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寿司 とワインのマリアージュ徹底検証ー冬の陣ー(ドの巻)

続・ニッポンのエンタメ伝統料理はキリストの血を受け入れられるか?

検証5 かつお

ネタ解説
本日登場したのは、高知県産のかつお。1年に旬が2度あるとされている。春の「初がつお」は赤身の主張が強くさっぱり。いっぽう、秋からは「戻りガツオ」と呼ばれ、脂をたっぷり蓄えているため、たたきよりも刺身で味わうのがおすすめ。薬味として添えられた、ショウガのフレーバーがマリアージュにも作用する。

薬味の助太刀がモノを言う

橋渡し系マッチング

松木 いよいよ赤身の領域に突入ですね。合うのは赤ワインだろうと事前予測してきたのですが、またしても意外な結果に遭遇してしまいました! 「ピトス・ビアンコ」です。かつおに添えられたショウガもポイントになります。

富田 それはショーガない感じでね~。

太田 何と! あまりにも古典的なオヤジギャグを清々しいほどに堂々と(笑)。

 一応忠告しておきますと、これって誌面に反映されて全国の書店に並ぶわけですから。ダジャレキャラが定着しちゃっても問題ないんでしょうか?

富田 なるほど、そういうものなんですね、ありがとうございます!(笑)。

太田 あ、覚悟のうえみたいです。メンタル強いな。

 はいはい皆さん、富田ショックから現実に戻ってください。さて、ワインにショウガのシロップ漬けみたいな香りがあるから、まずそこがいいよね。

富田 そう、ガリっぽい感じ。果皮を漬け込んで造るワインなので、白とはいえインパクトがあって守備範囲が広いと思います。

松木 味わいがリッチだから、かつおの脂の旨みとしっかり同調してくれます。オレンジ寄りの白ワインって、寿司シーンでこんなにも活躍するんですね。新発見でした!

太田 かすかにハーブっぽい香りもありませんか? それも地中海系じゃなくて、和な感じ。穂紫蘇みたいな……。

 その視点なら、ヴィッラ・ブッチ。キレの良さに加え、グリーン系のシャープなアロマとほろ苦さ。わさびとかあさつきの抜ける風味に合うし、フローラルなところが包み込む効果も発揮している。

日欧商事

ヴィッラ・ブッチ
“ブッチ”ヴェルディッキオ・クラッシコ・デイ・カステッリ・ディ・イエージ2015

●生産国/地域:イタリア/マルケ
●品種:ヴェルディッキオ100%
●価格:2,765円

【鈴木文彦 推薦コメント】 
ヴェルディッキオのミネラル感と伸びのある酸、アフターのほのかな苦みが、淡泊な素材や磯の香りにマッチすると予想しました。また、この品種のグリーン系の清々しいアロマがわさびの抜ける辛みや風味と合わせた時にどうなるかにも注目したいと思っています。。
検証担当:柳 忠之

太田 もっと赤身側の主張に焦点を当てるなら、シャノン・ヴィンヤーズ&ワイン「シャノン ロックヴューリッジ ピノノワール」。余韻にボリューム感が増して満足度がアップします。

スマイル

シャノン・ヴィンヤーズ&ワイン
シャノン ロックヴューリッジ ピノ・ノワール2015

●生産国/地域:南アフリカ/エルギン
●品種:ピノ・ノワール100%
●価格:4,000円

【鈴木文彦 推薦コメント】 
ワイン好きなら絶対外してはならないピノ・ノワールで、骨格がしっかりした1本です。赤身のしっとりした食感や風味と相まった、エレガントなマリアージュを予想。あえてブルゴーニュではなく、同品種の銘醸地としての伸びしろを感じる南アフリカ産としました。
検証担当:太田賢一

鈴木 「コス・フラッパート」もいいです。ちょっとマスキュランな感じになるんだけど、構成の端正さが際立ちます。

富田 たしかに重さのバランスが見事で、余韻の旨味が増しますね。

 思いのほか、広範囲に展開しましたね。

松木 トッピングのショウガやあさつきがハーブの役割を果たしているところも重要で、ワインを合わせていくポイントが見つけやすいと思いました。

 なんてマリアージュに協力的なネタなんだ!

太田 たたきにしたら、また違う結果になって面白そう。皮目の香ばしさが加わると、さらに選択肢が広がりそうです。

鈴木 初がつおと戻りがつお、旬が年に2回やってくるから、試すタイミングも限定しない。

太田 確かにそうですね。しかも時期によって味わいの違いが楽しめる。かつおのサービス精神に胸打たれました(笑)。

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