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世界初(たぶん)! 第1回WINE-WHAT!? お好み焼ワイン選手権(前編)

お好み焼に一番ピッタンコのワインはどれか?

第3試合 白&酒精強化ワイン
新風を吹き込む、新鮮マリアージュ

 ちょっとひぐち君! コレってどうよ? ただちに、ひぐちカッターで成敗してもらわないと!

ひぐち君 あああ、急にどうしました? 落ち着いてくださいよ、僕平和主義なんで……。

 ならばヤナギカッター!!!

太田 その勇気にナイスカッター!(笑)。

 失礼、キャラを見失って取り乱しました。意外性を通り越してエントリーしたことに怒りすら覚えた「アルツェイヤー・ヴォルトベルグ・リースリング・アウスレーゼ」。まさかのリースリング? なぜアウスレーゼ? ありえないと思いきや、なぜか合う! この理解の範疇を超えた事象、どうしたものやら。

太田 いや、わかります。僕も「合うわけないよぉ」って思ったけど、広島お好み焼との組み合わせの妙! ソース原料のフルーツの甘さにワインの花の香りが優しく寄り添い、「甘×甘」な組み合わせのようで、酸が味わいの全体を引き締めて互いの余韻が心地よいことこのうえない。してやられました!

髙橋 ほんと、本日最大の番狂わせでしたね。ワインに程よく残糖があってキャベツの甘味もきれいに受け止めてくれるし、酸味もちょうどいいですね。

土田 太田さん!(←ご指名)。広島お好み焼のソース単体とこのワインを合わせて、感想を聞かせてください。

太田 えっ、ああなるほど。ワインの甘やかさでソースのコクと甘味がマスキングされて、裏に隠れていた複雑なスパイス感がより際立ちますね。

松本 不思議だけれど、ワインとソースの双方が底上げされるような美味しさ。これは驚きました。

土田 そうそう、ソースだけでもお酒が進んじゃう(笑)。

ひぐち君 これって、絶対女子が好きな組み合わせ。ドイツでもオタフクソース売れるんじゃないですか? フランクフルトにお好みソースとか。

松本 実は、近年ドイツでの需要が伸びているんですよ。

髙橋 キャベツ料理も有名だし。間違いないですね(笑)。

 さて、コーフンし過ぎました。気を取り直して進めましょう。

意外性で言えば、酒精強化。「マデイラ デルヴィーノ レゼルバ 5年」です。ちょっと甘味が強い?

太田 チャツネやカレースパイス、焦がしキャラメルの香り。甘くて酸も心地よい。広島お好み焼、さらにソースたっぷりが◎!

土田 個性が強いので、チーズでお好み焼にインパクトを足すといいかもしれません。

髙橋 甘さと酸味はOKだけど、アルコールが強いので食べ進めるにはロックアイスを入れる、炭酸水で割るなどアレンジしたいです。

 では、「ベリーズ・オロロソ」です。どう、イケる?

太田 クルミやナッツに加えて、酸化熟成の華やかさ。豚バラ、イカ、エビ、トッピングに紅しょうがと青のり、かつお節はたっぷりの旨みオールスターズで挑めばありじゃないですか? マヨネーズも必須ですね。

土田 熟成感など、ちょっと違う角度からフレーバーの要素がアプローチしてくる感じでおもしろい。

ひぐち君 少しドライ過ぎる印象もあるかなぁ。

土田 広島お好み焼ってソースも濃厚でボリューミーだから、途中で食べ飽きてしまうことがあるんですよね。お口直し的に途中で挟むといいと思います。

太田 マデイラの風味で広げて、オロロソで〆る二段階方式!

一同 ああ、なるほど!

 さて、リースリングの衝撃から回復しきれていないけれど……。これは例外的な結果なので、ドライな白を合わせるなら、白スパークリングと同じ「お好み焼たべたい!お好みソース」がいいでしょうね。

太田 はい、この組み合わせは変則的ですから。あと広島お好み焼=濃いのではなく、複雑なスパイス感など味わいの層が厚いというところがポイントになると思います。だから酒精強化など個性の強いもの合わせると、よりダイナミックなマリアージュが完成する。

ひぐち君 実際試してわからないってことですね。

一同 異論なし。先入観は大敵と肝に銘じます!

結果発表 白&酒精強化ワインのベストマッチは?

広島お好み焼

コクと旨みのお好みソース

「白ワイン&酒精強化酒」には「広島お好み焼」×「コクと旨みのお好みソース」が味わいにインパクトのある酒精強化ワインぴったり。マデイラの甘味や複雑味と相乗するほかに、オロロソの熟成感など個性的な風味をソースの深みがしっかり受け止める。甘味のある白ワインにお好みソースが合うという意性に一同驚く場面も。

関西お好み焼

お好み焼たべたい!お好みソース

ただし、果実味たっぷりのドライな白ワインなら白スパークリングと同様、出汁の旨み、甘味と酸味の強い「お好み焼たべたい!お好みソース」が好相性。

●生産国/地域:ドイツ/ラインヘッセン
●品種:リースリング
●希望小売価格:2,700円

輸入元:アンフィニー 
製造元:ワイングート・ヴァルター
アルツェイヤー・ヴォルトベルグ・リースリング・アウスレーゼ

ラインヘッセン、ケッテンハイム村に位置するワイナリー。1920年にブドウ畑を取得し、第二次世界大戦後に自社瓶詰を開始する。一同声を揃えて「合うはずがない!」と断言した、本日一番のダークホース。風味にインパクトがある広島風ソースと合わせると、原料であるリンゴデーツなどの甘さにワインの可憐な花の香りが優しく寄り添い、心地よい余韻へつながる。さらに、加熱によって甘味を増したキャベツとも抜群のバランスを見せ、予想外の結果で波瀾を巻き起こす。

輸入元:木下インターナショナル 
製造元:ヴィニョス バーベイト 
マデイラ デルヴィーノ レゼルバ 5年

マデイラの中心地に位置する家族経営の生産者。膨大な原酒のストックと優れたブレンド技術で高品質のアイテムを供給する。焦がしたキャラメルやチャツネ、カレースパイスの香りに心地よい酸。味わい、香りに甘味と厚み、ボリュームがあるので、ソースたっぷりな広島お好み焼によく合う。複雑味十分で、アルコール度も高いため風味の広がりは期待できるが、ロックアイスを入れるなどのアレンジを加えたほうが、飽きることなく軽やかに箸もグラスも進む。

●生産国/地域:ポルトガル/マデイラ
●品種:ティンタ・ネグラ80%、セルシアル20%
●希望小売価格:2,400円

●生産国/地域:スペイン/アンダルシア
●品種:パロミノ
●希望小売価格:2,340円

輸入元:ベリー・ブラザーズ&ラッド
製造元:バルバディーリョ
ベリーズ・オロロソ

生産者との信頼関係から、輸入元がオリジナルで販売するシリーズ。クルミやナッツのリッチな香りに、酸化熟成に由来する華やかさ。充実のボディで懐の深さを持つため、旨み重視の関西お好み焼にマッチ。豚バラのほか、イカやエビ、トッピングには紅しょうが、青のり、たっぷりの鰹節とマヨネーズの総動員体制で挑むのがマリアージュ成功のコツ。味わいがしっかりドライなので、ボリュームのある広島お好み焼を食べる合間に挟んで、口直し的な役割を担うことも可能だ。

以下、後編につづく。

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