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ロース、カルビ、ハラミなど和牛焼肉9つの部位とワインの探求(前編)

永久保存版:ワイン・インポーターの専門家が難問に挑む徹底検証座談会

前段階の予想 白の巻

ーー試飲を始める前に、お持ちいただいたワインのご紹介をお願いします。焼肉のどんな部位、どんなタレに合いそうかの予想とその理由を教えてください。まずはラインナップ中、唯一のスパークリングから。永松さんが選んだマァジの「ピノ・グリージョ&ヴェルドゥッツォ」です。

永松 このスプマンテはアマローネで有名なマァジが、ピノ・グリージョとヴェルドゥッツォから造っています。大きな特徴は、ヴェルドゥッツォをアパッシメント(陰干し)して、その糖分で二次発酵させていることですね。ホルモンを塩で食べるときに合うと思って選びました。

ーー焼肉に泡がどう合うか楽しみです。次の白は?

山下 シルヴァン・ゴードロンの「ヴーヴレイ・レ・ヴォー・ルイ」です。ほとんどが国内流通という小さな造り手で、2年前から日本に入ることになりました。シュナン・ブラン100パーセントのセック(辛口)。7カ月間タンクで熟成させています。

ーーロワールのシュナンらしい酸ですね。

山下 タン塩と合わせる際、このワインがレモンの代わりになるんじゃないかなと。ミノやハラミにも白ワインが合うと聞いたので、実際に試してみたいと思いました。

ーー次の白はイタリアですね。

永松 カンパーニャのフェウディ・サン・グレゴリオがファランギーナから造る、単一畑の「セッロチエロ」です。ミネラルと酸がとても強くて、脂の少ない部位ならこれで十分いける印象です。

波田 ほんとにすごいミネラルですね。

永松 このミネラルが、塩と調和するはずなんですよ。

ーーそしてシャルドネですね。

斎藤 今話題になっているニューカリフォルニアの中心人物、エレン・ジョーダンの「フェイラ」です。これはキーファー・ランチというロシアン・リヴァー・ヴァレーの超有名な畑のもの。酸味が生き生きとして、アルコールは抑えめですが、カリフォルニアっぽい果実味も感じられると思います。肉の脂が火に落ちて燻されると、こういう香ばしいタイプのシャルドネが合うんじゃないかな?

ーーで、「ミラヴァル」のロゼですね。

山下 はい、オーナーが今何かと話題のアンジーとブラピです。造っているのはシャトー・ド・ボーカステルのペラン家ですね。グルナッシュ、シラー、ロールから造られる典型的なプロヴァンス・ロゼではあるんですけれど、年を追うごとに繊細で緻密な味わいに進化しています。プロヴァンスでも一番北のエリアの内陸にあって、標高も350から500メートルくらいの高地。谷間から風も吹くので意外と冷涼なんです。ロゼって食事との汎用性が高いので、これでいったいどこからどこまでいけるのか、実証してみたいと思いまして……。

ーー皆さん、けっこう変化球投げてきましたが、ここからいよいよ赤ワインですね。

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