タベアルキストのマッキー牧元さんが飲み慣れたコノスルを手に、馴染みの店へ。信頼できるワインと料理のペアリングで掛け算的なハーモニーを完成させていく

火入れの達人 焼物師

焼物師という料理人が、この世には存在する。中国料理の前菜に出てくるローストダックや叉焼(チャーシュー)などを専門に担当する職人のこと。日々の気温や湿度に合わせて窯の熱、肉の火入れ時間を決めていく。黒焦げにするのが怖くて、プロでもつい窯を低温に抑えがちだけれど、達人は最初から超高温で、焦がし過ぎず芯まできちんと火を入れる技に長けているという。

香港で17歳から焼物師として活躍していた梁偉康さんは、「赤坂離宮」の招聘で来日。40年に渡り赤坂離宮の各店舗を監督し、焼物の評判を支え続けている。梁さんの実力を見抜いた赤坂離宮もスゴイが、その超高級店を相手に「梁さんのお肉だけ気軽に食べられる店が欲しーい」とストレートにお願いしてのけたマッキー牧元さんもスゴイ。いくら赤坂離宮の常連とはいえ、そんなワガママ通るわけ……

「中国で焼物は焼味と呼ばれ、それだけをご飯にのせて提供するカジュアルな店がある。とくに梁さんの焼物はすばらしくおいしいから、日本でも焼物の店があればなぁ、焼物をツマミにワインが飲めればなぁ、と思い立って直談判してみた」

かくして今日、〝遊び慣れた人のための横丁〞として知られる虎ノ門横丁の一角に「香港焼味酒家 赤坂璃宮」が営業している。



焼物師の出勤は早く、朝8時。まだほかに誰もいない虎ノ門横丁で、ランチ分の調理をすべく窯に火を入れる。コース料理のなかで冷菜として出されるばかりの焼物が、この店ではほんのりあたたかい。理由は、荒熱がとれて肉質がシットリ落ち着いたタイミングでランチタイムが始まるよう、逆算して焼いているから。ランチ営業が終われば焼物師はまた窯の脇に立ち、夜営業用に肉を焼く。常に出来立てが食べられるって、もしや超高級な本店よりゼイタクかも。


香港焼味酒家 赤坂璃宮
東京都港区虎ノ門1-17-1
虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー 3F 虎ノ門横丁
TEL 03-6812-7154
営業時間 平日11:30~15:00(L.O.14:30)、17:30~22:30(L.O.22:00)、土日祝11:30 ~21:30(L.O.21:00)

虎ノ門で世界酒歩き

そして、パリっと香ばしい焼き豚の皮目をひとかじりし、極上ワインを1杯、というさらなる快楽を求め、マッキー牧元さんが持ち込んだのはコノ スル「20 バレル・リミテッド・エディション」である。虎ノ門横丁独自のワイン持込みシステムをフル活用し、赤のピノ・ノワールと白のシャルドネを焼物に合わせていく。


日本人向けのアレンジは一切していないゴリゴリ本格派の焼物群。でも、国際感覚にあふれ包容力あるコノスルのワインなら、難しく考えることなくペアリングがスムーズに進む。目を瞑って食べると、まるで香港へ旅しているかのよう。長引くコロナ禍ゆえ海外旅行ができず悶々としている人にはぜひ、香港旅行代わりの虎ノ門プチ旅行をオススメする。

「ちなみに虎ノ門横丁では20軒以上の店が営業していて、和食店だけでなく諸外国料理の店が多々。香港のほかフランス、イタリア、スペイン、韓国、タイの旅行気分も味わえるよ」

とマッキー牧元さん。壮大な世界一周ハシゴ酒、コノスル片手にコンプリートしてみたいなぁ。


四種前菜盛り合わせ(¥1,300)
「香港風蒸し鶏」「香港焼き豚」「広東風ローストダック」「鶏肉の特製醤油煮」がセットに。「蒸し鶏に合わせるワインは絶対、白のシャルドネ。鶏の味にワインの果実味がふんわり寄り添いつつ、後味は酸で切ってくれる。焼き豚も、脂分の旨味と香りにボリュームが合うシャルドネ。鉄分の香りと味を持つローストダックは、圧倒的に赤のピノ。より味に膨らみが出て一緒に盛り上がる感じ。そして赤も白も合うのが、鶏の醤油煮。醤油味の強い部分はより赤向き、中心部分はより白向きかな」(マッキー牧元)


20バレル・リミテッド・エディション
ピノ・ノワール

ピノ・ノワール100%
希望小売価格 2,800円(外税)
土壌や気候を調査し秀逸な畑を探索することに長けているコノスル。1999 年には冷涼なカサブランカ・ヴァレーにピノ・ノワール向きの畑を確保し、コノスルのプレミアムレンジ「20 バレル・リミテッド・エディション」シリーズにふさわしい、上品な酸とほどよい果実味を併せ持つワインをリリースしてきた。


20バレル・リミテッド・エディション
シャルドネ

シャルドネ100%
希望小売価格 2,800円(外税)
非常に優れた20樽分のワインからスタートした「20 バレル・リミテッド・エディション」シリーズ。シャルドネは、2002年にコノスル初のプレミアム白として誕生。収穫量を制限し丁寧に栽培するおかげで果実の凝縮感がより強まり、醸造時に用いるフレンチオーク新樽の風味も加わりふくよかな味わいに。

マッキー牧元さんが愛してやまないコノスルとは?

1993年創立、またたく間にチリ国内のみならず全世界のトップへと躍り出たコノスル。現在ほどサスティナブル農法が叫ばれていなかった時代からいち早くその意義を深く理解し、ワイナリーの周辺を含めた広い環境や労働者たちにやさしいシステムを構築してきた。常に知識と技術を刷新し続け、ナチュラル志向の強いワインを取り揃える。