AVAとしてはあたらしく、ワイン産地としては長い伝統をほこる。カリフォルニアはナパ・ヴァレーのワイナリー「シルヴァラード・ヴィンヤーズ」のラス・ワイス総支配人が来日し、みずからのワイナリーの、そして2011年にAVAとなった「クームズヴィル」のワイン造りの背景を語った。

シルヴァラード・ヴィンヤーズのラス・ワイス総支配人

ウオルト・ディズニーの娘がはじめたワイナリー

2011年にAVA(アメリカ政府承認ブドウ栽培地域)となった「クームズヴィル」は、ナパ・ヴァレーの小さな生産地だ。このクームズヴィルのAVA取得に中心的な役割をはたしたワイナリー「シルヴァラード・ヴィンヤーズ」はウオルト・ディズニーの娘、ダイアン・ディズニー・ミラーと、その夫、ロン・ミラーによって1976年に設立された。

このワイナリー誕生のきっかけは、ダイアンが、16歳の誕生日に両親につれていってもらったパリの、とあるカフェで知り、魅了された「ブドウからできているのに、イチゴのかおりがする飲み物」ロゼワインにあるという。その出会いから実に半世紀後、ダイアンはワイン造りの夢を実現した。

彼女が最初にブドウ栽培をはじめたのは、ナパ南東部にある、スタッグス・リープ・ディストリクトの畑。この地は、ロン夫妻が1989年から90年にこの地でワイン造りをはじめたころ、すでにブドウの名産地だった。なにしろ、このスタッグス・リープ・ディストリクトは、1976年のパリティスティングで1位になった「スタッグス・リープ・ワイン・セラーズ」のカベルネ・ソーヴィニヨンで世界的に知られているからだ。

このカベルネ、「スタッグス・リープ・ワイン・セラーズ」の創始者、ウォレン・ウィニアルスキが、干ばつで同地のブドウが大打撃をうけたとき、一画だけ干ばつに耐え、元気に茂る畑を発見し、その樹をわけてもらって、自分の畑で育てたカベルネから造られたワインだという。接ぎ木により代を重ねるうちに、いつしか、独特の特性を獲得していたのだ。

そして、この干ばつに耐えた畑、現在は「シルヴァラード・ヴィンヤーズ」が所有している。

この畑のカベルネ100%のワイン、「SOLO」もラインナップしている「シルヴァラード・ヴィンヤーズ」だけれど、その話は後述するとして、「シルヴァラード・ヴィンヤーズ」があらたに注目したのが、新AVA、おなじくナパは、「クームズヴィル」。マウント・ジョージという山の周辺だ。このマウント・ジョージはナパ・ヴァレーではもっとも古い、1868年からのブドウ造りの伝統をほこる。

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スタッグス・リープ・ディストリクトにある、シルヴァラード・ヴィンヤーズのワイナリー

しかし、ワイナリーはすくなかった。理由はこの土地では地下水がほとんど採取できないことにある。ワイナリーには大量の水が要る。

ワイン用ブドウの産地としては、独特かつ、優良な土地がらのクームズヴィル。東側にあるマウント・ジョージのおかげで、冷涼で、日没前には西日で大地があたためられるために寒くなりすぎない。土は、かつては火山だったマウント・ジョージの影響で、岩と、軽石のようなもろい石をおおくふくみ、この軽石のような石のこまかなくぼみ・気泡に、11月から3月の雨季にふる雨水がたまる。ブドウはこの水をつかって育つ。複数のブドウ畑をもつシルヴァラード・ヴィンヤーズでは、山の斜面の高低差を利用して、同地を代表するメルローのほか、カベルネ、プティ・ヴェルドーを育てる。

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ワイナリーの正面テラスからの眺め。絶景。

スタッグス・リープ・ディストリクトの伝説が1970年代にあるなら、マウント・ジョージのワイナリーのそれは19世紀にさかのぼる。ヘンリー・ヘイガンというワイン造りの名人のワイナリー、「シーダーノル」のワインは、1889年のパリ万博にてワインコークール2位の栄冠にかがやいているのだ。

ラス・ワイスはいう。カリフォルニアのワインにヴィンテージによる味のちがい、熟成による変化がないと考えるのは、ことクームズヴィルのワインについては正しい理解ではない、と。

土壌、気候、歴史。いずれにおいても独自性をもつ、シルヴァラード・ヴィンヤーズのワインのうちから以下に2つを、紹介しよう。

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WINE-WHAT!? 編集部
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