ただいま全国の書店、amazonで発売中のWINE-WHAT!?5月号(No.22)の特集「徹底検証 ワインと焼き鳥のマリアージュ」。その特集の最後にポツリと置かれた、アメリカン・ダック料理とワインのペアリングが楽しめる恵比寿のフレンチと中華、じゃなかった焼鶏のお店をご紹介します。期間限定です。

鴨とワインが楽しめる店 その1

パブリック ハウス エピローグ

日本人は、鴨肉に親しい。

冬は鴨鍋、エリアによっては鴨肉入り雑煮で正月を過ごし、ちょっといいことがあった日は蕎麦屋でリッチに鴨南蛮。ごちそう気分が確実にアップする鴨肉だが、「香りにクセがある」「固くて噛みきれない」と苦手意識を持つ人も少なくない。となれば、「香りがおだやか」「やわらかくてジューシー」な鴨肉の出番。

メイプル・リーフ・ブランドのアメリカン・ダックは、鴨肉を食べる文化のなかったアメリカですんなり受け入れられるほど、マイルドな肉質を誇る。餌に動物性飼料を用いる諸外国もあるが、農業の盛んなアメリカ内陸部のとうもろこしや大豆といった植物性飼料のみで育てあげるので、餌由来の匂いが激減。また、若鳥ならではのシットリとした舌触りで、初めて口にしたらすぐに鴨肉とは気付けないほど。

「アメリカン・ダックは、調理時も普通の鶏肉と同じように扱えます」と感想を語るのは恵比寿「エピローグ」の春日孝文シェフ。洋食、フレンチの名店を渡り歩いた彼は、王道の鴨料理を軽やかな方向にアレンジ、アメリカン・ダックにふさわしい2品を完成させた。

「エピローグ」にはボタンひとつでワインの銘柄と量を選べるセルフ形式のサーブ・マシンが設置され、テーブルワインと合わせて計18種のグラスワインが選択できる。来店時には、新感覚の鴨肉料理に合うワインはどのタイプか、自分のペースで試してほしい。



日向夏をあしらったアメリカン・ダックのロースト 1,600円
ベースはフランス料理の定番、オレンジソース添えの鴨ロースト。オレンジと比べ風味がさわやかで今が旬の日向夏は苦味が少なく、通常の鴨より軽快なアメリカン・ダックにピッタリ。皮目はしっかりと焼かれ、カリッとした仕上がりに。






右 J.J.リシャール・エ・フィス ブリュット・ロゼ セレクシオン glass 1,800円
左 アンヌ・ド・ジョワイヨーズ ヴェリー・シャルドネ リムー 2015 glass 1,200円
合わせるワインを選んだ「エピローグ」代表の前西寿美夫は「鴨ローストに、厚みがあり酸の強すぎないシャルドネを。とくに日向夏とシャルドネの相性がいいんです」と語る。ガランティーヌにはピノ・ノワールやガメイなど赤を合わせることが多いが、おだやかな肉質を考慮し、春めいたロゼ・シャンパーニュをチョイス。


アメリカン・ダックのガランティーヌ  1,200円
鶏の白レバーと鴨の挽肉をアメリカン・ダックの胸肉で包んだ1品。新玉ねぎのソースで甘味を、フランボワーズヴィネガーで酸味をプラス。絶妙な火加減でアメリカン・ダックに旨みが閉じ込められ、アッサリながらも余韻の長い味わい。








PUBLIC HOUSE EPILOGUE
■東京都渋谷区 恵比寿1丁目6−3 ゼネラルビル恵比寿イーストB1F tel.03-3441-3588
■月曜〜金曜 17:00~27:00、土曜 15:00~27:00/日曜・祝日 15:00~24:00
■無休

鴨とワインが楽しめる店 その2 

喜鈴 (きりん)

「鴨がネギを背負ってくる」というフレーズがあるが、「鴨がネギを背負ってきたところに、中国料理世界大会の金賞受賞者がやってきた」となると、幸運の三重奏、展開が変わってくるかもしれない。恵比寿の焼鶏「喜鈴」のカウンター奥には、中国料理店で23年間腕を振るってきた金メダリスト、出田貴幸の姿が。

彼の手に委ねられたアメリカン・ダックは、さてどう調理される?

店では丹波黒鶏や大山鶏など、使う部位によって鶏の種類を変えている。鴨も扱うが、冬季限定。アメリカン・ダックであれば、安定した品質のまま冬だけでなくオールシーズン堪能できる点を、出田シェフは高く評価する。第7回中国料理世界大会の前菜部門に出場した出田シェフは、このとき鴨チャーシューもプレートに盛り込んだという。

そこで、金賞の鴨チャーシューをアメリカン・ダックで再現。甘めのタレで焼いたチャーシューを白ネギとともに口へ放り込むと、ダントツにやわらかい。「薄切りにして、より食べやすくしています」と出田シェフは説明するが、絶妙な火加減だからこそ、チャーシューはふんわりと喉奥へ消える。

天才的な火入れの技は、鴨ネギの串焼でもいかんなく発揮。鴨もネギも香ばしく、少し噛むだけで鴨の肉汁がジンワリ。これはもう、ワインを飲まずにいられない。

「喜鈴」はワインの揃えが充実した焼鶏店としても知られる。常時50種ほど用意され、グラスワイン(900円~)も白、赤3種ずつ。金メダリストの鴨ネギとワインで、勝負時の食は決定だ。



アメリカン・ダックとネギの串焼  420円
中国料理出身の出田シェフが焼鶏屋へ転身を果たした理由のひとつは、「カウンター越しにお客さんと直接やりとりできるのが楽しいから」。中国料理の技で捌いたアメリカン・ダックが丁寧に炭火で焼かれる様を眺める客側も、また楽しい。
















右 ケンゾー・エステイト 結 2017 
bottle 12,000 円(helf 6,000円)
左 マルティン・ヴァスマー マルクグレーフラーラント シュペートブルグンダー 2014
bottle 5,800円 
小石高運店長は客の希望に沿うよう、幅広いワイン・セレクションを心がけている。串焼はコースで提供するので、「塩やたれで1本毎に味が大きく変わり、ボトル1本で通すのはなかなか難しいですが、ロゼならOK」。甘めのタレが効いたチャーシューには、「果実味あるピノ・ノワールを」とお手頃なドイツ産を挙げた。


アメリカン・ダックの炭焼チャーシュー 580円
白ねぎが添えてあり、こちらも“鴨ネギ”の流れに。店で「大山鶏の炭焼チャーシュー」として提供してきたメニューを応用した。鶏、鴨、軍鶏と万遍なく扱ってきた出田シェフだが、「アメリカン・ダックに近いのは、やはり鴨より鶏でしょうか」。






喜鈴(キリン)
■東京都渋谷区恵比寿西1-8-10 EBISU高橋ビルB1F
tel.03-6427-8437
■月曜~木曜、土曜 17:00~24:00(L.O.23:00)、金曜 17:00~25:00/日曜 17:00〜23:30(L.O.22:30)
■無休



アメリカン・ダック問い合わせ先アメリカ家禽鶏卵輸出協会(USAPEEC)

この記事を書いた人

WINE-WHAT!? 編集部
WINE-WHAT!? 編集部
我輩は「WINE-WHAT!?」である。名前は「WINE-WHAT!?」である。誰がつけたかとんと見当がつかぬ。

ワインホワット?

「WINE-WHAT!?」である。にゃ〜。