根菜の風味と同調するサンジョヴェーゼ
<丸鶏白湯鍋>
丸鶏白湯鍋
具材:鶏、キャベツ、白菜MIX、白葱、じゃがいも、蓮根、クレソン、人参、大根
スープ「白湯」:鶏がらスープ、白湯、塩ダレ
パッと見はクリームシチューかポトフのような鍋です。主たる素材が鶏ですし、こってりした白湯スープなので、クリーミーな味わいの「アルデッシュ・シャルドネ」が順当に合いそうです。でもここは敢えて、タンニンの少ない、軽めの赤と合わせてみましょう。ただ残念なことに、「ジャパン・プレミアム・マスカット・ベーリーA」だと、品種の個性ですが、キャンディっぽい華やかな香りが鍋の邪魔をしてしまいます。いちばんピタリとはまるのはサンジョヴェーゼの「レモーレ」ですね。とくに蓮根、じゃがいも、人参といった根菜類と一緒にいただくとしっくり来ます。サンジョヴェーゼの土っぽいフレーバーに同調するんですね。コノ・スルの「シングル・ヴィンヤード・カベルネ・ソーヴィニヨン」も、これはこれで悪くありません。タンニンが強めのカベルネですが、ワインの味わいがとても豊かで、飲み終わった後に鶏や根菜の旨味がふたたび蘇ってきます。
スマイル
コノスル
シングル・ヴィンヤード・カベルネ・ソーヴィニヨン 2015
生産国/地域:チリ/マイポ・ヴァレー
品種:カべルネ・ソーヴィニヨン100%
希望小売価格:1,950円(税別)(税別)
ワインを軽くするのでパワフルな赤が必須
<葱まぐろ鍋>
葱まぐろ鍋
具材:鮪切り身、鮪すだれ素揚げ、青葱、白葱、豆腐
スープ「醤油(にんにく生姜)」:にんにく、生姜、醤油、出汁
すりおろした生姜とニンニクの効いた、濃口醤油のスープです。生姜の香りが強いので、ダーレンベルグの「ザ・スタンプジャンプ・シラーズ」が合いそうです。生姜はユーカリとか樹脂系の、スーッとした香りのするワインとよく合うんですね。したがって、ユーカリのようなミンティな香りを持っているチリのカベルネ・ソーヴィニヨンもいいですよ。一方、サンジョヴェーゼやマスカット・ベーリーAだと、ワインが負けてしまう。鍋がワインを軽く感じさせるので、ある程度パワフルなワインが求められるのですね。葱とハーブ香の同調からソーヴィニヨン・ブランを合わせてみると、味のまとまりは悪くなかったのですが、グレープフルーツ系の華やかな香りだけ浮いてしまい今ひとつ。それにしても、ねぎま鍋はワインのための鍋ですね。他の飲み物だと鍋がもったいない。シラーズやカベルネ・ソーヴィニヨンを飲み込んだ後も、まぐろと葱の余韻が口の中にずっと残ります。
スマイル
コノスル
シングル・ヴィンヤード・カベルネ・ソーヴィニヨン 2015
生産国/地域:チリ/マイポ・ヴァレー
品種:カべルネ・ソーヴィニヨン100%
希望小売価格:1,950円(税別)(税別)
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