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「牛肉は健康にいい!」って本当ですか?

機能性医学のパイオニア、Dr. 斎藤糧三に訊く

脂質のことばかりで、タンパク質の話が出て来ませんね。

「待ってました。これ、1日800g、グラスフェッドのニュージーランド産の牛肉を、身長150㎝、体重45kgぐらい、30代の女性に食べてもらったデータ(注4)です。Feというのは血清鉄という血液中に存在するフリーな鉄。フェリチンというのは貯蔵鉄といわれていて、タンパク質とくっついている鉄です。1日800g食べているのに、3日間ぐらいで血清鉄がビュッと下がる。鉄が含まれている牛肉を毎日食べているのに。で、彼女はこの間、持病だった頭痛がなくなるわけです。結局彼女は、体の中で鉄を運搬・利用するためのタンパク質がたりなかった。貧血の人ないし赤血球の質の悪い人は、鉄だけとっていたらいいわけではなくて、それを運んだり利用するためのタンパク質が足りてないと良い赤血球をつくれないということです」

なるほど。

「ちなみにタンパク質というのは筋肉、骨、体のいろんな臓器、赤血球もつくってますけど、頭の神経伝達物質の原料にもなっているし、肝臓の解毒にも必要で、いろんなところで仕事をしているんです。血液検査をすればわかるんですけど、日常的には手が黄色い人がいますね。あれはベータカロテンを運ぶタンパク質が欠乏しちゃって、結果、手と足に沈着しちゃっている残念なケースです。あと、むくむのもそうです。タンパク質が足りている女の子はむくまない。酒ばっかり飲んでいる人は肝臓の解毒にタンパク質はすごく重要です」

ワイン好きはタンパク質をとった方がいいですね。

「そうです。あとは亜鉛もタンパク質と同じく貯蔵できないので、毎日とる必要があります。牛肉には亜鉛が豊富に含まれています。亜鉛は体の中にとったタンパク質を必要なものにつくり変える時に必須です。最近はタンパク質も鉄もあるのに貧血の人がいて、『亜鉛欠乏性の貧血』と呼ばれています。亜鉛が足りないと赤血球も肌も髪も合成できない。極度の亜鉛欠乏だと、味覚障害、骨折もしやすくなる。手の爪にホワイトスポットというのが出るの亜鉛欠乏の教科書的症状です。亜鉛は牡蠣に豊富だといわれていますけど、あたる可能性がある。1日10gの亜鉛をとるには牡蠣を毎日100g食べないといけない」

和牛の肥育現場を知るため三重県の松坂を訪問した。写真=河野敦樹

カリウム、マグネシウム

牛肉を食べていれば、亜鉛欠乏の心配もない。

「人間は250万年前に肉食になって、農耕を始めたのはほんの1万年前。肉食の方が体に合っているわけです。日本の厚生労働省も1日50〜60gのタンパク質をとることを推奨してします。これは牛肉にすると300gになります。タンパク質は一定量つねにとっていないと体の使用量が増えない。昨日ステーキを腹一杯食べたからいい、というものではありません。毎日食べないとダメです」

野菜も食べないとダメなんですね。

「食物繊維というのは第4の栄養素と言われていて、腸内細菌は1kgぐらい腸内にいるんです。腸内細菌がちゃんと活動するには食物繊維が必要です」

焼肉屋に行ったらサンチュも食べたほうがいい?

「最高にいい組み合わせです」

肉にワインをプラスすると、より健康にいい、ということはいえますか?

「使い古されていますけど、赤ワインに含まれているポリフェノールの一種のレスベラトロールは肝臓で行なっている解毒を大腸がんができにくいような代謝に変えます。肉食健康法を実践される場合は赤ワインをオススメします」

肉とビタミンは関係ないですか。

「(牛肉は)ビタミンB6はリッチですね。B6もタンパク質を代謝するために必要です。うつっぽいとか肝臓の解毒が遅延しているとかみたいな感じだとB6の不足を疑います。あとひとつウンチクで、酒を飲んでいるとマグネシウムが喪失しやすいんです。肉を食べていると体が酸性に傾くのを補正しようとしてアルカリ金属、カリウムが使われやすくなります。野菜をとれというのは、カリウムをとれということでもあります。足がつるとか瞼が痙攣するとかの症状はマグネシウム欠乏ですので、お酒を飲む人は気をつけてください。読者プレゼントでうちのサプリメントを提供しましょう(注 プレゼント期間は終了いたしました)」

Dr.サイトーこと斎藤糧三医師が独自開発したカルシウムとマグネシウムのサプリ「カルマグ300」。4,320円。http://www.mdfood.jp

もろもろ、ありがとうございます。

さいとう・りょうぞう
1973年東京都生まれ。医師。98年に日本医科大学を卒業後、産婦人科医に。遅延型フード・アレルギー検査を導入し、腸内環境の再生によって慢性疾患を根治に導く「機能性医学」を日本に紹介、日本人として初めての認定医になる。ごはんやパン、砂糖など糖質を制限して、タンパク質と葉もの野菜をたくさんとり、いわゆる「ケトン体体質」に転換して健康で生き生きとした生活を送ろう、というケトジェニック・ダイエットの紹介者でもある。

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