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寿司 とワインのマリアージュ徹底検証ー冬の陣ー(ウの巻)

続々・ニッポンのエンタメ伝統料理はキリストの血を受け入れられるか?

検証10 イクラ

ネタ解説
秋鮭と同様に、秋からが旬で産地によって12月頃までが美味。熟成卵の薄皮を剥がしてばらしたものがイクラであるのに対し、卵巣膜包に包まれ、塊となっているものを筋子と呼んで区別する。「すしざんまい」では、塩分が強すぎず、素材の甘味を引き立てられることから千葉県野田市の醤油で味付けをしている。

キーワードは磯とヨード、

さて、その根拠は?

 キラキラとした輝きに、ちょうど過不足なく愛おしい粒のサイズ。見るからにフォトジェニックでシズル感満載!

太田 まさしく「何とかの宝石箱や~!」っていうやつですね。ちょっとでもトッピングされていると、ほっこりしちゃうやつ。

 とはいえ、親とは全くの独自路線を歩んでいる感がある。磯っぽさやコクに香り、食感も特徴的。さて、どんな角度から攻略していきましょうか?

富田 「シャトー・ミュニティー・ロゼ・エ・オール」がいいと思いました。先ほど柳さんがおっしゃっていたところの、地中海的な海のニュアンス。たっぷり陽光を浴びたブドウのふくよかさがインパクトある味わいのイクラにぴったり合いました。テーマは“磯&海辺”。「海が近い産地」ってシンプルなセレクト理由だけど、理にかなっている。

 ぷちっと口中でつぶれた時の塩気ととろみがあるエキス分とか、確かに海水っぽいよね。

太田 「シャノン ロックヴューリッジ ピノノワール」もオススメ! イクラって、もともと持っているたんぱく質成分に加えて、醤油と酒、みりんなどの発酵系調味料が足されて味わいが成り立っていますよね。このワインはかつお節や干ししいたけのような香りがある。フレーバーにイノシン酸やグアニル酸を思わせる旨み要素が出ているから、素材だけでなく調味料の個性とも総合的に合うんです。タンニンもシルキーで、イクラのなめらかさと全く反発することがない。

松木 「ピトス・ビアンコ」もイクラの塩っぽい旨味に対応できる。みずみずしいところが、ワインのフレッシュ感とも一致します。海苔とワインのヨード感も合う。

 実は海苔って、マリアージュを成立させる縁の下の力持ちじゃないでしょうか。ほら、太田さん覚えていますよね?

太田 あれですね、あれ! 前回のマリアージュ検証企画でも、青のりのヨード感でかなり盛り上がりました。ワインと料理を合わせた時、遠からずなのに、ほんのわずかにもどかしいようなちぐはぐさを感じてしまうことってありますよね? これはお好み焼限定での話ですが、そんなとき一振りするだけで完全にアジャストができた。この法則が、寿司の場合でも成立しそうです。

 あれは皆驚いたよね。あまりにニッチな局地的法則で終わるのかと思っていたけれど、汎用性がありそう。特に海テイストのロゼを選んだら、軍艦や巻物とかで海苔のヨード感を味方につけるのがコツ。

富田 地味ながらも香りを添えてくれるし、ウニのページでの発言と重複しますが、消臭効果もある。魚卵とワインを合わせるときは、なるべく海苔の面積が広いアレンジ法を採用するっていうのも、ひとつの法則と呼べると思いました!

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