ソムリエ、石田博氏にペアリングの極意を伝授していただくコーナー。料理との相性を楽しむペアリングはワインの醍醐味。家庭でもその日の献立に合わせてペアリングを楽しみたいと考えるワイン好きは多いと思う。でも、そんな時に、どう選べばいいのか悩んでしまうと言う人も多いのではないだろうか。石田氏の目の付け所や発想法をオンライン体験していただき、参考にしていただければと思う。言ってみれば初心者のための、ペアリング事始めシリーズ、第五回目のはじまり。

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かきだからって、白ワインとは限らない

 

ブーダン・ブランをご存知だろうか。ひき肉、卵、パン粉、牛乳を原料に、時にはキノコ類を使った腸詰だ。フランスやベルギーでよく食される。

 
かきとブーダン・ブラン
 

そのブーダン・ブランを今が旬のかきと合わせたユニークな料理が今回の主役だ。レストランローブのブーダン・ブランは、豚と鶏の合挽きにトリュフを加える。リッチな味わいが特徴だ。かきは海水を水でのばして火を優しく入れた。どちらも一口大に切り、交互に並べ、セップ茸のサバイヨンソースをかける。

サバイヨンソースはエスプーマで作っているので、味わいは軽やかだ。

さて、この料理に石田氏は何を合わせるのだろう。かきというと真っ先に思いつくのは白ワイン。特にシャブリとの相性の良さは、よく知られるところだ。

「確かにかきは海のミネラルをたっぷりと吸い込んでいるから、シャブリのような白ワインは順当です」と石田氏。「ローブでは昨年、かきとチョリソを合わせた料理を出していました。この場合は赤ワインになります。ボルドーはかきの養殖で知られるアルカションが近い港町ですから、かきをよく食べます。白ワインも生産されていますが、楽しまれているのはやはり赤ワイン。辛味のきいたソーセージと一緒に食べることで、赤ワインとのよい相性が生まれるのです」。

なるほど、組み合わせる食材で選ぶワインも違ってくるというわけだ。では、今回はどうなのだろう。

相性の良い組み合わせには、ストーリーもついてくる

「いろいろと考えてみましたが、ボルドーを超える相性にはなかなか辿り着けませんでした。

そんな折、『ワインホワット!?』でヴィンテージシャンパーニュをテイスティングしていて発見したのです。

シャンパーニュは熟成することで、泡立ちはクリーミーになり、セップ茸のような香りが出てきます。今回の料理にはセップ茸のサバイヨンソースがかけられます。まさにヴィンテージシャンパーニュのテクスチャーと香りがぴったりなのです」。

石田氏が選んだのは、ランソンの2005年。

 
ランソン

そういえば、シャンパーニュが生まれた時代、宮廷ではかきとともに楽しまれていたという。このペアリングには、風味としての同調とともに、ストーリーも付いてきた。さすが、奥が深い。石田マジック、極まれり。


 
石田博氏
 

石田博プロフィール

合同会社Soupless代表、レストランローブ ソムリエ、社団法人日本ソムリエ協会 副会長。
1969年生まれ。数々の国内ソムリエコンクールを優勝。2000年には、第10回世界最優秀ソムリエコンクール第3位。2011年 厚生労働省 現代の名工、2014年11月 内閣府 黄綬褒章受章。同年 第7回全日本最優秀ソムリエコンクール優勝。2015年アジア・オセアニア 最優秀ソムリエコンクール優勝。2016年第15回世界最優秀ソムリエコンクール セミファイナリスト。

 
 

RESTAURANT L’aube
レストラン ローブ


東京都港区東麻布1-17-9 アネックス東麻布2F
TEL 03-6441-2862
contact@laube.tokyo
http://www.restaurant-laube.com/

今橋英明シェフ

今橋英明シェフ


 

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この記事を書いた人

WINE-WHAT!? 編集部
WINE-WHAT!? 編集部
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特集は、石田博ソムリエと柳忠之さんによる「ヴィンテージ・シャンパーニュ27本テイスティング」と、柳忠之さんを座長とする「ワインと寿司のマリアージュ徹底検証」の2本立て!
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へ、編集長、なんの替え歌だか若い人にはわからないです〜。