ニッポンのソウルフード、お好み焼と、ワインとのペアリング進化をますますうながし、さらに大きく発展させるべく、第1回「ワインにピッタンコの創作お好み焼王グランプリ」をWINE-WHAT!?が開催しました。
参加者は、WINE-WHAT!?が選抜したフレンチ、中華、イタリアン、フュージョンの注目店4店の才気あふれるシェフたち。
しばりは、「オタフクお好みソース」を使うことと、見た目が「お好み焼」っぽいオリジナル料理であること、のふたつ。
4番勝負の審査員をつとめるのは、タベアルキスト、われらがマッキー牧元さん。
マッキーさんとともに、ワインにピッタンコの新作お好み焼タベアルキにゴー!

取材・文:マッキー牧元 レシピ:編集部 写真:古川 章/村川荘兵衛(cenci)

1番 フレンチ 「Le Lion」〜腸詰めに包まれたお好み焼〜

東京・恵比寿のビストロ「Le Lion」のオーナーの須田任さん(左)と、シェフの宮原寛典さん(右)。真ん中はマッキー牧元さん。



簡単レシピ
1.大腸・小腸・ガツをミンチ状にする。ひき肉を代用することもOK。
2.腸詰めに流し込み、焼き上げる。
3.キャベツを軽く炒め、その上に焼いた腸詰めをおく。
4.マスタードを塗り、オタフクお好みソースをかける。
5.パセリとパン粉を入り、青のり風に振りかけて完成。



パリの下町と広島の下町が出会った味

おおっ、こう来ましたか。アンドゥイエット(注)にオタフクソースとは、モツ好き心をくすぐってくれるではありませんか。

堂々たる体躯のソーセージは、ソースをたっぷりと受け止め、マスタードの香草パン粉を頂いて、「さあ食べろ」と、誘う。食いしん坊度合いを試されているかのような、お姿でもある。

食べれば、ソースの味や香りが先に来て、後から内臓の香りが控えめに追いかける。それがこのソーセージ好きにはたまらない。

いっぽうモツは苦手な方は、ソースの味に緩和されて、あれ? これなら食べられるとなるはずである。これはお好みソースと豚の内臓、両者に包容力があるからだろう。

ソーセージを崩して、付け合わせのキャベツと食べれば、途端にお好み焼感の哀愁が訪れて、ニヤリとする。クレソンも、その苦味の刺激が、いいアクセントになっている。

さあワインを飲もう。ソーセージと赤ワインを飲めば、モンマルトル辺りの路地に帳が降りる。次にキャベツを合わせて食べ、すかさず飲めば、今度は広島は八丁堀の賑わいが思い浮かぶ。という具合に、表情が変わるのが面白い。

つまりこれは、パリの下町と広島の下町が出会った味なのである。そこにはなにか、庶民のしぶとさと人情が渦巻いていて、いっそう赤ワインをグビグビと飲ませるのであった。

注:アンドゥイエット (andouillette)
豚の腸に豚の腸や胃、喉肉、バラ肉などを詰めたもの。大腸に詰めた太いのが「アンドゥイユ」、小腸に詰めた細いのは「アンドゥイエット」と呼ぶ。豚の腸以外に牛や仔牛の腸も使われる。



合わせたワイン
コート デュ ルシオン レ ソルシエール ・ クロ デ フェ  2015
COTES DU ROUSSILLON LES SORCIERES 2015 CLOS DES FEES

1981年に、フランスNo.1ソムリエに輝いたエルヴェ・ビズールが立ち上げたクロ・デ・フェは、現在南フランスのルーション地方において別格の評価を受けている蔵元。かのヴァランドローのオーナーであるジャン・リュック・テュヌヴァンのコンサルティングを受け、果実味豊かでエレガントな、新たな南仏ワインのスタイルを築き上げた。このソルシエールは可愛らしいモチーフがあしらわれた人気のキュヴェ。グルナッシュとカリニャンは80年の古木からなり、南仏らしいはじけるような果実味を持ちつつ、古木の奥深いエレガントさが楽しめます。以上、フランスワインの専門店ラ・ヴィネ ネットショップのHPより



Le Lion(る・りおん)
東京都渋谷区恵比寿1-21-16 シェソワ恵比寿1F
☎03-3445-8131
営業時間 月曜~金曜/11:30~24:00 土曜・祝日/12:00~23:30
休日 日曜日

この記事を書いた人

マッキー牧元
マッキー牧元
立ち食いそばから割烹、フレンチからエスニック、スィーツから居酒屋まで、日々飲み食べ歩く。まさに、「食べるグルメマップ」。多くのアーティストの宣伝・制作の仕事のかたわら、1994年には、昭文社刊「山本益博の東京食べる地図」取材執筆、1995年には「味の手帖」に連載を開始するなど、食に関する様々な執筆活動を行う。現在も、「味の手帖」、「食楽」、「銀座百店」、「東京カレンダー」など、多数の雑誌やWebに連載中。日本テレビ「メレンゲの気持ち」、「ぐるぐるナインティナイン」などに出演。