探求3 カルビ
――では、次にカルビです。
山下 こんな(にサシが入って)白いカルビ見たことない。
波田 カルビとロースってなにが違うの?
永松 明確な決まりはなくて、どこをロースと呼び、どこをカルビと呼ぶかは店ごとに違うんですよ。
波田 え~、そうなの?
永松 このサシには、シャルドネあたりがきれいに流してくれそうな感じもしますけどね。
波田 意外とロゼなんかもいけたりして。
山下 さっきのロースみたいに、タレがおもいっきりついてるわけではないしね。
斎藤 スプマンテとか?
永松 ふむ、泡で流すか。
山下 泡はこの脂を落としてくれるという意味で爽快感はあるけど、調和してるわけではないですよね。
永松 カルビの脂をどうしたいか、そこだね。流したいのか、乗り越えたいのか。
斎藤 ほんと、なにが合うんだろう?
永松 コクもあるし、キレもあるヴーヴレがいいかもしれない。
波田 うん、ヴーヴレはありですね。お肉の甘さと、ヴーヴレのほんのり甘い感じと、すごくいい。
山下 薬味的な感じになるのかな? レモンみたいな役割をしてくれる。
永松 でも最後に肉の味だけ残るんだよね。そこがカルビの脂に対する白ワインの限界なのかもしれない。
――赤はどうですか?
山下 ウッドワード・キャニオンのカベルネが悪くないですよ。
斎藤 でも最後は口の中がカベルネに支配されちゃう。ただカルビをもう一枚というのなら、口の中にお肉の味が残ってるよりも、ワインの味が残るほうがいいのかな。
――結論。カルビの脂を切るなら白。調和を求めるならカベルネ・ソーヴィニヨンということですね。