5月8日、表参道ヒルズに注目のイタリアンレストランがオープンする。シドニーで、食通たちから「ここに行けば間違いない」と言われている「フラテリパラディソ」だ。このお店は、16年前のオープン時からナチュラルワインにこだわり、シドニーにナチュラルワインの美味しさを広げた店としても知られている。もちろん、日本の店もナチュラルワインにこだわる。4月26日に行われた、プレス向けのウェルカムランチに参加してきた。

ナチュラルワインにかける熱い思い

「フラテリパラディソ」は、2001年、オーストラリア・シドニーのポッツポイントで、エンリコとジョバンニのパラディソ兄弟、そしてマルコ アンブロジーノの3人が、オープンしたイタリアンダイニングだ。それ以前、ポッツポイントには、夜オープンしているレストランはなかったそうだ。しかし、「フラテリパラディソ」は評判を呼び、多くの食通たちの舌をとりこにした。今では、ポッツポイントは、有名なレストランが立ち並ぶグルメの街になっている。「フラテリパラディソ」は、開拓者でもあったのだ。

フラテリパラディソのスローガン
 

「フラテリパラディソ」にはスローガンがある。店舗の外にも大きく書かれている「LOTTA CONTINUA」という言葉だ。これは、1960〜70年代のイタリアで、自由と権利を求める社会的な政治活動があった際のスローガンで、Never give upという意味。

その根源にあるのは、ワイン醸造家たちへの熱烈な支持だと言う。16年前に「フラデリパラディソ」がシドニーでオープンしたときは、オーストラリアでナチュラルワインは、まだ受け入れられてなかった。品質が安定していなかったこともあり、変わった味と言われ、あまり好まれなかったのだそうだ。

しかし、彼らは、そんなナチュラルワインに未来を感じ、苦労を承知でポリシーを貫き続けるワイン醸造家たちを応援し続けた。その熱い思いが「LOTTA CONTINUA」というスローガンには込められている。

そして、今では、個性的で高品質なナチュラルワインがたくさんある。シドニーのみならず、世界中で人気の的だ。そのトレンドに「フラデリパラディソ」の存在が、大きく貢献したことは間違いない。

ダイニングエリア

フラテリパラディソ表参道のダイニングエリア。ダイニングエリアとワインバーエリア合わせて140席

だから、「フラテリパラディソ」はワイン醸造家たちからの信頼も厚い。日本出店にも、多くのワイン醸造家たちが協力してくれた。少量生産ゆえに、なかなか手に入らない貴重なブランドワインや、日本未輸入のワインなども揃っている。ここ以外では飲めない、というワインもある。これは、ナチュラルワインファンならずとも見逃せない。多くの人に、ナチュラルワインを飲んで欲しいと、3人のオーナーは語る。ワインを通してワイン醸造家たちの熱い気持ちを味わっていただきたいと。

ワインバーエリア

ワインバーエリア

 
ワインセラー

壁一面のワインセラー

 

感動のマリアージュ

ウェルカムランチでは、3種のナチュラルワインとデザートも入れて5種の料理が出た。

プロシュートモッツァレラ
 

一品目は、プロシュート&モッツァレラ。プロシュートとモッツァレラチーズを一緒に食べる。塩気はしっかりとあるがさっぱりと爽やかな印象。モッツァレラとの相性は抜群。バージンオリーブオイルをかけて食べると、コクが深くなる。用意されていたオリーブオイルが、驚くほど軽やかで美味しかったことも付け加えておきたい。

 

合わせたワインは、イタリア・トレンティーノの自然派、ビオディナミの先駆者としても知られる「フォラドリ」のマンツォーニ・ビアンコ フォンタナサンタ。マンツォーニ・ビアンコはぶどうの品種。リースリングとピノ・ブランの交配種だ。一般的にはブレンド用に使われることが多いのだが、フォラドリでは土地の個性を出すために、あえて100%マンツォーニ ビアンコで造っているという。

 
白ワイン

上品なすっきりした味わい。やわらかな果実味と繊細なミネラルのバランスがいい。

ボッタルガクリームプレッツェル
 

2品目は、ボッタルガクリーム プレッツェル。パンのようにやわらかいプレッツェルを、自慢のボッタルガクリームにつけて食べる。ボッタルガはボラやマグロの卵巣を塩漬け・乾燥させたもの。つまりは、カラスミだ。カラスミを混ぜて作った生クリームに窪みを作り、そこに燻製オイルを流し込んだ形でサーブされる。

プレッツェルでそれを崩しながら、つけて食べると感動のうまさだ。シドニーのワインバー「10 Wikkiam Street(フラテリパラディソの姉妹店)」の看板メニューだという。クリームにも燻製オイルが混ぜてあるそうで、口に入れると強い薫香を感じる。これがワインとよく合う。マンツォーニ・ビアンコの程よい酸味が、濃厚なクリームをすっきりと食べさせてくれる。

パスタスカンピ
 

次に登場したのは、パスタスカンピ。フラテリパラディソの代表的なメニュー。この店は、すべて手打ちの生パスタを使う。小麦粉をこね、伸ばし、といった作業を店内のお客様が見える場所で行う。その場所は、夜はバーカウンターに変わるそうだが、ランチタイムはその作業を見ながら、パスタを食べることができる。

新鮮なスカンピに合わせたモチモチ食感のパスタは全粒粉のロングパスタ。

ここで2本目のワインが登場。La Chioccia Vino Biancoは日本未輸入のオレンジワイン。オレンジワインとは、白ブドウを原料に、赤ワインの製法を用いて造られたワイン。作り手は有機農法で知られるラ ジネストラだ。清涼感のある爽やかなワイン。しかし、オレンジワインらしいコクも感じられる。スカンピとよく合う。

 
オレンジワイン
 
ドライエイジングビーフ
 

メインは、ドライエイジングビーフ。ローストビーフのように、まわりに焼き目をつけて中はレアに仕上げている。

ローストビーフとの違いは厚さ。分厚い。肉の旨味が強くしっかりとした噛み心地。これは、ワインと合わないわけがない。

 

ビーフに合わせたワインは、ヴィッラ・パーチナ。循環型の有機農法を実践し、ナチュラルワインを作っていたパーチナは、もともとはキャンティを名乗っていたのだが、ある時、遊離亜硫酸塩(酸化防止剤)の量が少ないという理由で、キャンティの官能検査に落とされてしまったという。

 
赤ワイン
 

しかし、たかがDOCGを取るためだけに酸化防止剤など入れられるか!!と、キャンティの名を捨てて官能検査を受けずにリリースしたという曰く付きのワインだ。タンニンのしっかりした力強い赤ワイン。ビーフの脂分をすっきりと洗い流してくれる。

ティラミス

デザートはティラミス。古くから愛されている古典レシピを再現したフラテリパラディソの人気メニューだそうだ。

料理もワインと同じように素材の味をいかにストレートに出すかを考えられて調理されていると感じた。シンプルだが、手間をかけ、添加物などを使わず、すべてを手作りしている。

料理に添えられたパンも自家製。パスタ同様、店内でパン生地を伸ばしている様子などを見ることができる。

生パスタの手作り

生パスタを手打ちしている様子が見られる

 
手作りパン

パスタの隣で、パンも手作り

グランドオープンは5月8日(月)だが、4月29日からプレオープンをするという。プレオープン期間はコースメニューのみの営業。ランチは1,800円、2,800円、4,500円の3つのコースから選べる。ディナーは、5,000円のコースのみ。本日ご紹介したプロシュートやパスタ(パスタスカンピはプラス600円)、ドライエイジングビーフなどが食べられる。ゴールデンウィークに、訪れてみてはいかがだろう。

Fratelli Paradiso(フラテリパラディソ)
東京都渋谷区神宮前4-12-10 表参道ヒルズ3F
03-3408-0800(予約は4月29日より受付)
月〜土:11:30〜23:00
日:11:00〜22:30
URL:http://fratelliparadiso.im-transit.co.jp

この記事を書いた人

WINE-WHAT!? 編集部
WINE-WHAT!? 編集部
メリー・クリスマス&ハッピー・ニュー・イヤーん!
2018年1月号(通巻20号)12月5日発売です!
特集は、石田博ソムリエと柳忠之さんによる「ヴィンテージ・シャンパーニュ27本テイスティング」と、柳忠之さんを座長とする「ワインと寿司のマリアージュ徹底検証」の2本立て!
岩瀬大二さんの「チリ紀行」にも注目。チリも積もればカベルネ・ソーヴィニヨンだけじゃない!
表紙はアニソンの女王・水樹奈々さんです。
ワインがスッキ、スッキ、スッキ、スッキ、ワインがスッキ、スッキ! 
へ、編集長、なんの替え歌だか若い人にはわからないです〜。