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香港は上海ガニだけじゃない!

インスタ映えする風景とうまいものを味わう2泊3日の旅

虹という名前の公共アパート

翌朝、ココさんが再びやってきて、香港を案内してくれた。

最初に行ったのがランタオ島にある、こちら、1960年代の香港を思わせる内装を施した「香港マーケット」だった。商品とは関係ないところで、洗濯物が干してあったり、全長11メートルの巨大な飛行機が天井から吊るしてあったり……。飛行機は有名なペーパー・クラフトの名人がつくった作品で、九龍城のビルの上を低く飛ぶところを再現している。でもって、カスタマー・サービスのカウンターは昔の映画館の切符売り場を模していたりする。


マーケットでは、新鮮な野菜や果物や魚や肉や、生きた鶏やらが売られていて、香港の豊かな食生活が目の当たりにできる。1杯168香港ドル、ということは約2520円で上海ガニも売っている。フルーツの中には日本産もある。60年代に較べて暮らしは豊かになっているはずだ。それでも、香港人は、洗濯物を狭いビルの間に干し、飛行機が頭上を飛んでいた時代を懐かしむ。

次に行ったのが1965年に香港の建築家協会から銀賞を受けたという「チョイ・ホン・エステート」だった。ランタオ島から1時間かけて九龍に戻ってのチョイ・ホン地区にある。チョイ・ホンChoi Hungとは中国語で虹。中国語だと「彩虹邨」と書く。

公共アパートメントとして建てられたものだけれど、インスタ映えするということで注目されている。実際、バスケット・コートがある、ここ2階建ての駐車場の屋上では、若者が数組、スマホで写真を撮っていた。

続いては、彩虹邨から割と近くの「ナン・サン・エステート」の「南山邨」という公共アパートメントの屋上にある、70年代の香港スタイルの遊び場。いまではすっかりレアになった、時間が止まった場所。ここもインスタ映えがするということで、若者に人気のスポットなのだそう。こちらでも、若者が数組、スマホを手に写真を撮っていた。

仮に単に色がキレイ、という理由であるにせよ、イギリス統治時代の何気ない団地の風景が、古きよき香港の象徴として若者の心をとらえているのだとしたら、雨傘革命は終わっていないということだろう。

「火水炉」は外観が映画館風。

夜総会とはナイトクラブのこと。

47香港ドル(約705円)の手羽先丼。コーヒー付き。

タマゴとスパムとトマトのサンド。やさしい味だ。

昼食は繁華街として知られるモンコックの「火水炉(フォー・シュー・ロ)」という茶餐廳(チャー・チャン・テーン)に案内された。チャー・チャン・テーンとは、喫茶店と大衆食堂が合体した、香港独特の飲食店のこと。ここも外観が映画館みたいになっている。香港人にとって映画館というのは、グッと身近な存在だったのでしょう。

ここでいただいた人気のAランチ、チキンの手羽先のとんがらし丼。うまそうだと思ったのですが、辛くて食べられなかった……(涙)。香港にも辛い料理があるということを初めて知った。このあと、サンドイッチをお願いしたら、フツウにサンドイッチでありがたかった。手羽先のとんがらし丼とサンドイッチが出てくるカフェというのは、日本ではめずらしい。

食後、モンコック地区を腹ごなしに散歩した。金魚街、花園街、雀鳥花園(鳥市場)を歩いた。香港ではみなさん、フツウに風水をやるので、金魚は欠かせないという。すぐ死んでしまうので需要がある、ということである。

ブルース・リーの銅像がある公園、ガーデン・オブ・スターズ (星光花園)にも立ち寄った。同行した日本からのプレス一行は若いひとばかりで、興味があるのは記者ひとりだけだった。1973年12月、日本で「燃えよドラゴン」が封切られたとき、彼はすでに伝説の存在になっていた。同じ年の6月に急逝していたからだ。

「ブルース・リーの死は謎です。アメリカに住んでいたからアルコール、ドラッグ、筋肉を大きくするためのステロイドもやっていただろう。おまけに死んだのがガールフレンドの家で、ベッドの上でトレーニングに励んでいた。心臓に負担がかかって、ドックン、ドックン、ピー……。でも、ブルース・リーはカンフー・マスターだった。ジャッキー・チェンはムービー・スターであるに過ぎない」とココさんは言った。

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