イタリア・ペアリングヴェネト州のアマローネのトップの造り手「マァジ」と、東京・目黒の名店「天婦羅 みやしろ」が出会ったことから生まれた、イタリアワインと和食のペアリング。赤もいけます。

マァジ社の中庭にセッティングされた、コの字を描く白い長テーブル。

中央の特設キッチンでは、天ぶら職人が日本の文化と魂を食材に宿らせる。

完成した料理がマァジのワインとともにイタリア人ゲストのテーブルに届けられると、驚きと笑顔が満ちあふれた。

屋外で繰り広げられた夢のディナーは、ワインと料理の新たなペアリングの扉を開いたのだった。

「天婦羅 みやしろ」との初遭遇から半年後

東京・目黒の名店「天婦羅 みやしろ」とマァジとの初遭遇は、2019年2月。ヴェネト州に拠点を構えるワイナリー、マァジ社のワインを和食と合わせる試みが「みやしろ」で行われたのだ。

美食を通して深い絆を確立したマァジと「みやしろ」それぞれのメンバーが、なんと半年後にマァジのワイナリーにて再集結と相成った。

マァジと言えば、代表的なワインがアマローネ。

地元に代々伝わる技法「アパッシメント(陰干し)」で凝縮感がもたらされたブドウを用いるアマローネは、濃厚な味わいが特徴的である。

マァジはアマローネの造り手としてトップに君臨し、近年はそのノウハウを白やロゼ、スパークリングに転用。アパッシメントのおかげで、マァジのワインはどれも味わいに奥行きがあり、余韻も長い。

またミネラルを豊富に含んでいるため、和食の世界で繊細なエッジを効かせてくれるのだ。

さて、「みやしろ」店主の宮代直亮さんをはじめとする料理人、また日本とイタリア双方の食とワインに精通するソムリエの永瀬喜洋さんが、揃ってイタリアのヴェネトへ赴いたのは8月下旬。

「みやしろ」の若手スタッフ、岡野雄至さんもマァジで腕を振るった料理人のひとりだ。

岡野さん曰く「マァジの方々は、自分たちのワインに誇りを持っていますね。日本から来た私たちに、畑の土壌にいたるまでワイン造りを熱く語ってくれたのです。おかげで私たちも、もっと料理をワインに合わせていこうという気持ちが強くなりました」。

海と山に恵まれたヴェネトは魚介類も野菜も豊富。サーモンだけでなく牡蠣、ひらめ、たこなど日本で馴染みのある食材がふんだんに入手できるエリアだけに、この地で造られるワインもまた和食と親和性が高い。

ゲストたちの度肝を抜いたかき揚げ丼のタレ

とはいえ、日本の味をそのまま再現するだけでは面白くない。

目黒の店で提供している食材に加え、現地でしか入手できない食材を前に思いついた一品が、野性のきのこを生ハムで巻いたもの。天ぷらにしたところ、マァジの赤ワインがドンピシャにマッチしたという。

加えて、シメの料理でもまたゲストたちの度肝を抜いた。というのも、スタッフがかき揚げ丼の上で傾けたのは、マァジのデザートワインのボトル。「かき揚げ丼のタレには、みりんの代わりにデザートワインを使用しては?」とひらめいた宮代さんたちが、急遽レシピをアレンジ。ワイン入りのタレをボトルに詰め直して小どんぶりに注ぐという憎いパフォーマンスで、ディナーは大いに盛り上がった。

宮代さんたちは日本へ戻った後、姉妹店と経験を共有。各店舗のメニューやワイン提供のアイデアに刺激を与えている。

「みやしろ」と同じビル内にある「吉次蟹蔵」では、蟹鍋のスープをあますことなく味わえる雑炊とスパークリング「モクセ」のペアリングをスタッフが発見。サービスを担う有島明朗さん曰く、「バターと味噌の入った毛ガニ鍋は、まずマァジのロゼと。最後、鍋にご飯を入れると、旨味が煮詰まり濃厚な雑炊になります。マァジのスパークリングと合わせると、後味がスッキリ。最高の満足感に満たされますよ」。

当の「みやしろ」でも、よりイタリアワインの存在感が強まった。今までは客が白ワインばかりオーダーする傾向にあったが、赤ワインを自由に楽しむヴェネトの人々とスタッフが触れ合ったことで、今後は赤ワ インと天ぷらのペアリングにも積極的に取り組めるという。

イタリアワインと和食はごく自然に合わせられるもので、けして特別ではない。その事実を、マァジでの特別な一夜が教えてくれた。



[問い合わせ]日欧商事 tel.0120-200105 www.jetlc.co.jp

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WINE-WHAT!? 編集部
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