっぽい具材との調和を狙ったセレクトのようですね?

松木 はい、具体的には、海老とニラの餃子をイメージしていました。熟成に樽を使っているから、焼き餃子の香ばしさにも合うかと思って。

 余韻に伸びる、塩味交じりのミネラルが特徴的です。

松木 これぞニュージーランドのソーヴィニヨン・ブランというテイストではなく、どこかボルドー白のような芳醇さがあります。

富田 かすかな樽香とワインのまろやかさ。これは焼き餃子×味噌だれが合います!

太田 確かに、一見するとワインと味噌が対極にあるようだけど、咀嚼するごとにリズムが生まれるような楽しい組み合わせ。

 水餃子とポン酢もなかなかいい。餃子の肉々しさにワインが負けるかと思いきや、しっかり受け止めてくれている。

松木 パリのレストランなどでは、味噌に柑橘のフレーバーをつけたりしていますから、両方のご意見に納得です。“味噌柑橘”って、これから来ると思うんですよ。

富田 そういうトレンドがあるとは……勉強になります!

瀬川 この餃子は豚肉がメインですが、ワインを合わせると野菜っぽい青みが補われるので、トータルでの完成度が上がっている気がします。私の個人的な意見かもしれないですけれど。餡にパクチーを加えた餃子なども絶対美味しい!

7 ドメーヌ レ・グベール 

ジゴンダス 2015【赤】

185.6
焼94.6
水91

選者・太田の推薦コメント 
ダークチェリーやブラックベリーなどの果実香。ナツメグ、クローブの甘いスパイスにタイムのアロマ。柔らかく豊満、タンニンが滑らかに溶け込み、果実味の広がりを支える。

●生産国/地域:フランス/コード・デュ・ローヌ
●品種:グルナッシュ、シラー、ムールヴェードル、クレレット、サンソー
●希望小売価格:2,960円
●輸入元:横浜君嶋屋

豆板醤、すごく合います

太田 以前、WINE‒WHAT!?の「焼き鳥マリアージュ検証」の際にも、つくねと合わせてジゴンダスを提案しました。素材が挽肉ですから、ここでも勝算がある。ワインが持つドライハーブのようなアロマが、料理に異国感を与えてくれます。南ローヌでも標高が高いエリアなので、凝縮感はあってもエレガント。これは焼き餃子がよさそう。オススメは柚子胡椒もしくは豆板醤ですね。

富田 豆板醤、すごく合います!

松木 豊かな果実味とアルコールから来るグリセリンの甘味が相まって、強めの調味料が合う組み合わせです。

富田 ワインに、甘味だけじゃなくてスパイスのニュアンスがある。だから豆板醤なんですね。

 いっぽうで、酢醤油すなわち太田ブレンドだと、ワインのタニックな印象が際立ってしまって、ちょっと厳しいかもしれない。

太田 おっと、意外なところに無敵だったはずの太田ブレンドの落とし穴が?(笑)。

瀬川 でも、太田ブレンドに黒こしょうを加えれば、シラーのスパイス感とうまく寄り添ってくれていいですよ。個人的に、味噌だれのコクと焼き餃子の香ばしさの調和も好きですね。

富田 この組み合わせって、ワインのスパイス感をどう生かすかなので、味噌だれが力を発揮しているように思いました。

 そう、そこをどう補うかがミソ! 凝縮した果実の甘味には、味噌フレーバーが有効だということがわかりました

推奨調味料

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