ソムリエ、石田博氏にペアリングの極意を伝授していただくコーナー。料理との相性を楽しむペアリングはワインの醍醐味。家庭でもその日の献立に合わせてペアリングを楽しみたいと考えるワイン好きは多いと思う。でも、そんな時に、どう選べばいいのか悩んでしまうと言う人も多いのではないだろうか。石田氏の目の付け所や発想法をオンライン体験していただき、参考にしていただければと思う。言ってみれば初心者のための、ペアリング事始めシリーズ、第三回目のはじまり。
(石田博流 ワイン ペアリングのすすめ 第一回はこちら)
(石田博流 ワイン ペアリングのすすめ 第二回はこちら)

ペアリングの鉄則は「主素材を活かす」こと

マグロと生ハム
 

レストラン ローブの料理は、いつも目を楽しませてくれる。この料理もその一つ。マグロの素材を全面に活かしているのに見た目はサラダ。チュール(クリスピーに仕上げたチューブ状のガレット)のせいで、マグロは控えめに見える程度だが、食べてみると、口中に広がるのはマグロの味わいだ。

ペアリングの鉄則は「主素材を活かす」こと。だから「マグロのもつ鉄分ぽさ、酸味との相性」がワイン選びのポイントになると石田氏は言う。

「マグロは白ワインと合わせるのはなかなか難しい。乳酸が必要なので、MLF(マロラクティック発酵)を行うシャルドネが一番よいのだが、木樽の香りは控えめなものがよい。本マグロとなると、赤ワインのほうが圧倒的にいいです。以前ソムリエ協会の企画で行った検証でも渋みがなめらかになったボルドーとよい結果を出していました」
と語りながら、石田氏が出してきたワインは、イタリア・ピエモンテ州の赤ワイン。

たどり着いたのがヴァレイジというワイン

「料理のフレッシュ感を考慮して、落ち着いたワインよりは、生き生きとした味わいの赤ワインを合わせたいと思い、果実香主体でありつつ、酸味は尖らず、タンニンの少ないワインがよいということで、ブラケットというピエモンテの土着品種が浮かびました。

この品種はイチゴや牡丹など華やかな香りが特徴で、『ブラケット・ダックィ』という、微発泡の甘口赤ワインで知られています。早速合わせてみると、とてもよく合うのですが、やはり甘さがどこか違和感。

ブラケットを使った辛口ワインということでたどり着いたのが、このヴァレイジというワインです。バルベーラがブレンドされているのも好都合でした」

 
ヴァレイジ、ヒルバーグ・パスケロ

イタリアワインを選んだのには、他にも理由がある。マグロに塗られた生ハムのクリームだ。生ハムというイタリアらしい食材がこの料理の風味に重要な役割を果たしている。

そして、唐辛子のシャーベット。食材のフレッシュ感が前面に出ながらも、風味の奥行き、メリハリのきいた、楽しみどころに満ちた料理に合わせるには、イタリアワインがいい。イタリアは土着品種の宝庫で、香りゆたかで、芳醇ながら、渋みが優しいワインが豊富にある。ピッツアやパスタを楽しむ食文化ならではなのかもしれない。


石田博氏
 

石田博プロフィール

合同会社Soupless代表、レストランローブ ソムリエ、社団法人日本ソムリエ協会 副会長。
1969年生まれ。数々の国内ソムリエコンクールを優勝。2000年には、第10回世界最優秀ソムリエコンクール第3位。2011年 厚生労働省 現代の名工、2014年11月 内閣府 黄綬褒章受章。同年 第7回全日本最優秀ソムリエコンクール優勝。2015年アジア・オセアニア 最優秀ソムリエコンクール優勝。2016年第15回世界最優秀ソムリエコンクール セミファイナリスト。


RESTAURANT L’aube
レストラン ローブ

東京都港区東麻布1-17-9 アネックス東麻布2F
TEL 03-6441-2862
contact@laube.tokyo
http://www.restaurant-laube.com/


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WINE-WHAT!? 編集部
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へ、編集長、なんの替え歌だか若い人にはわからないです〜。