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寿司 とワインのマリアージュ徹底検証ー冬の陣ー(ドの巻)

続・ニッポンのエンタメ伝統料理はキリストの血を受け入れられるか?

検証3 車エビ

ネタ解説
生で味わう場合は、とろりとした食感と甘味、みずみずしさが身上。しかし、茹でるなど火を入れることで味わいが凝縮して強く個性を主張するように。味噌を残した部分の濃厚さから尻尾に近い淡泊さまで、多彩な風味と香りを秘めているため、ワイン側からのアプローチを受けて多種のマリアージュが実現する。

高評価続出!

寿司ネタ界のマリアージュ番長

鈴木 さて、私、決して無口なわけではないのです。今まで主張の機会を逃してきましたが、ここでぜひシャブリ検証担当として熱く意見を言わせてください! 牡蠣に代表されるように、シーフードにはシャブリっていう考え方って一般的ですよね。確かに試してみると総じて「さわやか&スッキリ効果」はあるけれど、無難に落ち着いてしまって、優等生過ぎるというか今ひとつおもしろい展開がないなぁと思っていたんです。ところがついに車エビでヒットしました! ほかのワインだと、味噌のコクやほのかな苦み、身の甘味などどこか一点集中型のマッチングは成立します。でも、これは車エビのすべてを引き立ててくれるうえ、最後にもう一度ワインの味わいが心地よく口中に戻って響くんです。

メルシャン

ドメーヌ ロンデパキ
シャブリ・プルミエ・クリュ レ・リス2014

●生産国/地域:フランス/シャブリ
●品種:シャルドネ
●価格:6,760円

【松木リエ 推薦コメント】 
多くの寿司店で扱っていて、シーフードにはテッパンといわれているシャブリが本当に合うのか検証してみたい。なかでもキレの良さだけでなく、キンメリジャン土壌から来る旨みと苦みがしっかり現れた、ランクの高い「プルミエ・クリュ」であることもポイント。
検証担当:鈴木文彦

松木 なるほど、エビの風味がワインの味わいの上にうまく乗って、互いに余韻を伸ばし合う関係性が築かれていますね。おっしゃる通りで、噛むごとに旨みがこだまのように戻る、リフレイン効果がある。

鈴木 シャブリと合わせることで、よりエビの旨みがしっかりとしたインパクトを残してくれるんです。

富田 シャブリのシャープな酸が余韻を引っ張って伸ばすんですね。

太田 なるほど、これはいい。しかも、飲み込んだ後の余韻がまた美味しいっていうところが贅沢。

テラヴェール

コス
コス・フラッパート2015

●生産国/地域:イタリア/シチリア
●品種:フラッパート100%
●価格:3,200円

【富田葉子 推薦コメント】 
火山性土壌に由来するミネラル感でイワシのマリネなどと好相性なワインなら間違いないと予想。心地よく飲み進められる、重過ぎないところもポイントです。やや低めの温度で飲むとワインの味わいが引き立つので、火を通していないネタとの温度感も合うはず!
検証担当:鈴木文彦

富田 甲殻類だけれど、赤ワインも合うと思いました。「コス・フラッパート」の持つヨード感が良い意味で素材のクセを強調して広げてくれます。中和系の組み合わせではないので、賛否別れるかもしれないですが、磯っぽさが嫌いじゃなければ。

太田 あえて攻めちゃう系ですか。それに、このワインがかすかに持っているクミンやコリアンダーのようなフレーバーがエビにエキゾティック感をプラスして、一挙にアジアンテイストになるところが個性的。

 あ、国境超えちゃう? 確かにエスニック料理ってエビがよく使われますからね。その原理で言えば、プロヴァンスの「シャトー・ミュニティー・ロゼ・エ・オール」も同じく。ワインにローズマリーやセージ、タイムなどのハーブ香があるので、アフターに地中海料理みたいな印象が残る。いっぽうで、行けそうな気がした甲州やヴェルディッキオだとNGではないけれどエビの風味が勝ってしまって、ややワイン側にとって損かなと感じました。

サッポロビール

シャトー・ミュニティー
シャトー・ミュニティー・ロゼ・エ・オール2015

●生産国/地域:フランス/プロヴァンス
●品種:グルナッシュ、ティブラン
●価格:4,000円

【柳 忠之 推薦コメント】 
ほか2アイテム同様、産地が海に近いことも考慮ポイント。地中海っぽい海のニュアンスとロゼの汎用性の高さを検証したいと思います。このワインが持っている、タイムやローズマリー、セージなどが寿司と合わせた時にどう作用してくるかも楽しみです。
検証担当:富田葉子

鈴木 さっぱりしているようで、エビって実は香り、旨みともにかなりしっかりした個性がある。生だとみずみずしさや食感が立つけれど、こうして火を入れていると、風味がより凝縮しますからね。

松木 これは検証のし甲斐がある組み合わせでしたね! 食材の色味が淡色系なら白ワインみたいな考え方もあるじゃないですか。でも、ワインと合わせることで素材が秘めた力強さが前面に出て強調される。ちょっと厳しい意見かもしれませんが、「マリアージュ」と呼ぶからには、さらに一歩押し進めたダイナミックな展開がないと物足りないですね。

富田 「1+1=2」を超えることが最低条件かな。単に合うこととは意味合いが違うと思います。

一同 仰る通り!

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