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ワインにピッタンコの創作お好み焼王グランプリ 2017

フレンチ、中華、イタリアン、フュージョン、4人の料理人がマッキー牧元審査員に挑む

3番 イタリアン「cenci」〜カルボナーラのお好み焼〜

京都・聖護院のイタリアン「cenci」のオーナーシェフの坂本健さん(右)と。

簡単レシピ
1.すり下ろしたのと刻んだレンコンでベースを作る。 
2.そのベースに生ハムを刻んでアクセントにする。
3.焼き上げ、オタフクお好みソースをかけ温泉卵をのせる。 
4.チーズと酢漬けにしたレンコンをのせ完成。

笑わずにはいられない!

「ははは」。一口食べた途端に笑い出してしまった。笑わずにはいられないほど、おいしい。

味はお好み焼とは違う。しかしどこかに懐かしさや親しみやすさがあって、食べた人を愉快にさせてしまう力を持った料理である。

カリリと細切りレンコンが主張する表面。ふんわりもっちりと粘る、餅のような食感があって、優しく甘い中身。そして上に散らされた酢バスという、爽やかさのアクセントが心憎い。

レンコンの特性を生かした見事な料理で、これだけ敬意を払われたら、レンコンもさぞ嬉しかろう。

吉田牧場のマジヤクリチーズ、中に入れた生ハムと、そして上の卵黄と、うまみ三重奏のさりげない支えも加わって、食べだすと、もう止まらない。

この料理にも、お好みソースの包容力の大きさが現れていて、レンコンの甘みをしっかり盛り上げながら、自分は控えに回っている。カリリッ。ふんわりもっちり。シャキッと。
様々な食感が、口の中で楽しそうに響きあう。おそらくイタリアンでは出さないだろうから、どこかお好み焼屋がメニューに加えてくれないかな。

赤ワインがいい。田園の豊かさがあるガレットを包み込んで、香りや味を膨らまし、豊穣の感動へと導いていく。赤ワインと混じりながら、ソースが襟を正し、感謝の意を述べ、笑っている。そんな気配があった。

合わせたワイン
イル・モルテッリート 「カラニウール」[赤]
Il Mortellito CALANIURU

シチリア島の東南端にあるユネスコ世界遺産のバロック建築が残る町ノートで、モルテッリートという会社が、ワインはワイナリーではなくてブドウ園でつくられる、という信念のもとに自然農法で栽培した健康的なブドウから生み出しているワイン。品種は、フラッパートとネロ・ダヴォラのブレンド。ワイン酵母は使わず、自然発酵による。

cenci(ちぇんち)
京都市左京区聖護院円頓美町44-7
☎075-708-5307
営業時間 12:00~15:00(L.O.13:00) 18:00~23:00(L.O.20:00)
休日 月曜・不定で日曜

この記事を書いた人

マッキー牧元
マッキー牧元
立ち食いそばから割烹、フレンチからエスニック、スィーツから居酒屋まで、日々飲み食べ歩く。まさに、「食べるグルメマップ」。多くのアーティストの宣伝・制作の仕事のかたわら、1994年には、昭文社刊「山本益博の東京食べる地図」取材執筆、1995年には「味の手帖」に連載を開始するなど、食に関する様々な執筆活動を行う。現在も、「味の手帖」、「食楽」、「銀座百店」、「東京カレンダー」など、多数の雑誌やWebに連載中。日本テレビ「メレンゲの気持ち」、「ぐるぐるナインティナイン」などに出演。

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