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「フェッラーリ・ぺルレ・ミレジム」をワイン男3人衆が料理から考察する。

「乃木坂しん」と「ファロ資生堂」のソムリエ、そして「小田島」のシェフによる座談会

和食への対応力抜群!

小田島 ドイツでもスペインでも、シャンパーニュと同じ瓶内二次発酵のスパークリングは造られていますが。

本多 もちろん北米やオセアニアでも。ただ、クオリティについてはフェッラーリが一歩上。標高が高く、冷涼な気候で、酸による骨格が形成されているんです。

小田島 そもそもイタリアでは、プロセッコやフランチャコルタといった泡が有名です。でも、ほかと比べてフェッラーリのほうが、うちの店の料理とも馴染みやすい。

本多 今、イタリアではアペリティーボ(食前酒)が流行っていまして、軽快なプロセッコなどはアペリティーボ向き。フェッラーリは料理と合わせるべき。

小田島 確かにこれ、完全に食中酒ですよね。

飛田 以前、当店へJETCUP優勝者の方々に来ていただいたとき、フェッラーリの古酒と料理をお出ししたら、本多さんが褒めてくださいました。

本多 フェッラーリは和食への対応力が抜群なんです。

飛田 とくに、ペルレのようにシャルドネ100%だと和食と合わせやすい。

小田島 このレベルの泡は、温度が上がっても苦味ばかり出ることがないので、ゆっくり飲めます。

本多 上に酸が伸びてくる感じで、バランスが崩れない。逆に、冷やしすぎるのはよくない。

飛田 ワインは酸を持っているので、酸とのバランスをとるためには、和食にちょっと油脂分があるといい。油脂がないと、フェッラーリの味に馴染みはするけど、拾い上げる力が少ない、というか。同じ食材でも揚げ出し、揚げ浸しみたいなアレンジをしていただくと、ご家庭でも満足できるマリアージュになるかと。

本多 私からは、「イタリアの泡だからと言って、ただオリーブとカルパッチョをツマミに合わせて終わるのはちょっと違う」という点をお伝えしたい。フェッラーリの産地、トレントは涼しくて、オリーブの木が生えているエリアではない。文化的にはドイツに近いけど、ワインや食に関してはフランスの影響が強い。だから、バターっぽい味わいにもなんとなく合う。そして風土的に考えると、山がちなエリアだから山の食材とすごく合います。とはいえ、調理法にもよりますが、日本では海産物がご家庭では合わせやすいかな。

住所/東京都中央区銀座8丁目8−3
tel:03-5537-6241
営業時間:11:30~15:30(L.O.14:30)  
17:30~23:00(L.O.21:30)
定休日:日曜日(ただし月曜祝日の場合営業) 
祝日不定休 ※年末年始の営業時間はお店にお問い合わせください。
faro.shiseido.co.jp

「ファロ資生堂」
オレンジ香るカチョ・エ・ペペ
ロングパスタにハードチーズと胡椒を和え、最後にオレンジのコンフィをプラス。咀嚼の必要があるリゾットでなく、スピード感を持って食べられるパスタにしたのは、ワインが口に滞在する時間と揃えるため。ひと手間加えた柑橘は、フェッラーリ・ペルレ・ミレジム2010が持つ柑橘香とスムーズにリンクする。この一品はオンメニューされていませんが、特別オーダーも可能。

飛田 フェッラーリは、貝のミネラルにピッタリくるんですよ。貝出汁はテッパン。

小田島 貝は、コハク酸の旨み。シャンパーニュみたいにガンガン前に出てこないフェッラーリだから、さりげなく濃厚な旨みに添ってくれる。なんだろう、その懐の深さと、さりげなさ。落ち着いた50過ぎのおっさんみたいな。

飛田 若い女性の面倒をみるおじさん?

小田島 格上のお店をあえてカジュアルにも使えるような、余裕のあるおっさんね。

飛田 そ、そう……。素材の話に戻すと、さつまいも、きのこ、栗はどうかな。それぞれの素材が持つ自然な甘味はフェッラーリの果実味を邪魔しないし、ちょっとしたえぐみも、フェッラーリがおいしく変えてくれる。フェッラーリに料理を合わせるポイント、私は香ばしさ、柑橘、苦味だと思っています。だから、ちょっと揚げたり、最後に柑橘を添えたり、ほろ苦い食材を持ってきたりしたい。

本多 柑橘もいいけど、りんごもいいです。ご家庭料理なら、ポテトサラダにりんごを、その甘みをほんのり感じるくらい入れる。りんご入りのコロッケなども合うと思います。

小田島 フェッラーリには、まるでりんごのような果実味、ミネラル、酸があるから、それに料理を似せていくマリアージュですね。その料理、うちの店でやってもいいかな。

住所:東京都港区六本木7-18-24 
tel:03-3401-3345
営業時間:18:00~L.O.22:00
定休日:日曜・祝日・第2、4土曜日
www.odajima.tokyo

「割烹 小田島」
天然鯛昆布〆針リンゴとクレソン巻き
歯ごたえのあり、酸味のあるリンゴを入れることでフレッシュ感をだすことで昆布〆の鯛の味にボリュームがでる。また、最後に僅かに柚をすり下ろしてほのかな苦味を持たせながら、クレソンで巻くことで、すべてに調和がでてくる。この一品と合わせる事でフェッラーリが持つ骨格をしつかりと感じることができる。

飛田 僕も、今日はアイデアをいただく気満々。

本多 北イタリアにはヨーロッパ最大のりんご産地があって、りんご料理が多いんです。スライスしたりんごに衣を付けて揚げ、砂糖とシナモンをつけてたべる一品も。これが、めちゃくちゃおいしい。

飛田 スパイスを加えるとまたフェッラーリとの相性が高まるんでしょうね。

小田島 りんごの種類は、酸が強いほうがいい?

本多 うん、紅玉が向いてる。富士を揚げるとモソモソしちゃうの。

小田島 昔、余ったりんごやバナナを餃子の皮に包んで揚げて食べたなぁ。あれもきっと、フェッラーリに合うはず。

本多 または、りんごのソースを料理にあしらうとかね。

飛田 和食はソースという概念がないから、いろいろ気づかされます。味噌や醤油はあるにせよ、ワインに生醤油は合わないし。

小田島 醤油を使うなら、出汁で割ったり煮切ったりして、ぜひ塩分を和らげてほしい。まぐろの刺身でも軽く漬けにして、生醤油につけさせないこと。箸しか使わないから、食材を箸で食べられる大きさに整えておくのが和食。つまり、ひとくちで食べた時においしくなるよう、こちらでコントロールできる。切り方や盛り付け次第で、わざわざ「こう食べろ」と指示しなくても、おのずとおいしくなるんです。

飛田 おっしゃる通り、うちの店も、醤油を添えない方向に進んでいます。今は、寿司屋さんでも刷毛で醤油を塗って出す。「どうぞ~、醤油は好きなだけ漬けて~」となると、ワインとの相性もへったくれもない。

小田島 ついつい頼りたくなる醤油は、麻薬のようなんだけど。

飛田 で、味噌は?

本多 味噌は、醤油より合わせやすいでしょうね。

飛田 和食って素材を大切にする料理と言われながら、ある意味、鰹や昆布の出汁で素材らしさをマスキングしているとも考えられます。うちでは、素材を素材らしくするため、海老のしんじょうには海老の脂を足して、より海老らしくする。何かを足していくのはフレンチの文化かもしれないけど、いいところは参考にしていきたい。そうして、料理の素材感、風味、コクが上がると、フェッラーリともバッチリ合うんだと思います。フェッラーリのアイテムはどれも、コクがあるけど重心も高いところにあるから。

「乃木坂しん」
えびしんじょう
車海老と白身魚のすり身に、卵黄と脂を混ぜた卵素を合わせてつなぎとし、蒸しあげたもの。最後に昆布と鰹節でとった出汁をはる。フェッラーリ・ペルレ・ミレジム2010は熟成により丸みを帯びているので、ワインと合わせるのが難しいとされる卵黄のクリーミーなコクともぶつからず、よく溶け合ってくれる。

住所/東京都港区赤坂8-11-19
tel:03-6721-0086
営業時間:11:30~15:00(L.O.13:30)
18:00~23:00(L.O.21:30)
定休日:不定休 www.nogi-s.com

小田島 ワインと料理双方でおいしさの輪郭がハッキリしてくると、マリアージュもやりやすいということですね。さて、僕の持ってきた05年の本多さん記念ボトル。これはもうスパークリングというより、ひとつのワインだな。

本多 10年の現行ヴィンテージと比べ、さらに泡は柔らかくなっている。02年ではさらに熟成が進んで、キャラメル香、醤油のような香ばしさもしっかり感じられます。

小田島 天ぷら屋さんで、ハウスワインとしてずっと置いておいてほしいなぁ。天つゆの香ばしい感じが合うはず。

本多 瓶内熟成の期間を長くとる贅沢な造りをしているから、旨みが出やすい。こうして7年前、12年前、15年前と飲み比べると、シャンパーニュより熟成は早く進むことが確認できます。熟成した複雑なシャンパーニュがお好きな方は、フェッラーリのミレジムを自分のセラーで数年管理してみては。ちなみにフェッラーリのペレル・ネロのブランド・ノワールも、シャンパーニュで言うところのアンボネイ村よりアイ村のニュアンスがあって、熟成させる楽しみが広がりそうですよ。

飛田 今日は、おふたりの持てる知識とインスピレーション、アイデアを聞き「そうだよな、こういう合わせ方もあったよな」と再認識できる幸せな時間を過ごせました。

本多 僕はイタリアンしか知らないから、和食のセオリーで料理の組みたてを考え、ワインと合わせていけることを発見できましたよ。

小田島 イタリアンと和食は、食材から料理完成までのプロセスが分かりやすい。どこか繋がっているなと思いました。でもまあ、フェッラーリのペルレ・ミレジムは懐の深いキャラクターなんで、案外とシンプルなサラダや野菜炒めでも何でも合いそうですけどね~。

飛田 本多 ……(これだけマリアージュで白熱した今日の座談会とは、一体なんだったのか)。

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