ニッポンのソウルフードとワインが出あうとき、予想とは異なるケミストリーに戸惑う6人の審査委員たち。
関西お好み焼と広島お好み焼×オタフクソース3種×5部門のワインとの奮闘はまだまだつづく。
後編では、第4試合「スパークリング赤」編、第5試合「赤ワイン編」と、全試合終了後の総評をお届けする。



前編はこちら

構成:木村千夏/WINE-WHAT!?
写真:阿部昌也(トビラ)/古川章 
取材・撮影協力:オタフクソース株式会社

 
 

第4試合 スパークリング赤
黒ブドウの骨格×爽快感の合わせ技は通用するのか?

 たっぷりしたソースのコクや旨み、スパイス感を考慮すれば、黒ブドウの太い果実味と泡の刺激を併せ持つ赤スパークリングも期待値が高いカテゴリーです。


髙橋 お好み焼と合わせるときに、タンニンが必要かどうかも探ってみたいところですね。


 では「スパークリング レッドキュヴェ」からスタートしましょう。こちらは、オーストラリアのワインですね。


髙橋 余談なんですが、ワインの修業でオーストラリアに滞在していたころ、よくお好み焼を作ってホストファミリーにふるまっていたんです。本当に皆さん喜んでくれて、毎回大絶賛でアンコールの嵐だったんですよ。


ひぐち君 へぇ! 日本人でも嫌いな人はめったにいないけれど、甘辛なソースの親しみやすい味わいは海外でも好かれるんですね。材料はどうしていたんですか?


髙橋 具材は現地調達。でも、ソースだけは絶対外せないのでオタフクを持参していました。今でも自宅に常備しています。


ひぐち君 やはり本場関西の人だけに、そこは譲れないんですね! で、これって合わせた瞬間はソースと果実味の「甘×甘」でクドいかなと思いきや、終盤でシュッと泡の刺激が効いてきます。ワインの味わいに強さがあるので、「コクと旨みのお好みソース」がいいですね。


太田 タンニンにしっかりした存在感があって、なかなか硬派なワインですね。ポテンシャルも高いと思います。確かにこれならソースの風味に負けない。ただ、もう少し軽やかさがあると、互いが自己完結ではなく自然に寄り添う感じが出るんじゃないかなぁ。


髙橋 これは好みの問題。まったり濃厚テイスト好きならいいかもしれない。

太田 激マヨラーとか?

ひぐち君 本来広島お好み焼にはマヨネーズって必要ないんですよね? これが習慣なのか、ついマヨ足ししちゃうんですよ。だからハマったのかもしれない。志を同じくするマヨラー仲間なら積極的にオススメしたいです(笑)。


 次はイタリアの微発泡「ランブルスコ グラスパロッサ アマービレ」です。関西お好み焼と「お好み焼たべたい!お好みソース」のコンビでどうでしょう。



髙橋 さわやかな酸味があるために軽やかに食べ進められる。これは抜群においしくて心地よい組み合わせですね!

 さらにもう一口食べたいっていう気になるね。ワインにシードルっぽいニュアンスがあるのがマッチングのキーになっている。


松本 確かに、これはソースとぴったりきます。そのシードルっぽさが原材料のデーツやリンゴの甘味とうまく共鳴してくれているということなんですね。


髙橋 互いのフルーツ感同士がリンクするところがポイント。結局タンニンより果実味の方が大事なんですね。出汁の旨み主体の関西お好み焼チョイスで正解です。

土田 ソースべったりな感じで食べるといいですね。


松本 お好み焼1枚につき、約60gのソースが基本なんですよ。


 それってけっこうな量ですね。だから広島出身者の血液は……。


土田 はい、血管にオタフクソースが流れているんです(笑)。


髙橋 人生、関西お好み焼一筋なので、広島お好み焼ってどうも食べ方がわからないんですよね(笑)。生地が厚いから、つい分解してしまう。焼そば麺エリアやキャベツの層、そのほかの具材など、食べるところによってテイストが違う。

ひぐち君 ソースのかかっている上部から順に、赤→ロゼ→白→泡で合わせていくといいんじゃないですか?

太田 縦の断層一口食べるのに、4種類のグラスを並べる連続ルネッサ〜ンス……。マリアージュ論としてはわかるけど、かなり不思議な光景ですよね(笑)。

 基本的に、赤泡とお好み焼は可能性のある組み合わせ。ただし、甘さや重さが重なると、グラスも箸も進まなくなる。強さ同士を合わせる発想よりも、抜け感を出すことを狙った方がいいね。ワインにフルーツのフレーバーと、ほどよい軽やかさがあればルネッサ〜ンス認定!



結果発表 スパーリング赤のベストマッチは?



関西お好み焼

お好み焼たべたい!お好みソース

お好みソース


「スパークリング(赤)」には「関西お好み焼」×「お好み焼たべたい!お好みソース」が一番人気の結果だが、「お好みソース」もOK。ソースの原料であるデーツやリンゴなどの甘味と心地よく調和し、お好み焼をより軽やかに食べ進めるには、ワイン側に生き生きしたフルーツ感と爽やかな酸味があることがマストだ。いっぽう、一見するとスパイス感や力強い風味でマッチしそうな果実味とタンニンもパワフルで濃厚なワインは、重さが重なってしまい、ソースには合わせにくい。



●生産国/地域:オーストラリア/南オーストラリア州
●希望小売価格:1,680円

輸入元:ファームストン
製造元:スリー・ピラーズ
スパークリング レッドキュヴェ

2010年、南オーストラリア州ラングホーンクリークに誕生した新進ワイナリー。アデレード大学で醸造学を学んだピーター・ポラードがワインメーカーを務める。ブラックベリーになめし皮の香り、しっかりしたタンニンとほのかな熟成感を持つ。味わいに強さがあるため、広島お好み焼の凝縮感のあるソースと合わせても負けないところがポイント。濃いタイプ同士の組み合わせながら、アフターで泡の刺激がすっと重さを消してくれる。



輸入元:飯田
製造元:カビッキオーリ
ランブルスコ グラスパロッサ アマービレ

イタリアのワイン評価本「ガンベロロッソ誌」で「ランブルスコ生産者の一つの指針となる」と高評価を得る人気ワイナリー。ジューシーな果実の甘味と程よいボリュームにフレッシュな酸。香りと味わいにシードルを思わせるニュアンスがあるため、ソースの原材料であるリンゴやデーツの甘味ときれいにリンクする。果実の旨みはたっぷりながら、さわやかな酸味で食後感はすっきり。お好み焼もワインも心地よく進む組み合わせ。

●生産国/地域:イタリア/エミリア ロマーニャ
●品種:ランブルスコ グラスパロッサ
●希望小売価格:1,300円

この記事を書いた人

WINE-WHAT!? 編集部
WINE-WHAT!? 編集部
2017年11月号(通巻19号)ただいま発売中!
巻頭特集は、お好み焼に合うワインを徹底研究。4人の料理人による創作お好み焼にタベアルキストのマッキー牧元さんも唸りっぱなし。
柳 忠之さんの「新オーストラリアワイン紀行」、11月16日解禁「ボジョレー・ヌーヴォー」にも注目!
表紙の美女は女優・飛鳥凛さんです。もうお腹いっぱいだけど、おかわりしちゃおうかな〜。すいません、もう1冊ください!