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石田博流 ワイン ペアリングのすすめ 第一回

鎌倉野菜とアンチョビ × サントリーニ アシルティコ

石田博ペアリング

鎌倉野菜とアンチョビに合わせるワイン選び

鎌倉野菜とアンチョビ

ガラス容器の下に敷いてあるのは土

連載第1回目は、レストランローブのシグネチャーディッシュである「鎌倉野菜とアンチョビ」を取り上げる。

鎌倉の農家から直接買い付けた、採れたての野菜を使った、野菜本来の美味しさを堪能できる一皿だ。

「野菜そのものの味わいを楽しんでもらいたい」ので、単なるサラダとは違い、お皿に載っている野菜が全て生とは限らない。より美味しく食べられるよう、それぞれの野菜の特徴に合わせて、茹でたり焼いたりする場合もある。実は非常に手間がかかっている料理なのだ。もちろん旬の野菜を使うので、季節によって野菜の種類は変わる。それをアンチョビを使った特製ソースで食べる。

実はこの一皿、シグネチャーディッシュという位置付けにも関わらず、合わせるワインがなかなか決まらなかった料理の一つでもあった。さまざまな旬の野菜が、それぞれの美味しさを主張しつつ盛り合わせになっているのが、この皿の特徴。そのお皿全体に合わせるのだから、それは難しいだろうと思う。

「どれか一つではなく、いろいろな野菜が乗ったお皿に合わせるワインと考えると、なかなか思いつきませんでした。ロゼや甲州を合わせたりもしましたが、今ひとつしっくりこないというか、決まらない。野菜の味は淡白ですから、その味を引き立てるには、木樽熟成やパワフルなワインはダメ、アンチョビの塩味や香りに合わせる必要もあります。鎌倉の畑まで行って買ってきている野菜なのですから、大地の滋味を感じさせるようなワインの方がいい。いろんなことを考えました。コース料理の最初に出すお皿なのですが、シグネチャーディッシュでもあるので、さらっと流すのではなく、しっかりと印象に残したいという思いもありました」

最終的に石田氏が選んだワインは、「サントリーニ アシルティコ」。近年品質が良くなり、人気も高まっているギリシヤのワインだ。サントリーニ島の固有種「アシルティコ」を使った酸味が強く、ミネラル感の強い辛口白ワイン。

今回は(株)モトックス様のご協力でドメーヌ・シガラスのサントリーニ アシルティコ 2016を用意した。モトックスの発表しているテイスティングコメントによると「ミカンやライム、白い花の豊かなアロマ。ミネラルが豊富で、ボリュームがあり、透明感のある柑橘果実、レモンの皮のようなスパイシーさも持ち合わせます。高い酸は熟成を予感させます」とある。

サントリーニ アシルティコ

サントリーニ アシルティコを合わせる意外性

このペアリングには、少し驚いた。ギリシャのワインは、オリーブオイルの風味が効いた料理や海鮮料理によく合うと言われる。エーゲ海のイメージもあるので、海鮮に合わせるソムリエは多い。つまり、フレッシュな野菜とのペアリングは意外なのだ。セオリーに反すると言ってもいいかもしれない。この意外性こそが、石田流ペアリングの本領なのだろう。ドラマの冒頭で掴みに成功するには、意外な展開が不可欠だ。コースの一皿目でのこのペアリングは、お客様の心を一気に掴むにちがいない。

「ローブのシェフが、旬の野菜は大地のエネルギーを吸い上げているから、エネルギーがあるんだ、と言ったことがあります。それが今回の発想の原点です。同じように大地からエネルギーを吸い上げているワインはないだろうかと考えたのです。エネルギーのある産地として思い浮かんだのがサントリーニ島。何しろ火山性の大地です。エーゲ海に囲まれていて、ビュンビュン吹く強い海風に耐えて育つブドウなら、自然のエネルギーがたっぷり入っているはずだと。しかも、それほどアロマティックじゃないのも、野菜に合わせるにはいい。海風を受けているから出る塩味というかミネラル感もあって、それはアンチョビのソースにもよく合うだろうと思いました」

石田氏の思惑通り、絶妙のペアリングだ。野菜の苦味や土臭さをアシルティコの酸味が優しく包み込む。一方、酸味の強いアシルティコは、単独では飲みづらく感じる人もいるかもしれないが、料理と合わせることで爽やかに飲める。野菜とワインに潜む大地のエネルギーが呼応することで、石田博流ペアリングは完成した。


RESTAURANT L’aube
レストラン ローブ
東京都港区東麻布1-17-9 アネックス東麻布2F
TEL:03-6441-2862
http://www.restaurant-laube.com/


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