4) 鳥さわ
シンプルなものを贅沢に
つねに進化する!
ご主人の中澤章さんは、好きな焼き鳥のお店をやろうと思い立ち、まずは鶏肉について知ろうと鶏肉卸しの会社で働いた。「新鮮な鶏肉をバラしたときの色とか勉強になりましたね」。なんたる研究熱心!
亀戸でオープンしたのは2011年9月、30歳のとき。いまや取材される焼き鳥屋さんの常連さんだ。「マジメにやることじゃないですかね。これでいいやって思わないこと。つねに進化する。なんでもそうだけど、いつも勉強していかないとダメ。特に焼き鳥はシンプルなものだけに」
鶏肉は、食べ歩いて「自分が考える焼き鳥」に一番ピッタリだった鳥取の「大山(だいせん)どり」。柔らかい肉質を紀州備長炭の強火でパリッと焼く。いまも週に一度はほかのお店に行っている。
5) 鳥善 瀬尾
かしわとシャンベルタン
常連客にワイン関係者も
ご主人の瀬尾博之さんは勝どきの「鳥善」で10年修業した。若い頃、先輩に連れていかれ、コースで前菜から出すお店が初めてだったこともあって衝撃を受けた。
この親方の焼き鳥だったら、どこでもやっていける。そう思って弟子入りし、昼間の仕事を続けながら、夜は鳥善で12時まで働いた。
2003年4月に独立。早々にできた常連客のなかにワインの輸入会社の創業社長もいた。その社長は毎週のようにワインを持ち込みで来店、海外の生産者も訪れるようになった。瀬尾さんは、焼き鳥とワインの幸福なマリアージュをたっぷり味わってきた人なのだ。焼き鳥歴25年。「もっと極められるような気がします」と目をキラリ。焼き鳥&ワイン好きは体験しておくべきでしょう。
6) YAKITORI & Wine Shinori
フレンチ出身シェフのねぎまストーリー
ワインに寄り添うように
オーナーシェフの山中良則さんとソムリエの志乃さんご夫婦が営む、ワインと焼き鳥のお店。
フレンチのシェフだった良則さんは肉を焼くのが楽しくて、炭の扱いを研究しているうちに、炭イコール焼き鳥の世界に行きたくなった。でも、焼き鳥だけ食べていると飽きる。ワインの酸味が欲しい、と実感した。そんな焼き鳥店をやりたいと思い立ち、六本木のワインのある居酒屋で2年ガッツリ焼き鳥を修業、ワインは志乃さんがソムリエの資格をとると言い出したので任せた。
開業は2010年10月。ワインメニューはない。「お客さんが飲みたいお酒で食事を楽しんでもらう。私がワインに寄り添うようにします」と良則さん。ワインの飲めない人はお断りという頑固さがいい。
YAKITORI & Wine Shinori
住所 東京都品川区小山3-25-14 2F
tel. 03-5749-3144
営業時間 18:00〜23:00(L.0.)
定休日 火曜日・祝日の月曜日
7) 鳥よし 銀座店
ザ・ヤキトリとワイン
広くてワインも充実
中目黒発祥の「鳥よし」は西麻布、赤坂、銀座に加えて、3月21日に中目黒店の裏に「分店」がオープン。高級焼き鳥ブームの火付け役で、ワインを初めて置いた、といわれている。
「オヤジさんがパリで焼き鳥屋をやっていて、たぶんそういう流れだと思います」と銀座店の山本慎治店長。中目黒店よりも広くてワインも充実している銀座店、平日は接待等、週末はファミリーで賑わう。
焼き鳥は職人が動いているライブ感の中で食を楽しむもの。「お前らは舞台役者なんだ」とオヤジさんからよくいわれる。ふと店長の手を見ると、やけどだらけ。鳥よし伝統の「近くの強火」だから、どうしてもこうなる。大きなウチワでいなせな職人仕事にシャブリでカンパイ。敬意と感謝を込めて。