アルザス本店と同じペアリングを提案
ここは、アルザスで50年以上にわたりミシュランの星を守り続けている「オーベルジュ・ド・リル」の東京店。本店同様の料理はもちろん、アルザスワインを約30種類揃えたワインリストはマニアも垂涎だ。今回披露してくれた料理は2品とも、本店の創業者ポール・エーベルランシェフのスペシャリテ。
「鵞鳥のフォアグラは鴨よりも濃厚で滑らか。その素材そのものの味をストレートに表現したのが、鵞鳥のフォアグラのテリーヌです」と寺田信一シェフ。
フォアグラは本店と同じスパイス、ソーテルヌやコニャックなどでシンプルに味つけされている。陶器の壺から優雅に提供するのも本店のスタイルだ。これには『ゲヴュルツトラミネール・ヴァンダンジュ・タルディヴ 2007年』(トリンバック)がお勧め。「フォアグラにスパイスの風味や甘味があるので、甘過ぎず、酸味もしっかりあるこのワインを本店でも合わせています」とシェフソムリエの石原豪さん。
2品目のグルヌイユのムースリーヌは、グルヌイユをスズキのムースで覆ったもの。ソースはリースリングやスズキのだし、生クリームなどで旨味が凝縮している。これにはボリューム感がある『リースリング・キュヴェ・サント・カトリーヌ 2011年』(ドメーヌ・ヴァインバック)を合わせたい。
「ほかにもミュスカやピノ・ブランは食前酒でもお勧め」と石原さんは魅力を語ってくれた。